あだち充一気読み、夏②

残暑が厳しいざんしょ…
とも言い切れないくらい秋めいてきた今日この頃ですが…

あだち充との夏、まだまだ続きます

ネタバレに関しては…
読んでないなら見ない方がオスのスメ
特にこの作品は。まあ行くも行かぬもあなた次第、だけどね…?🥱

〈ラフ〉 
"あだち充最高傑作"
"恋愛漫画史上最高傑作"

そう評する人がいるのも納得の作品だった

ラスト1ページの衝撃

予想も想像も通り越して、超えに超えて、
これ以上はないと思わされる域の終わり方を、初めて見た

こんな最後の1ページ、きっと、絶対他にはない

だってページめくる前まで心は平静だったのに、

次の一言目を見た瞬間に心の中で起こった突沸🌋


、、、まさか泣くとは、思わなかったぁ

ひとしきり感動して、

、、、、いや、、、描けん!

とツッコミたくなった

他の誰にも描けないよ、こんなの

いや、もちろん全ての漫画を読んだわけではないし、漫画を描く方の気持ちは分かるはずもないんだけど、

告白に対するこの返事の方法はなかなか思いつけない…んじゃない…?
しかも、結果は描かない、最後に2人は登場させない、場面は今までのドラマなんてなーんにも知らないようなある日のどこかの日常のひとコマ、、、

一歩外れたら、え、ちょっと思ってたんと違う…となりそうなこといっぱいやってるんじゃないかって思った

今でこそ名シーンとして語り継がれているけれど、まだ誰の反応もない状態で、描いてる段階で

これが良い!これでいこう!って思うのって、すごく難しいことなんじゃないかと思った


○最終話の少し前に出てきた、

「本命は負けそうなほうなのか。」
あるお爺さんが聞く
「ううん…勝ちそうな方よ」
亜美は少し苦しいそうな、複雑な表情で答える
(改めて見たけれど、こんなにも、こんなにも…!微妙な心情を表現できるものなのかな??
あだち先生の画力にも恐れ入った)

また別の場面での中西弘樹と大和圭介

「亜美にどっちを応援するかってきいたら、負けそうなほうだと答えてたよ」中西弘樹

という言葉も良かったなあ

本命は勝ちそうな方で
応援するのは負けそうな方

どういうことだろう、って一瞬思うけど、きっとそのままの意味なんだろうな
亜美の複雑さも含めた、そのままの言葉

これを言った時の亜美ちゃんの表情に胸がキュッとなった


○そんな揺れる状況には、まだ少し遠い6巻にて

亜美ちゃん、女友達と桜並木の道を歩き、

「こんなとこ女三人と歩いても意味がないんだよ」「好きな人とカップルで歩けたら最高だろうなァ」と友達

「ま、あせらなくても桜は毎年咲くことでしょう」と亜美ちゃん

別の場面で友達が、(亜美ちゃんは)誰とでも分け隔てなく気軽に話すからハッキリしないのよね本命の男子が。と圭介の前で話し、圭介も亜美がいろんな男の子と話してる場面を目撃する

圭介「…」

その後たまたま(?)2人で先生のお見舞いに行くことになり、2人で歩く

「ここは遠回りじゃないか?」と圭介

「あ、そう?ま、いいではないか」と亜美ちゃん

歩いているのはあの桜並木道

言わないんだけど好きってわかる
分からせ方がニクイねあだち充っ!って感じ

大好きで憧れのシーンのひとつ🫶

○コーチがいないので土手でトレーニングをしてた圭介が戻ってくると、亜美ちゃんが、

「どうせ水着ショーでも見に行ってたんでしょ、私が呼んで中西弘樹(亜美が兄と慕う日本トップ選手)が来てくれたのに!、驚かせようと思って言わなかったのよ、私の顔も立てて後で謝っといてよ!」
と怒ったが、

土手で圭介に不良から助けられたかおり(亜美の飛び込みのライバル)が、

「頼んだわけでもないのに恩着せようと思って怒るのは違うんじゃない、引退した選手ならともかく現役に教えてもらってぺこぺこしてるようじゃ自分から白旗あげるようなものよ、それよりまずは顔の傷の理由を聞くべきじゃない?水着ショーでどうやったらそんな傷がつくのかしら」と。

怒ってやろうと思ってた亜美ちゃんが、その言葉で気づいて、勢いはしぼんで、

「どうしたのその傷」と聞く

「デパートの屋上(水着ショーの会場)で転んだんだよ」と圭介

亜美ちゃんのようなモテ女として描かれる女の子でもちゃんと怒られるし、ちゃんと落ち込むし、やっちゃった…ってこともあるんだ〜と思って、ちょっと勇気もらえたシーン

圭介も、憧れの人が来てたのに会えなかったことを知っても、よく来てくれたな、と、平然としてる
えー!まじか〜😭なんて取り乱したりしない

亜美が怒ってても、言ってくれたら来たのに、と言って決して自分が悪くないことを謝ったりしない

「デパートで転んだんだよ」は最初は理不尽に怒っている亜美に対するちょっとした皮肉だと思ったけど、かおりが怒ってくれたから自分はもう何も言う必要ないと思って、亜美にこれ以上自分を責めさせないための優しさなのかもしれないと思った

優しくて、だけどたとえ好きな人の前でも大事なことは自分を貫く
そういうところがかっこいいな

圭介は他の作品の主人公に比べて、だらしないところやスケベな部分が少なくて、ちゃんと男前な性格な気がする

亜美ちゃんも好きだし、圭介も好き
最後のシーン含め、作品の空気もとても好き⭐️


いいなと思ったら応援しよう!