医薬品の安全管理
安全性情報監視(ファーマコビジランス)活動とは
安全性情報監視活動とは、医薬品のその有害な作用を検出し、評価・理解・予防するための科学的な活動です。この活動は、世界保健機構(WHO)によって定義され、世界中で法的に運用されています。
医薬品の副作用と有害事象について
医薬品を飲んだ後のあらゆる有害な事象を「有害事象」として、製薬企業や国ではその情報を収集しています。
医薬品に依る健康被害の救済
医薬品は正しく使っていても、副作用の発生を防げない場合があります。そこで、医薬品を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度です。医薬品で健康被害を受けた人は、受給の可能性がありますよ。但し、抗がん剤のように一部の医薬品では、予め重篤な副作用があるものの場合は、給付が受けられないので、先ずは医薬品医療機器総合機構に相談してみることをお勧めします。
公的救済は、https://www.pmda.go.jp/kenkouhigai_camp/を参考にしてね。
医薬品の有害事象はどうやって集めているの
製薬企業は以下の情報を収集しています。基本的に知り得た、自社の医薬品による有害な情報は全て収集する必要があります。
国内における医療関係者から収集する。
国内外で収集される学会報告・文献報告・その他研究報告に関する情報を収集する。
厚生労働省その他政府機関,都道府県及び医薬品医療機器総合機構からの情報を収集する。
外国政府,外国法人等からの情報を収集する。
他の製造販売業者等からの情報を収集する。
その他安全管理情報
患者から副作用報告はできるの?
患者からは、規制当局(医薬品医療機器総合機構)と製薬企業に報告できるよ。規制当局への報告は、https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenko/iryo/files/31032601.pdfを参考にしてね。
製薬企業が収集した医薬品の有害事象を規制当局(医薬品医療機器総合機構)に報告する基準は何?
実は、法律の施行規則で、有害事象の問題の大きさで報告期限が決まっていて、詳しく知りたい人は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則」第228条の20と治験薬の場合は同規則第273条を読んでね。
製薬企業が有害事象と判定するには4つの項目が必須なんだよ
報告に必要な最低限の4項目(Minimum criteria for reporting)と言って、国際的にも以下の4項目が揃わないと、有害事象として扱わなくても良いというルールがあります。
患者識別情報(イニシャル、年齢、性別等)…男女が分かればそれだけでも患者情報になるよ
被疑薬名(自社被疑薬)…自分の会社の医薬品であることだね
情報源(医師、薬剤師、消費者等)…作り話はダメだよ、きちんと報告した人が特定できないとね
有害事象・感染症名(外資ではspecial situationも)…薬を飲んで交通事故に合っても、有害事象になるよ
日本人と外国人での有害事象の発生の違い
以下の表は抗がん剤を例にしたものだけど、日本人と主に欧米人では間質性肺疾患という、重篤な有害事象の発生頻度が相当違います。日本人は薬剤性肺障害を起こしやすいですね。また、男女では男性が女性の約3倍、また、年齢と共に発生頻度が高くなります。このように、医薬品の有害事象の発生頻度に影響するものを交絡因子[confounding factor]と呼んで、主に市販後に大勢の人に使用される事で判明する場合があります。
他に知りたいことや、分からない事があったら、コメントをお願いします。
著者プロフィールhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/52/9/52_874/_pdf
ファーマコビジランスセミナーについて
https://tech-seminar.jp/lecturer/%E5%88%A5%E4%BA%95-%E5%BC%98%E5%A7%8B