なまじ変なところで記憶力が良いだけに

友達と思い出話を花咲かせているとき
俺だけやたら小学校時代のしょうもない話や
人間関係、勢力図に詳しい。

よく覚えてるねと関心されるが
あの言葉には(俺は大人になった今を懸命に生きてて昔のことに縋ったりしないから忘れてるけどお前は大した成長もせず)よく覚えてるね。という皮肉のようなものが込められてると自意識過剰を発動させている。

何だか自分だけ前に進めておらず
無駄に体は細長いのに、心だけはずっと小さいまま、遠くを歩く皆を直視できず、体育座りのままうずくまっている感覚である。

仕事中、未だに「働きたくないな」とか
「早く家(実家)に帰ってリビングでアニマックス見たいな」とか思っちゃう。  

この感情になる理由はいくつかあるが、一つには「心が大人になってない」が確実にあるな、と最近新発見した。

そして心が大人になっていない原因の一つは
「少年時代のことを ついこの間のように覚えている」からであることも理解した。

この歳で本当に情けないが、未だにちょっと前まで学校に通っていた感覚である。
あのとき別に人気者でも何でもなかったが、それなりに周りに恵まれていたことで感じていた充実感や楽しさを心がはっきりと覚えている。 はっきりと、というかこれがまた厄介なことに、おそらくだいぶ自分の都合の良いように改変して刻んでいる気がする。

今の生活が孤独な分、心の浅い所では楽しかった頃の記憶を「遠い過去のもの」と認識しているが、実ははっきりと刻まれているため、心の深い場所では「まだまだ最近」と感じてしまっている。

そもそも昔のことをよく覚えてる利点ってなんだろう。
エッセイストでない限り昔の記憶を引っ張り出すことがお金につながるとは思えないし
・友達と昔話をするときにヒーローになれる
・過去の感情を覚えていることで尊重でき、今の自分に繋げられる
↑カッコつけたけどこれ要は昔から何も変わってない人じゃね?(あんまり良くない意味で)
・辛いことがあったときに過去の楽しかった記憶に思いを馳せて現実逃避ができる
↑悲しすぎだろ。
・… 
割とまじで1つ目しかない気がする。 

でも昔のことを一切覚えていない自分なんて自分じゃないなぁとは思う。(これが良いことなのか良くないことなのかはまだわからない。)

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