死刑制度について

podcastを聴いていたら死刑制度についての話題があった。英語ではdeath penaltyやcapital punishmentという。
国際的には、先進国では死刑廃止の流れとなっている。OECDに加盟している38ヵ国のうち、死刑制度を維持しているのは日本、アメリカ、韓国の3ヵ国のみ。特にEU諸国は死刑廃止を推進しており、死刑が人間の尊厳を究極的に否定する非人道的な刑罰であると見なしている。また、冤罪のリスクとその不可逆性や、死刑による犯罪抑止効果が証明されていないことも死刑廃止を推進する根拠となっている。

個人的には、条件付きで死刑制度の維持に賛成したい。
その理由としては、
①大量殺人など凶悪犯罪に懲役刑では釣り合わない
ノルウェー連続テロ事件が2011年に発生し、若者を中心として77人が殺害された。この犯人は捕まったが、精神状態などが争点となり、最低10年、最長21年の懲役刑になっている。これだけの人数を殺害しておいて懲役刑(さらにこのケースでは無期懲役ではない)というのはあまりに遺族が報われないのではないか。(映画が作成されておりNetflixで観れるがかなり緊迫した内容となっている。)
②囚人の維持にもコストがかかる
一人の囚人を維持するのに年間約300万円がかかっている。人数はそれほど多くないものの、更生の可能性が極めて低い囚人を何十年も養うのはどうなのだろうか。
③凶悪犯罪抑止効果
死刑による犯罪抑止効果は証明されていないという調査結果があるものの、やはり一定の効果は期待できるのではないか。「証明されていない」ということは、「そう」かもしれないし「そうでない」かもしれないということだ。米国では死刑廃止州よりも死刑存置州の方が殺人事件の発生率が高いというデータもあるようだが、交絡因子が多過ぎて結果をそのまま受け取ることはできない。

2019年の調査で日本人の約8割が「死刑もやむを得ない」と回答している。厳格な基準で死刑判決を下すことができるのなら、上記の理由で死刑制度の維持に賛成したい。一方で、海外では死刑の基準が低く設定されている国もあり、そのような国では死刑制度の見直しが必要だと思う。(2023年、世界の死刑執行数1153件の74%がイランで行われたとのこと。ただし、中国や北朝鮮は死刑執行数は非公開で、中国では数千件との情報もある…。恐ろしい)
国際的には死刑廃止の流れになっており日本も国連から廃止を勧告されているとのことで、今度の動向を注視していきたい。

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