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盾を持つということ (モンハン)

私はモンハンというゲームシリーズが比較的好きである。
生物の挙動がのっぺりしておらず、それなりに滑らかでかつはっきりしているので違和感なく対処に成功しやすくかつ快感を得やすい。アクションゲーにおけるおもしろさの重要ポイントの一つであろうと思う。あまりにもぬるりとした挙動や口から150度くらいの角度で放たれる火球を見るとどうにも気分が悪い。
最近だとアクションゲーはエルデンリングをやったがあれもその点ではよかった(振りかぶってから体感1秒停止するディレイのかけ方は気持ち悪いので二度とやらないで欲しいが)。フロムソフトウェアのソウルズボーンが深い愛を持つプレイヤーを獲得している一つの要因であろう。
話を戻すとスキルシステムも武器、防具をはじめとする各種デザインもおもしろい。とはいえ筆者は2ndG 3rd W IB R SBしかやってない。

私のメイン武器は一応片手剣である。とはいえストーリー攻略をライトボウガンで豆鉄砲を乱射してクリアしたり弓がサブになっていたりするがなんやかんや片手剣は次点で多く使っている武器に対しほぼダブルスコアで最終的に使用頻度が高くなる。
私は片手剣についてとある不満を持っていた。大楯持ちのランスが盾を回して衝撃を逃がすジャスガを持っていたり、ガンランスが盾は攻撃のみに用いて自身はハイパーアーマーで突っ込むリバースブラストなどを持っているのになぜ最も小さくガード性能の低い盾を持っている片手剣がいつまでも愚直にガードしているのか、と。すなわち、小盾を持っている片手剣こそが、相手の攻撃の軸を盾でずらしながら体と剣をねじ込む戦い方をするべきだと思っていた。
その思いはSBで少し実現(滅・昇竜撃)し、ついに最新作であるWildsにて半ば実現することとなる。片手剣だけでなく全てのガード武器に対してではあるが、片手剣はジャスガを手に入れた。武器全体としてOBT時点では新モーションの溜め落下突きがほぼ唯一他武器の平均的なDPSに追いついている軟弱さ、納刀速度と各踏み込みモーションの移動距離弱体化により物足りないものではあったが、ガ性によるブースト無しで大技以外をノックバックや貫通ダメージほぼ無しで受け止める事ができる。
だが逆にジャスガという個性が個性でなくなった上に全体的に妙に使いにくい(上に強くない)モーションになったランスの使用者は一つの暗黒時代を覚悟している。と共に、私としてはやはりガード武器がガード不可の武器に対して弱点として持たされている特徴を撤廃し、新たなガードによるメリットを開拓するべきだと思うようになった。

モンハンには相手の攻撃に対する対処方法が大きく分けて4つ存在する。
位置避け、フレーム回避、ガード、カウンターである。なお緊急回避はここでは置いておく。
基本的には位置避けを狙うが咆哮など広範囲攻撃への対処や位置避けよりも相手から離れずに攻撃をやり過ごすことを考えるとフレーム回避が選択肢に入る。次にガード。これは盾持ち武器と大剣のみが用いるが、大剣でガードするプレイヤーはほぼいないので忘れてよい。
むかしの作品では主にこの3つだった。盾無しの武器は位置避けするかフレーム回避を狙うしかない。フレーム回避はスキルで補えるとはいえタイミングがシビアでやはりガードが可能な武器ほどの安定感は得難いものだった。それ故に大盾持ちの武器は抜刀中の移動速度が遅いという欠点を抱えており、それは最新作に至るまで変わらない。

しかし状況は変わっている。最近の作品では少しずつカウンターが追加され、盾を持っていない武器でも位置避けとフレーム回避とは違った選択肢が多く追加されつつある。すなわち、常に展開できるガードよりは難易度が高いとはいえ、相手の攻撃への対処という点において盾無し武器と盾持ち武器の差はかなり縮まりつつある。
しかしながら機動力はほぼ据え置きに近く、その上ガードにはガード強化というスキルが無いとガードできない攻撃や当該スキルがあってもガードできない攻撃(IBのMR特殊イビルジョーの拘束攻撃などは明らかに上位通常イビルジョーのメタであったガード武器を殺しに来ている)、ガード性能を最大まで積んでもまともにガードできない攻撃(筆者はIBのミラボレアス戦にてガ性最大ランスでブレスをガードしたらノックバック中に次弾が飛んできて計十発分ほどの貫通ダメで削り切られた経験がある)が存在するが、一般的にガード無し武器のカウンター行動にこのような制約は存在しない(タックルやwildsスラアクのカウンターは相対的にピーキーである)。IBの特殊イビルジョーの拘束も太刀の見切り斬りや片手剣のバックステップによりノーダメージで対処できる。性能を補うスキルは存在せず、しかしそれ故にそれらは最初からある程度性能が保証されており、かつこれらの武器はその分火力スキルを多く積むことが可能である。
もう一つ重要な点がある。初見の野良マルチが増えた。集会所で事前に多少コミュニケーションを取ってからクエストに赴くという手続きは無くなりクエストごとに即席パーティを作って一期一会で遊べるようになったのである。これはとても気軽にマルチプレイができるし筆者は天才的な改革だとすら思っている。実際にマルチプレイ人口は過去作と比べても増加していると思う。が、機動力の低い武器と機動力の高いライトボウガンや弓が即席パーティを作ると鈍足な武器は頻繁に逃げる味方を追いかける相手を追いかけることになる。最近の作品で強いとされるモンスターの多くはエリアの端から端までワンステップで移動することもある。特に製品版が発売済みの最新作であるSBではピーキーな散弾、弱い通常弾を避けて適正距離の遠い貫通弾をライトボウガンで連射するプレイヤーが増え、この傾向は顕著である。そんなに?と思う方は一度貫通ライボが2人いる野良パーティで激昂ラージャンの特別討究クエストに行く事をお勧めする。シャトルランに加えて出し得突進の出だしのケツに引っ掛けられて禿げること請け合いである。ワイルズではライトボウガンの適正距離が縮まっているが弓は導の矢により比較的長距離でも戦えるようになっている。
ここまで来ると大盾を持っている近接武器特有の攻撃の射程が短い上にその場でどっしり構える事ができる(上記のように一部攻撃に対してはできない)が故の機動力の低さは足かせとなり、高い機動力とカウンターによる安定性を両立した他武器に後れを取ってしまう。

これは撤廃した方が良い。ガード武器に機動力を。あと大盾持ちの武器はジャスガ前提じゃなくて素のガ性が高いところに+してジャスガにメリットを。

それから、一部ガードとカウンターには相手の攻撃の対処とこちらの攻撃を同時にこなすものがある。タックル、居合、威合、水月の構え、朧翔け、ガードバッシュ、シールドタックル、シールドチャージ、ガード判定付き竜撃砲、チャアクのGP反撃、属性充填カウンター、身かわし矢切り、など。
盾と武器を別々で持っている武器がなぜジャスガと同時に反対の手に持った武器で反撃しないのか? 盾と武器を別で持ったガード武器のカウンターとはまさにそこにこそメリットがあって然るべきではないだろうか。太刀が謎当て身と同時にダメージとゲージを回収しているというのに、双剣が謎当て身と同時に相手を刻んでいるというのに、弓が謎当て身と同時にダメージと溜め段階を回収しているというのに(謎当て身しかねえな)、なにゆえ盾持ちの武器が相手の攻撃をガードした「後に」十字払いをするのか。盾で相手を殴りつけるのか。
相手の攻撃の軸を盾でずらしながら体と剣をねじ込むと私は上で書いたが、やはり両手に攻撃用の物体とガード用の物体を別で持っていればこそ、盾で相手の攻撃の軸をずらした時、体の反対側をそのまま前に出すことが可能であり且つそこに利点があるのではないだろうか。しかも盾を素早く戻せば後隙も短く抑えられる。ガードしてから攻撃するのではなくガードと同時に、攻撃の勢いが乗った相手の体に槍を突き出すべきではないか。剣を突き立てるべきではないか。なんなら突き刺した槍の先端から爆炎を撃ち込むべきではないか? と思う。

未来のガード武器が他の武器を持った者と共に、盾を枷に感じることなく戦えることを願ってやまない。

今回のサムネはWildsに新登場しOBTで舌による連撃を5回もやってくれたのに私が全部ジャスガ失敗して気まずかったチャタカブラくんのアイコン(アンケート回答報酬)です。

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