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【茅葺き民家改修記 vol.4】  2002年12月

29歳の僕が田舎暮らしをすべく
ある村の茅葺き民家に出会い、自分で直し、住むまでの話。

冬の準備

ということで改修が始まって何かすんごい進んだって感じでもなく
冬の備えの作業です。
ここは冬には2mを越す積雪地域です。
屋根から落ちた雪が家の周りに積み上がり外壁を押しつぶさないように
「雪囲い」というものを秋の暮れに作ります。
材料はススキと丸太と竹。
丸太を家の周りに立てて、竹を水平に結んで
束ねたススキを立てかけていき、最後に竹で抑えて完成。

雪囲い
ススキ刈り

ススキを刈り集めるにも友人たちが助けに来てくれました。
こうして毎年ススキを刈り集め雪囲いにして
春、乾燥させて束ねなおしたものが茅葺き屋根の茅(かや)になるのです。
地域によって、茅はススキであったりチガヤであったり、屋根の材料の総称なのです。
ちなみに僕の家で必要な茅の量は直径30センチの束が2000束!必要とのことでした。。。ふう。

琵琶湖のヨシを刈る

冬の間ススキを刈り集めるのですが、雪が積もるまで。
12月中旬には雪が積もってしまいます。
かなりの量が必要なので悩んでいたところ
琵琶湖の東岸に西の湖という内湖に広大なヨシ原があることを知りました。
よしずや建材に使われる良質のヨシの産地です。
茅葺きの材料として特に「ヨシ葺き」とも言われ
耐久性に優れ非常に高級な屋根材なんだそうです。

広大なヨシ原
刈っていくとこんな感じ
友人も助っ人に

地主さんにお願いして刈り取りさせてもらえることになりました。
この地域は雪の心配もないので冬の間、ひたすら刈りまくりました。
休日には友人たちが多く助っ人に参加してくれました。
平日は朝から夕方まで一人で黙々とヨシを刈り続ける日々でした。

そして冬が来ました。
僕の家の周りはもう白の世界。

家の中でテント生活


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