色々なヴァリアンツデッキを考えてみよう!【遊戯王マスターデュエル】
ついにマスターデュエルにもヴァリアンツ・ウォーがリリースされましたね!みなさん楽しくプレイされていますでしょうか?
【ヴァリアンツ】の現在の主要な型は《デビル・フランケン》を利用したものですが、この【ヴァリアンツ】というテーマにはその他にも無限の可能性があります!
この記事では、自由度の高い【ヴァリアンツ】というテーマの様々なデッキ構築を模索して行きたいと思います。この記事を読んでくれる方のデッキ構築における新たなアイデアの種となって頂ければ幸いです。
またデッキ作成に当たっては、いつも大変お世話になっている遊戯王wikiの【ヴァリアンツ】のページを大いに参考にさせて頂きました。
※本記事はある程度【ヴァリアンツ】の基本展開を分かっている前提で記載していますのでご了承ください。
【ヴァリアンツ】の特徴
デッキ構築の考察の前に【ヴァリアンツ】というテーマの特徴を解説します。そんなの知ってるよ!という方は読み飛ばしてしまって結構です。
1.特殊召喚効果と制約
ヴァリアンツモンスターは全て、Pゾーンを経由して自身を特殊召喚する効果を持ちます(上級ヴァリアンツは条件付きですが…)。この効果により、【ヴァリアンツ】というテーマは通常召喚権を余らせることが出来るため、この余った召喚権をどのように利用するかが、【ヴァリアンツ】デッキの構築の焦点の一つとなります。
ただし、この特殊召喚効果を使用すると『ターン終了時まで自分は「ヴァリアンツ」モンスターしか特殊召喚できない(EXデッキからの特殊召喚は除く)』という制約がかかることになります。
この制約ですが結構抜け穴があります。まず、当然ヴァリアンツモンスターは問題なく特殊召喚ができます。例えば、ヴァリアンツモンスターは手札からのP召喚が可能ですし、《神聖魔皇后セレーネ》の効果で真羅万象陣営のヴァリアンツモンスターを墓地から特殊召喚することが出来ます。また、融合・S・X・リンク召喚は問題なく行うことが出来ますし、EXデッキに表側で存在するPモンスターのP召喚もEXデッキからの特殊召喚であるため、この制約の影響を受けません。
このP召喚が【ヴァリアンツ】の派生デッキを組むための肝の一つと言えます。というと、ペンデュラムテーマには共有の財産である最強カード《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》というリンクモンスターが存在します。このモンスターはリンク召喚時にデッキから任意のPモンスターをEXデッキに表側で加える効果を持ちます。このEXデッキに加えたモンスターは当然P召喚可能ですので、《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》の効果を利用すればあらゆるPモンスターを【ヴァリアンツ】の制約を潜り抜けて展開に絡ませることが可能です。
この手法は後のデッキ考察においても度々使用しますので、是非覚えておいてください。
2.展開途中でのサーチに関して
【ヴァリアンツ】はその展開ルートにおいてだいたい3回(+1)のサーチを行うことが出来ます。その内訳は……
・《ヴァリアンツの巫女-東雲》のスライド時の効果によるデッキからのヴァリアンツモンスターのサーチ。
・《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》のリンク召喚時効果によるEXデッキ経由のPモンスターのサーチ。
・《軌跡の魔術師》のリンク召喚時効果によるデッキからのPモンスターのサーチ。
・《ヴァリアンツM-マーキス》の起動効果によるデッキからのランダムなサーチ。
このうち《ヴァリアンツM-マーキス》の効果によるサーチは流石に運ゲーがすぎるため、展開の上振れ要因と考えましょう。基本的にはそれ以外の3回のサーチでどのようなモンスターを加えるかを考えながら、デッキ構築及び展開ルートを考えて行きましょう。
また、ランク4エクシーズの中には自身と同じ種族のモンスターをサーチできるものが存在します。【ヴァリアンツ】の下級にはレベル4のモンスターが2種類おり、これらモンスターは簡単にエクシーズ召喚出来ます。
既に《ギアギガントX》で《デビル・フランケン》をサーチする型や《御影志士》で《フォッシル・ダイナ パキケファロ》する型は有名ですが、他にもサーチできるモンスターは膨大であるため、まだ見ぬ最強モンスターが眠っているかもしれません……。
3.《スモールワールド》との相性
【ヴァリアンツ】というテーマはモンスターの種族・属性・レベル・ステータスの関係上、《スモールワールド》と非常に相性の良いテーマと言えます。一例として……
・《灰流うらら》or《増殖ずるG》→《ヴァリアンツB-バロン》→《ヴァリアンツの巫女-東雲》
・《任意のヴァリアンツモンスター》→《ダイナミスト・レックス》or《ダイナミスト・ケラトプス》→《任意のヴァリアンツモンスター》
と変換することが可能です。
もちろんこれ以外にも始動・中継として優秀なモンスターは存在するため、デッキ構築の際は《スモールワールド》でのサーチのルートも考慮に入れてみても良いでしょう。
以降のデッキ考察において参考レシピの中に《ダイナミスト・レックス》がピン刺しされていますが、これは《スモールワールド》の中継用に採用しています。《ダイナミスト・ケラトプス》でも良いのですが、万が一の際に上スケールとして使用できるかもしれないという理由で《ダイナミスト・レックス》の方を使用しています。
デッキ考察
ここから主題である【ヴァリアンツ】デッキの色々な構築を模索して行きます。
なお、個々に詳細の展開ルートを記載すると煩雑とした内容になってしまうため、この記事では簡単な展開の概略のみを記載します。
※無駄にレアリティが高いわりに対して強くないレシピも存在しますので、作成する際は自己責任で!
エーリアン型
《キングレムリン》で任意の爬虫類族をサーチしながら、ヴァリアンツモンスターを爬虫類族に変換できることを何かに使えないかと考えた結果生まれた構築となります。
《キングレムリン》と《レプティレス・エキドゥーナ》でヴァリアンツモンスターを強引に爬虫類族モンスターに変換し、足りない爬虫類族モンスターをP召喚で更に無理やり調達し、《宇宙鋏ゼロオル》を召喚して《惑星汚染ウィルス》による制圧を狙って行きます。
ある程度ヴァリアンツモンスターを初手で引いている必要があるため、最終盤面に行きつくまでの展開に対する要求値が高めなことから、正直なところ実戦的とは言い難い構築となっています。【ヴァリアンツ】はやろうと思えばこういうことも出来るよ!という参考文献として扱ってください。
将来的にもっと気軽に出せる爬虫類族リンクモンスターが登場すればワンチャンあるかもしれません…。
展開の概略
・3回のサーチのうちに《ヴァリアンツの弓引-西園》もしくは《ヴァリアンツV-ヴァイカント》の2体を揃えて、ランク4である《キングレムリン》を召喚出来るようにしましょう。
・《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》効果でEXデッキに爬虫類族Pモンスター(参考レシピだと《EMリザードロー》)を加えて、P召喚しましょう。
・《キングレムリン》の効果では《エーリアン・バスター》をサーチし、効果の使い終わった《キングレムリン》もしくは《EMリザードロー》と任意のヴァリアンモンスターで《レプティレス・エキドゥーナ》を召喚し、それを踏み台として余ったもう一体の爬虫類族モンスターを用いて《宇宙鋏ゼロオル》を召喚しましょう。
・《宇宙鋏ゼロオル》で《惑星汚染ウィルス》をサーチして伏せ、《エーリアン・バスター》を通常召喚して展開は終了です。相手ターンに《エーリアン・バスター》をリリースして《惑星汚染ウィルス》を発動しましょう。
アンデットワールド型
現在(2022年11月)、マスターデュエルの環境において非常な強力なテーマである【ふわんだりぃず】を意識して、《アンデットワールド》を採用した型です。
いわゆる《永遠の淑女 ベアトリーチェ》を利用したアンワ出張というギミックを用いたもので、《永遠の淑女 ベアトリーチェ》の効果で《屍界のバンシー》を墓地落とし→《屍界のバンシー》の墓地効果で《アンデットワールド》を発動→返しの相手ターンで《永遠の淑女 ベアトリーチェ》の効果で《死霊王 ドーハスーラ》を墓地落とし→相手スタンバイフェイズに《死霊王 ドーハスーラ》の効果で蘇生という手順で妨害を作ります。
この型は通常召喚権の使い道が特になく、通常召喚を展開の補助として利用することが出来るため、ある程度展開に柔軟性を持たせることが出来ます。また出張パーツのうち《屍界のバンシー》と《アンデットワールド》は素引いてしまっても特に苦ではなく、《永遠の淑女 ベアトリーチェ》の効果を2回通さなくて良くなったと逆に前向きに捉えることが出来ます。
なお《死霊王 ドーハスーラ》を素引いてしまった場合は、《トロイメア・フェニックス》の効果のコストで墓地に捨てましょう。ヴァリアンツは相手のフィールドにフィールド魔法を押し付けるテーマであるため、先行でもそのフィールド魔法を対象に効果を発動できます。
余談ですが、【ヴァリアンツ】というテーマは【無限泡影】や【ライトニング・ストーム】や【拮抗勝負】にある程度耐性があります。相手フィールドにフィールド魔法を送り付けるため、これらカードの発動条件である「自分フィールドにカードが存在しない場合~」という条件を潰せるためです。 ただし、この構築だと自身のフィールドに《アンデットワールド》を発動する関係上、相手に送り付けたヴァリアンツフィールド魔法をアクティブにしないために破壊する必要が出てきますが、それを行うと上記の耐性が失われてしまうことは頭に入れて置きましょう。
相手に送り付けたフィールド魔法が《VV-真羅万象》であるなら、恩恵を受けられるテーマはそこまで多くはないと割り切って放置するのも手です。
展開の概略
・3回のサーチのうちに《ヴァリアンツの忍者-南月》もしくは《ヴァリアンツM-マーキス》の2体を揃えて、ランク6《永遠の淑女 ベアトリーチェ》を召喚出来るようにしましょう。
・いつものように《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》の効果で自分フィールドのフィールド魔法を割るだけだと、《アンデットワールド》を発動すると相手フィールドのヴァリアンツフィールド魔法の効果がアクティブになってしまうため、《軌跡の魔術師》の②の効果で2枚まとめて割ってしまいましょう。
シンクロ型
個人的には中々有望な型ではないかと感じています。ギミックとしては単純でPチューナーを通常召喚とP召喚で使い回して、2度のシンクロ召喚を行っていきます。
展開が通った場合の制圧力はかなり高く、上振れてガン回った場合は《ヴァレルロード・S・ドラゴン》と《フルール・ド・バロネス》と4素材《召命の神弓-アポロウーサ》というゴリゴリの制圧盤面を構築することも出来ます。
またメインデッキに入るパーツがPチューナー一枚で済むというコンパクトさも利点です。デッキスペースが余るため、ヴァリアンツモンスターを多めに入れたりや誘発枠を確保することが可能です。
今回は《ライブラの魔法秤》というレベル4チューナーで《ヴァレルロード・S・ドラゴン》と《フルール・ド・バロネス》をシンクロ召喚する型としましたが、Pチューナーには《ハロハロ》というレベル3チューナーが存在し、ヴァリアンツモンスターのレベルは2、4、6、8、10と一通り揃っているため、だいたいの汎用Sモンスターが召喚可能ですので考察しがいのある型だと考えています。
ちなみに《ライブラの魔法秤》はP効果もかなり面白いもので、これも何かに使えそうな……。
展開の概略
・《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》もしくは《軌跡の魔術師》の効果で《ライブラの魔法秤》をサーチしましょう。また《ライブラの魔法秤》は通常召喚→S召喚素材にしてEXデッキへ→P召喚→再びS召喚素材にという順で2度フィールドに出しましょう。
・レベル6もしくはレベル4ヴァリアンツモンスターと《ライブラの魔法秤》で《ヴァレルロード・S・ドラゴン》もしくは《フルール・ド・バロネス》を召喚しましょう。なお召喚時効果が使えなくなるため《軌跡の魔術師》の①効果の制約中に《ヴァレルロード・S・ドラゴン》は召喚しないようにしましょう。順番的には《フルール・ド・バロネス》から召喚することを意識すると良いと思います。
・《ヴァレルロード・S・ドラゴン》はリンクモンスターが墓地にいないとただのバニラになることを忘れないようにしましょう。またリンクモンスターを装備する場所はヴァリアンツモンスターの展開の邪魔にならない場所にしましょう。間違ってもPゾーンに置かないように。
・自分フィールドのヴァリアンツフィールド魔法は《フルール・ド・バロネス》の起動効果で破壊してしまえばいいので、《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》の効果で手札の余分なPモンスターをPゾーンに置いて破壊し、ドローに変換してもいいでしょう。
・ちなみにヴァリアンツ以外のモンスターが特殊召喚出来なくなる制約が外れる次ターンからとなりますが、《VV-真羅万象》の効果で《ヴァレルロード・S・ドラゴン》に装備したリンクモンスターをメインモンスターゾーンに出撃させられます。
天岩戸型
対面する相手のデッキによっては完全に詰ませることが可能な凶悪な制圧力を持つ型となります。
ギミックとしましては《軌跡の魔術師》の①効果の制約で《天岩戸》の手札に返る効果の発動を封じ、盤面に維持を行うというものです。《軌跡の魔術師》の①の効果ですが実はターン1がついていないため、P召喚による展開後の最後にもう一度《軌跡の魔術師》を召喚すれば、《天岩戸》の維持に加えてPモンスターのサーチまで再度行うことが出来ます。
《天岩戸》ですが封じるのは効果の発動だけであるため、《双穹の騎士 アストラム》の①の効果や《I:P マスカレーナ》を素材にした際の破壊耐性は健在です。そのため、《天岩戸》の隣に《I:P マスカレーナ》を素材にした破壊耐性持ちの《双穹の騎士 アストラム》を並べることでシンプルながらも強固な盤面を形成することが出来ます。
ヴァリアンツモンスターの特殊召喚効果はP効果のため《天岩戸》で無効にされません。そのため、返しのターンの展開を妨害されることもありません。
また上の方で述べたように【無限泡影】や【ライトニング・ストーム】や【拮抗勝負】に関しては、相手に押し付けたヴァリアンツフィールド魔法により封じることが出来るため、これらにより盤面を崩されにくいです。
なお、《禁じられた一滴》や《冥王結界波》等は無理です。諦めましょう。なんなら、送り付けたフィールド魔法を《禁じられた一滴》のコストに使われるという事態が発生します。最悪です。
穴のある制圧ではありますが、かなり凶悪な盤面であることには変わりありません。展開に必要なライフコストも《軌跡の魔術師》の効果2回分の2400だけであるため、高い制圧力を持ちながら《デビル・フランケン》を軸にした構築と比べてライフ的に余裕があるのも利点であると思います。
展開の概略
・3回のサーチのうちに《ヴァリアンツの弓引-西園》もしくは《ヴァリアンツV-ヴァイカント》を2体を揃えて、ランク4である《御影志士》を召喚出来るようにしましょう。
・《軌跡の魔術師》で一度P召喚を行い盤面に素材を揃えてから、再度《軌跡の魔術師》を召喚して①の効果でPモンスターのサーチと制約による《天岩戸》の維持を行いましょう。この際、《軌跡の魔術師》の①の効果が発動するのは「EXモンスターゾーンにリンク召喚された場合~」ですので注意しましょう。また当たり前ですが《御影志士》のサーチ効果を使う前に《軌跡の魔術師》を再召喚しないようにしましょう。
・《軌跡の魔術師》の①の制約は《軌跡の魔術師》がフィールドから離れても持続するため素材にしてしまっても構いません。また《天岩戸》をサーチしたあとの《御影志士》も不要ですので素材にして、ヴァリアンツモンスターと合わせて《I:P マスカレーナ》を素材にした《双穹の騎士 アストラム》の召喚を狙いましょう。
・《軌跡の魔術師》の召喚条件は「Pモンスターを含む効果モンスター2体」、《I:P マスカレーナ》の召喚条件は「リンクモンスター以外のモンスター2体」ですので素材にする順番には注意しましょう。
・サーチした《天岩戸》の通常召喚する場所ですが、次のターンのP召喚を考えてEXモンスターゾーンの《双穹の騎士 アストラム》の下に置きましょう。ここならヴァリアンツモンスターの特殊召喚の邪魔にもなりません。
最後に(ユニオンキャリアーについて)
ここまで読んで下さって、ありがとうございました。この記事を読んで下さった方の新たな【ヴァリアンツ】デッキを生み出す一助に少しでもなってくれれば、こんなに嬉しいことはありません。
なお今回のデッキ考察ですが、《ユニオン・キャリアー》を主軸に据えた型に関しては意図的に除外しました。上で紹介したレシピ内には一応《ユニオン・キャリアー》は入っているのですが、別に使用せずとも展開可能です。
《ユニオン・キャリアー》を利用すれば三邪神だろうと何だろうと【ヴァリアンツ】は召喚できるため、本当に何でも出来る面白いカードなのですが、皆さんご存知の通り紙の方であるOCGで彼は禁止カードに指定され、安らかに息を引き取っています。
MDでは未だ健在ですがいついなくなるか分からないため、今回は《ユニオン・キャリアー》に頼らない構築を模索してみました。《ユニオン・キャリアー》禁止後でも【ヴァリアンツ】は色々出来る!というのを感じて頂ければ幸いです。
それでは、皆様の健やかなヴァリアンツライフを願って……
ヴァリアンツ・ウォー!!!
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