借り暮らし
目の前に広がるこの世界は
経験世界、結末の世界、結びの世界。
感じ得る同じ並びの事象に対して
何か影響を及ぼせるわけがない。
有能感や効力感、自尊心などは
あってもいいが役には立たない。
全てを明け渡し、
行動、自分、他者、時間、空間etc
この世界の出来事でしかないのだ
と理解する。
非存在と存在の接点として
借り暮らしをしている。
己を媒介として事象が生じる。
仏と呼ばれるのは全ての人。
空性の関門を
全てのことがくぐって来た。
全ての事象には仏性が宿る。
誰も行使できないが
既に持っている、
生まれた以上
持っていなくてはおかしい
そんな力。
引き出すためには悟りに近づく、
己を深くどこまで理解し続け、
そして己を忘れる。
ただただ
無から転じるその
自然な営みに感謝の念が滲む。