なぜセーラームーンは最高なのか
こんにちは
今日は「なぜセーラームーンは最高なのか」としまして、セーラームーンの音楽について書いていこうと思います。
というのも先日、Amazonプライムで久々にセーラームーンを観たのです。
大人になってからセーラームーン第1話を観ると懐かしさと共に「今観ても面白い」という感動と高揚感が押し寄せて、誰かと共有せずにはいられなくなったからなのでした。
セーラームーン忘れちゃったな〜という方やセーラームーン履修してないよ〜という方に向けて、ざっくりとあらすじを見ていきましょう。
主人公・月野うさぎは泣き虫でおっちょこちょいな中学2年生。ある日、言葉を喋る不思議な黒猫・ルナと出会い、自分が選ばれた者であると告げられる。
平凡な中学生だったうさぎが、同じくセーラー戦士に選ばれた仲間たちと、悪の組織「ダーク・キングダム」から人々を守るため、愛と正義の美少女戦士セーラームーンとなり、力を合わせて戦う物語。
アラサー女子のほとんどが幼少期に憧れたと言っても過言ではない「美少女戦士セーラームーン」ですが、放送開始から約30年経った今もなお、その根強い人気からコラボ商品やリメイク版アニメが製作されるなど、我々の童心をガッチリと掴んで離しません。
良すぎる変身シーンBGM
さて、そんな神アニメの最も印象的なシーンといえばやはり、少女たちがセーラー戦士に華麗に変身するあの映像ではないでしょうか。
そしてその変身シーンの音楽がとにかくすごい。セーラームーンの独自性を更に高めたのはこのBGMと言っても過言ではないでしょう。
まずは、YouTubeでその変身シーンをご覧ください。
https://youtu.be/5lg00peDiGI
(うさぎの変身シーンは0:00~0:41)
いかがでしょうか。
90年代のアニメだからこそ描くことが出来たポージング、そして色彩センスとアニメ技術に感嘆させられます。
うさぎが「ムーンプリズムパワー!メークアップ!」と叫ぶと、たちまち全身が虹色になりピンク色のスズランテープのようなものに包まれた部分から衣装が現れるという演出。(スズランテープっていって通じるのか。縦にさけるポリエチレン素材のシャカシャカしたテープのことです)
そしてやはり、音楽がとにかく良い!
出てくる楽器がおもしろい!
楽器経験者、もしくは音楽の知識がある方にはご理解頂けるのではないでしょうか。
まず、可愛い女の子が強くて特別な力を持ったセーラー戦士に変身する、そんなシーンの冒頭がまさかのエレキギターですよ。
いやまずはトランペット(たぶん)のベルトーンから始まります。
うさぎが「ムーンプリズムパワー!メークアップ!」と叫んだら、パンポンパンポンペーン!って鳴るじゃないですか。
ちなみに、ベルトーンとは和音などを1つずつ、ずらして演奏する手法のことで、吹奏楽とかクラシックで多用されます。ベルトーンは何かが起こる知らせであったり、曲であればサビ前に用いられることが多いです。
学校やデパートの放送で♪ピンポンパンポーンって聞こえるアレです。
さて、神聖なベルトーンが鳴り響いたかと思いきや、そこでエリック・クラプトンばりのめちゃくちゃ渋いエレキギターが鳴り響くからびっくりです。
これからキラキラ衣装が出てくる変身シーンにエレキギター使うかね!?普通。
そしてエレキギターが響いた後にこれまた西部警察ばりの渋いトランペットが登場すると、なんと途中で転調します。
転調した先には、先ほどのエレキギターと入れ替わるように華麗で繊細なストリングス(弦楽器)が主旋律を鳴らします。
というか、「フフーン、セーラームーン♪」みたいなコーラスが主旋律で、ストリングスはむしろ伴奏ですかね。
原作は講談社「なかよし」で連載された少女漫画ですが、実は作者・武内直子先生が描くセーラームーンはもっと繊細で軽やかな女の子なんです。(もちろんちゃんとドジっ子)
そのため冒頭のベルトーンが聴こえたら、いきなりストリングスの音色が聴こえても何も違和感は無いはずです。
しかしBGMの前半にエレキギターとトランペットを持ってくることで、活発で元気なドジっ子の女の子が、愛と正義のために戦うという決意と強さを表現しているのではないかと思います。
後半のストリングスは、星や宇宙など作品の神秘的な世界観と、少女から女性へと変わってゆく姿を表しているようです。
もちろん主人公うさぎの声優を三石琴乃さんが演じることで、原作の可愛らしさはそのままに、より元気で親しみやすい女の子に仕上がっていると思います。
しかし変身シーンのBGMにエレキギターと弦楽器を共存させてしまうこの大胆さと完成度に、改めて感服しました。
自分が女子中学生が主人公の魔法戦隊アニメの制作スタッフだとして、果たしてその重要なシーンに、エレキギター使おう!って思えるでしょうか?絶対ムリ!
こういったセーラームーンの独自性は、それまでの少女向けアニメには無かった、性別以前に人間としての意志の強さと、女性の美しさを共存させているところにあると思うのです。
それはかつて少女や少年だった大人たちが、幼少期に憧れた理想のヒーロー像であったはずですし、今も愛される理由はそこに現代にも通じる揺るがない信念を感じるからなんだと思います。
私も幼少期は「ムーンプリズムパワー!メークアップ!」と何度言ったか分からないほど、セーラームーンに憧れた者の1人ですが、今観ても当時のようにキラキラした気持ちで作品を楽しめることに感謝すべきでしょう。
信念がある作品はとても長く愛されることを我々は知っています。信念を胸に、長く必要とされる人間になりたい、セーラームーンを観てそう学んだのでした...
まだまだ言いたいことはありますが、今回はこのくらいにしたいと思います!
ではまた〜!