一言さんお断り
京都では、よく「一見さんお断り」ということを言われます。
江戸時代(1603年 - 1868年)頃から始まったとされています。
当時、京都は天皇の御所があり、政治的にも経済的にも重要な都市であり、治安維持のために商人や茶屋が信頼できるお客さんとのみ取引をする傾向がありました。
これが「一見さんお断り」の始まりとされます。
特に、祇園(ぎおん)や先斗町(ぽんとちょう)などの花街(はなまち)でこの習慣が広まりました。
花街では、お茶屋や芸者との取引が厳格に管理されており、既存の顧客(紹介者)がいることが信頼の証とされました。知らない人をもてなすことで失礼があってはいけないからという説もあります。
現代では、この伝統は一部の高級料亭や茶屋に残っており、初めて訪れるお客さんが常連客や紹介者を通じてのみ入店できるという形で継続されています。
この文化は、サービスの質を維持し、安心して楽しめる環境を提供するためのものと理解されています。