無理して大学に行く必要はないだと? 無理しなくても大学に行けるようにしろ
終わりだよ。もう言いたいことは題名で書き終わりました。
が、さすがにちょっと味気ないので少し本文を錬成したい。気づいていると思うけれど小泉進次郎氏の発言に対する批判である。
実際の氏の発言は以下である。
「奨学金だけではなくて、私は、教育のあり方を変えたいと。大学にいくのが全てじゃないです。これからの時代、求められているところはいっぱいあります。今日も和倉温泉、加賀温泉、その旅館やホテルの関係者と意見交換しました。今、日本食の料理人の数が足りなくて困っています、旅館とか。そして、そうした手に職をつければ、遜色なく稼げるようなキャリアが作れます。教育の多様化、高専の強化、こういうことも抜本改革でやっていきたいと思います」
これを以て「無理して大学に行くな」とは言っていないとする”ファクトチェック記事”もあるが、上記発言は奨学金返還に対する不安感についての質問への回答であるという文脈を踏まえると「貧乏人が無理して大学に行くな」という趣旨であるという解釈は十分に成立しうるものであり、従ってそれに対する批判もまた成立する。
無論大学に行かずに手に職を付けて生きていくのも立派な道であるし、そういう道を選んだ者がまともな収入を得て暮らせることも重要である。しかしながらあくまでそれは選ぶもの、つまり選択肢であるべきだ。大学に行かないで取れる選択肢はかなり制限されるのが現状であるし、これは緩和するにも限界がある。このような状況において資金力の乏しさを理由に大学に”行けない”状況を”無理して行かなくてもいい”と表現するのには詐欺的な悪質さがある。
更に発言者の立場、所属政党に目を向ければより一層悪質な発言であると言わざるを得ない。2011年以後の数年間を除き戦後ほとんどの期間で政権を担ってきた自民党の、それも大臣を経験し総裁選に出馬できる有力者である。長年権力の座に居座り、近年に至っては内閣人事局により官僚の首に直接手が届く立場でありながら教育に係る予算を削り続ける省庁に手を入れようともせず、運営費に対する割合で言えばはした金と言っても過言ではない国立大学の授業料を数十年で2倍以上に引き上げるに至る。更に最近では薄汚いポジショントークを繰り返す一部私大学長(慶応大学長など)らと共に国公立大学の授業料の更なる値上げを主張しているのは他ならぬ自民党の議員である(柴山昌彦氏など)。何が健全な競争だふざけやがって。
一方、20代の若者の3割程度は貯金がないとする統計が存在し、更には奨学金を借りて保育等の国家資格を取ってもとても返済しながらまともに生活できる給与ではないなどにより有資格者でもそれを活かせずに生活する者は多い。そもそも大卒の人材の何割かが新社会人になった時点で借金ダルマというのはこの国の恥ずべき汚点の一つである(このような状況でノーベル賞ばかりよろこんで総理大臣が電話かけたりしていやがる)。
あるいは河野太郎も最近その手の発言があったがこれもまた落胆の一言に尽きる。曰く、卒業後一定の収入に達しなければ奨学金の返済を免除すると言う。まあ現状よりはましかもしれないが……。結局借金ダルマじゃねえか。
借金ダルマがそんなホイホイ消費するかってぇのよーッ。GDPの半分以上が国内消費の国で、中高大で一番学歴が上のやつが借金ダルマばっかりで消費税が高くて経済が上手く行くと思いますか? おれは思いません。
いいか、無理して大学に行かなくてもいいんじゃねえ、行政がやらなきゃいけねえのは、無理しなくても大学に行ける国づくりだ。
授業料を!!減らすんだよ!!!!
あんなにほいほい防衛予算上げられるんなら教育回りの予算1兆や2兆増やそうと思ったらすぐにでも可能だ。やらんのはやらん奴を国民が選んどるからだ。
おわり。
今回のサムネは最近食べたのでダッツをお借りしました。