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俺の親父の話し その③ 【#笑顔STA日記部】

※この話は過去に書いたものです!!


俺は、毎日楽しい日々を送っていた。


少年野球も初めて、友達もたくさん出来て俺はこの頃が(幼き時代では)一番楽しかった。


そんな小6の夏休みの1ヶ月位前にひょっこり、親父が帰って来た。


「おうーお前達、元気にしてたか?」と言って笑顔のまま俺達を抱きしめた。


そしてその日の夜、「よし、今日は何か旨いものでも食べに行くか?」と言って俺達を、焼肉屋に連れて行った。


普段、俺達はしっそな物しか食べてなくてこの頃には俺達兄弟はほとんど自炊してた。


冷蔵庫にあるものは弟とバトルの末、強いものが手に入れ、自分達で何か作って食べてた。


母ちゃんは、仕事が忙しくなかなか母ちゃんの手料理も食べれなかった。


そんな風だったのでその日の焼き肉は格別な物になった。


その翌日、又、親父はいなかった。


俺は、遂に母ちゃんに聞いた。


ある程度知ってた事は、この親父はちょっと放浪癖があってひと所にじっとしてられない親父だった。


それと、この親父はスゲーギャンブラーで🏇競馬、🚤競艇、麻雀🀄とその他はちょっと解らないがそれが原因で借金をしてたらしい。


母ちゃんの返答は「その事は、もうちょっと後で言うよ」と言い何か悩んでいるようだった。


そんな事があって、一学期の終業式が近くなってきたきたある日、母ちゃんは何故か家に掛かってくる電話に焦っていた。


「もう少し待って下さい。」等と悲痛な受け答えをしていた。


そして、終業式の朝、変なおじさん達が家にやって来て、家の家具や母ちゃんのお気に入りのステレオや冷蔵庫、テレビ、とにかく少しでも、お金になりそうなものに赤いシールを貼っていた。


しばらく事は続き、おじさん達は帰っていった。


「あのシール何?」と母ちゃんに聞いたけど、母ちゃんは俺達を抱き締めて泣いていた。


後で解った事だが、あのシールは差し押さえのシールだった。


借金のかたに、金になりそうな物を予め見て、ちょっとでも金になりそうな物に貼っていくシールの事だった。


その後、俺達は終業式の為学校に行った。


半ドンで学校は終わり家に帰った。


そこで俺は、信じられない光景を目の当たりにした。


そう、朝来てたおじさん達が勝手に家の鍵を開け、中の荷物を次々に運び出してた。


そして、トラックの荷台に積み込むと「おう、ボウズじゃあないか!恨むなら親父を恨め」と一言言って去って行った。


その後、しばらく俺達はボーゼンとしていた。


でも、腹は減る。


俺は密かに隠し持ってた、200円で、近所のたこ焼き屋で、たこ焼きを買った。


少しサービスしてくれたたこ焼きを弟と二人で食べた。


それがその日の昼飯になった。


それから、母ちゃんが帰ってくるのをひたすら待った。


日がくれるまですんごい時間を感じた。


そして、母ちゃんが帰ってきて母ちゃんは全て解ってたようで、俺達を抱き締めて「ごめんね、こんなことになって」と泣いていた。


その夜、母ちゃんは俺達をラーメン屋に連れていってくれた。


この頃、母ちゃんは前々から考えてた離婚を決意していた。


俺達には、一杯づつのラーメンが運ばれてきたが、母ちゃんの分は無かった。


俺は少し食べて、母ちゃんに「食べないと元気出ないよ!」と言って器を母ちゃんに渡した。


弟も同じ事をした。


結局、もうひとつ器を貰い、3人で分け合って食べた。


その翌日、俺達はばあちゃん家に行き夏休みの間、ばあちゃん家で世話になった。


あっ、このばあちゃんは母方のばあちゃんでそう俺が引っ越す前、3年間通った小学校の近くのばあちゃん家で、じいちゃんは母ちゃんに対して厳しく、「この夏休み中に新しいアパート見つけて来い!」と言う。


後で解った事だが、このじいちゃんこそ影であの親父の借金を何とかしてくれていた。


そして、あの親父はたまに帰ってきては母ちゃんに金をせびってたらしい。


そんなこんなで、俺はまた引っ越しを余儀なくされ、又、転校する事になった。


その夏休み中に母ちゃんは、アパートを見つけ、2学期から又、あの小学校に通える手続きをしていた。
そのアパートは今まで暮らしてきた所とは違い、遥かにオンボロで、まず風呂なしでトイレは共同トイレ、部屋はワンルームのキッチン付きのボロアパートだった。


これも全てあの親父の仕業でこんな事になったんだと初めて親父を恨んだ。



そして、夏休みが終わり又、俺は転校生になった。
それからも、俺達兄弟は楽しく笑顔で毎日を過ごした。


その後、俺が親父に会ったのは中2になって間もない頃だった。


その頃は、母ちゃんが頑張ってくれたのとじいちゃんのお陰で、少し広くて風呂付き、トイレ付きのアパートで生活してた。


ふと、親父が現れ「M、もうお前も中学生か?」と話してきたが、俺は無視した。
何かを気付いた親父は家の中を見渡して「H、ちょっと電気屋行こうか?」と言うので近くの電気屋に案内した。


そして親父は、電気屋のお兄さんと電化製品を見ながら色々話しをし、最後にレジのところで、精算してた。


「おいH、2~3日後に新しい電化製品が届くから楽しみに待ってるんだぞ?」と笑顔で言ってた。


その翌日、又、親父はいなかった。


その2~3日後に新しいコタツ一式と、オーブントースターと炊飯器、冷蔵庫が届いた。


何処にそんなお金が有ったのか俺は不思議だった。
でも、この頃になっても親父の仕事は何をしてるのか、解らなかった。


俺がまだ幼い頃は、新聞社で働いていた事をこの頃、母ちゃんから初めて聞いた。


この後、俺が親父に会ったのは、随分先の事になる。


そう、俺が21歳の春になる。


ここまで時間が開くのは初めての事だった。


長文最後まで読んで頂いてありがとーございます😅
今後もヨロシクです!!



つづく





【笑顔STA日記部】







笑顔!!


STA!!










by
Merryhiro

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