上位のパーパスを意識せよ‼
先の投稿では、パーパスの法則である「上位のパーパスは下位のパーパスを駆逐する」について一般的なニュースソースで確認しました。今回は、上位のパーパスを意識することの重要性について確認します。
取り上げるパーパス展開例は、体調を崩した人を治療する病院のパーパスです。(ここでは怪我をした人を治療する病院などの機能は除きます。)
体調を崩した(体調がすぐれない)人を治療する病院のパーパス展開のイメージが以下のようになったと仮定します。
この展開では、
何らかの病気にり患し体調を崩した人は、「まず自分はどうなっているのか知りたい。そして、できればり患前の心身の状態まで完治したいあるいは完治しないまでもり患前の活動ができる状態になるように病気の症状を緩和(コントロール)したい」という価値観がベースになっています。
このような価値観を持つ人がいる限り、病気を治療する病院(医療)という仕組み(システム)は存在する価値があります。
この目的を100%達成するためには、体調を崩した要因を正確に突き止める技術および適切な治療法の確立が必要です。現状は何パーセントくらい達成できているでしょうか?
このパーパス展開は、病気を治療する病院というシステムを取り上げ、そのパーパスを積み上げたものをベースに、そのシステムの外側(上位)までパーパスを展開しています。すると、“健康”というキーワードが現れました。
つまり、病気の治療の外側(上位)には、「誰もが生涯病気にならず健康でいたい、誰も病気になりたくはない」という価値観があるということです。
このことから、誰もが生涯健康でいられる方法を享受できる仕組みが実現可能なのであれば、誰でもそれを選択するでしょう。この論理が実現すると、病気にり患する人は減り、先の病院(治療する仕組み)の存在価値は薄れます。
これが、上位のパーパス(誰もが生涯健康でいられる)の仕組みが下位のパーパス(病気を治すあるいは病気とともに生きる)の仕組みを駆逐するということです。
実際、日本においても健康産業の市場規模は経済産業省によると、2013年:16兆円 2016年:約25兆円 2025年:33兆円(日本再興戦略による成長予測)と成長しています。
この現実は、健康ということへの関心が高いことの裏付けになりますが、一人一人の体質や生活環境などに基づき誰もが確実に健康を維持できる仕組みは、まだ確立できていません。
例えば、少量の血液から遺伝子を解析し、将来り患する可能性のあるいくつかの病気を予測できるようにはなってきましたが、その結果を元に、病気を確実に予防する方法が確立できなければ、予防を生業とする病院としてのシステムは成り立ちません。
しかし、このような研究が進めば、将来、「病気を治療する病院」は「病気を予防する(健康でいられる)病院」への変換を迫られることになるでしょう。(同時に、健康保険制度の変革も求められるでしょう。)
このように、現在のパーパスにとって上位のパーパスの実現は、脅威となる可能性があることが分かります。ゆえに、上位のパーパスを意識することに意味があることが分かります。
以上です。
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