オフ会とたけのこ(土曜日の日記)
土曜日はインターネットの集まりで映画鑑賞会に行ってきた。ここのところの人間関係の縮小ぶりに危機感を感じ、敷居の低そうなイベントをアプリで検索して参加することにした。プライベートで家族以外の人と遊んだのが去年の夏で、しかも色々あって友達の一人が全然目を合わせてくれなかったという寒風吹きすさぶ思い出なのであった。彼女はこの時期になると毎年たけのこをくれていたのだが、もう二度とくれることはないだろう。
待ち合わせ場所に着くと主催のKさんがいた。Kさんは一見強面だが話すと非常に柔和で、またこうしたイベントの主催に慣れているようだった。待ち合わせ場所にきたのは6人で、女性と男性が3人ずつだった。主催の人以外ははじめましてらしい。先に飲み物やお菓子を買いにコンビニへ向かう。コンビニでお菓子を買ったあとまた数分歩いて貸しスペースの一室に到着した。
私以外の女性2人は多分同年代のこぎれいな人たちで早速打ち解けた感じだった。打ち解けたというのか…なんか女の人ってすぐこのくらいの感じで話せるよな。私はそれ、できないんだけど…。
道中隣にいた物静かな男性と話すと、鹿児島から福岡に来たばかりの大学一年生だった。地元は田舎で映画館が遠いけど配信で色々見ているらしくめちゃめちゃ映画知ってた。大学はまだ7割くらいはリモート授業らしい。また今まで身近に映画の話ができる人がいなかったと言っていたので、これからこっちでたくさん映画見たり、映画のこと話せる友達ができるといいですね。
自己紹介で好きな映画のジャンルを一人一人あげていった。皆がサスペンスとかアニメとかいろいろ挙げると主催のKさんが守備範囲広く何かしらコメントした。私は…好きなジャンルとかは特にないけどBLは好きです。と言ったけど普通こういう場で初対面でBLが好きとか言わないな。主催のKさんや他の人が「君の名前で僕を呼んでとか?」「美しい彼とか♪」といろいろ知ってるBLの題名をあげてくれて、ア〜〜〜本当にすみません、ありがとうございます。私は、私は何がしたいんだろう……
映画は9年前の邦画コメディで、主演の俳優2人がのちに結婚していた。終わって一人一人感想を言っていった。主催のKさんはネガティブな感想でもいいですよ♪と言ったがみんな「普段見ないような映画でしたが楽しめました!」みたいなことを言うので、正直あまり好みではなかったが他の人に寄せて無難な感想を口にした。
待ち合わせ場所の駅に戻り、最後に参加した人たちで集合写真を撮って、解散した。ひどく気疲れしたが、人と話せたことで少しチャクラが開いた感があった。人と関わっていけるようになりたいと思う。まあ、うまくはなれないかもしれないけど、できる時には挑戦しようかな……。
主催のKさんにお礼のLINEをしたりしていると、去年の夏に目を合わせてくれなかった友達から連絡があり、たけのこをくれるのだと言う。少し会って話すと、決算が終わったら遊ぼーと言ってきて感情がメチャクチャになった。あんた、去年から私にクソほど冷たくした上、年賀状も無視したんじゃないか。私はもうどうにもならないから諦めようとしてたんだよ。今さら何だよ。なのにさっきより心が温かくなっているということが無性に悔しく、悲しかった。