
〈クローバーの探し方〉
この街にきてから
ひとりぼっちになった
誰も知らない
知り合いもひとりもいない
段々と内省するようになった
交友関係、親、兄弟、知人、
傷ついたこと、気付いたこと、
どちらもあった。
誰も見ていないところで
ひっそりと涙したこともあった。
今までは日常が忙しなく、
振り返る時ですら笑いに変わる毎日が当たり前で
温かさが身に沁みた
(その方が皆安心するの)
ほんとはもっと冷静に見つめていたかった
雪のように雨のように
ただしんしんと
降り止むことなく
皆雨が降ると嫌がるけれど
雨の日は心が落ち着くからすき
雨が上がった空は空気が澄んでいる
皆は泥濘の上で行う体育は嫌だと言った
だけれどそんな事は誰にも言えない
(その方が皆安心するの)
ふざけきった私の
挫けそうな心は誰も知らない
振り切ることの出来ない私は
私を許すことができなかった
いまでもよく分からない
一生道化者のように生きていくのだろう
それでいいのだ
迷い道の中で生きるそれもまた人生なの
ただこの街に来てから
零れ落ちてきた一粒一粒を
この手にたしかに拾い集めてる