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挫折と新たな一歩

はじめに

 お久しぶりです。法政大学キャリアデザイン学部キャリアデザイン学科3年の土屋彩羽です。今回の記事では、2024年度秋学期に行ったゼミ活動について、どのような出来事があり、どのような内容に取り組んだのかを振り返りながらご紹介したいと思います。

二度目の福島実習

 今学期最初のゼミ活動は、昨年に続く二度目の福島研修でした。相変わらず、あの町には人や家が少なく、完全復興の兆しは見えません。震災からの年月が経過しても、まだ多くの課題が残っていることを実感しました。もしかしたら、あのまま一生が過ぎてしまうのかもしれません。内容に少し変化はありましたが、基本的には昨年と同様の活動を行いました。特に印象に残ったのは、宿泊した古滝屋の職員の方から聞いた原子力発電に関する話です。今年は昨年よりも理解が深まり、大きな収穫がありました。

 東日本大震災による原子力発電所の放射線漏れで立ち入り禁止となった区域について伺いました。この区域では行方不明者の捜索ができず、その後亡くなった小学生の女の子の話も聞きました。もし放射線被害がなければ彼女の命は救われていたかもしれません。この事故で遺体の発見に多くの時間と労力がかかり、遺族が抱える悲しみに触れ、私たちは二度と悲劇を繰り返さないために何ができるのかを考えさせられました。

 原子力発電について、私は非常に難しい問題だと感じています。確かに原子力は大量のエネルギーを生み出し、現代社会には必要不可欠なエネルギー源の一つです。しかし、福島で発電しているエネルギーが主に都心で使われている現実を考えると、そのリスクや影響が福島の人々に不均等に降りかかっているのは大きな矛盾のように思います。原子力発電所が存在する地域の住民が、事故による放射線被害や生活の不安定さを背負わなければならないことに、強い違和感を覚えました。また、原子力の持つリスクに対して十分な対策が取られていない場合、その影響は計り知れません。福島の事故が示すように、事故が起きたときの対応やその後の回復には多くの時間と労力がかかり、その間に命が失われ、無数の人々の生活が影響を受けることになります。再生可能エネルギーの普及が進めば、これらのリスクを減らし、より持続可能なエネルギー供給方法を選ぶことができるのではないかと考えます。

 私は、原子力発電が完全に排除されるべきだとは思いませんが、その利用についてもっと慎重に見直し、リスクを最小限に抑える方法を模索すべきだと考えています。福島での経験を忘れず、これからのエネルギー政策や環境問題について真剣に向き合っていくことが、私たちにできる最も重要なことだと思います。

叶わなかった私のタイ実習

 前回のnoteでもお話ししましたが、坂本ゼミでは、「国際交流班」、「ESD支援班」、「自主夜間中学校えんぴつの会班」の3つの班に分かれて活動しています。私はその中で国際交流班に所属し、8月に行われる坂本ゼミの目玉イベントであるタイ実習に参加する予定でした。このゼミに入った一番の理由も、このタイ実習に強く惹かれたからです。海外に行ってフィールドワークを行い、現地の文化や社会問題について学べる貴重な機会だと感じていました。また、現地の人々との交流を通じて、自分の視野を広げ、実践的な経験を積むことができると期待していました。

 しかし、私は夏休みに入ってから体調を崩し、急遽入院することになったことで、最終的にはタイ実習に参加することができませんでした。入院するほど体調を崩した理由について、今では「自分に余裕がなかったからだ」とはっきり言えます。この頃の私は、「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」と、次々にやらなければならないことが頭を巡り、単純にキャパオーバーしてしまったのだと思います。入院している間、タイ実習に参加できないことに深いショックを受け、将来について強い不安を感じるようになりました。

 そんな中、以前ゼミ活動で先輩がタイ実習に行った際の動画を見たことを思い出しました。その動画では、タイの人々が将来に対して非常に楽観的で、前向きに考えている姿が印象的でした。それを見たとき、私は自分が焦りを感じていたことに気づいたのです。私は就活や将来について非常に不安で、切羽詰まっていました。しかし、タイの人々が示してくれたような前向きな考え方を持とうと決心しました。タイ実習に参加できなかったことは悔しかったけれど、その経験を次のステップに活かすために、自分を奮い立たせて前を向くことが大切だと感じました。

新たな一歩

 正直なところ、これまでの私はゼミ活動において自分の班のことだけに集中し、他の班やゼミ全体の活動についてはあまり関心を持っていませんでした。しかし、タイ実習に参加できなかったことをきっかけに、ゼミ全体に目を向ける必要性を感じ、これからは自分が所属するゼミがどのような活動をしているのか、もっと深く知ろうと思うようになりました。タイ実習に行けなかったことで、逆にゼミ活動に対する興味が高まったのです。

 そこで、私は他の班に所属するゼミ生たちに話を聞くことにしました。特に、ゼミ内で行われている自主夜間中学校「えんぴつの会」のサポート、さらにはESD(持続可能な開発のための教育)支援活動について詳しく聴いてみました。例えば、そこで、私は他の班に所属するゼミ生たちに話を聞くことにしました。例えば、「えんぴつの会」では、様々な理由で学び直しを希望する方々に学習の機会を提供する取り組みがあり、その意義や課題についてゼミ生たちから実際の経験を聴くことができました。ESD支援活動に関しては、持続可能な社会の実現に向けた教育活動に取り組んでいることを知り、その活動が発達教育領域にも応用できる可能性があることに気づきました。

 これらの活動を通じて、私は自分がどのような方向性で学びを深めていくべきかをより明確に考えることができました。特に、発達教育に関連する分野で得られた知識や経験が、自分の学びにどのように活かせるかを考える良いきっかけとなりました。ゼミ活動を通じて得た実践的な視点が、今後の学びに大きな影響を与えることを実感しています。こうして、学びの重要性を改めて認識するとともに、実際の現場でどのように知識を活かすかについて考えるようになりました。また、ゼミでの活動は、単なる知識の習得にとどまらず、他のメンバーと意見を交換することで、新たな視点を得ることができる貴重な場であることも実感しました。このように、ゼミ活動は私の学問的な探求を深めるだけでなく、今後の人生において大切な視野を広げる機会にもなったと感じています。

おわりに

 四年生になると、卒業論文に取り組む時期がいよいよ迫ってきます。このタイミングで、私はゼミ活動を通じて得た多様な視点をさらに深め、研究テーマの方向性をより明確にする必要性を強く感じています。ゼミでの実践的な活動や他のゼミ生たちの取り組みを通じて、現場での課題や支援方法についての理解が深まり、発達教育や持続可能な社会に向けた教育活動への関心も一層強まりました。ゼミ活動を通じて、自分が目指すべき方向性を見つけ、今後の学びに活かす土台を築いていると実感しています。この学びを実社会に役立てるため、引き続き自分の成長に努めていきたいと考えています。

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