特殊鋼+熱処理=

特殊鋼と熱処理の関係性、それは切っても切れないニコイチ。
天津飯とチャオズ、ミスター・ポポと神様、リクームとバータ。
そのくらい2つセットで切り離せません。

特殊鋼って何やねん!って方は、下記の引用から確認ください。
ざっくり表現すると、ベースとなる鉄に様々な金属を混ぜ合わせた合金のことです。

特殊鋼とは、鉄に炭素以外のさまざまな元素を加えた合金鋼のことです。添加する元素によって、硬度、強度、粘り強さ、耐磨耗性、耐熱性、耐食性などの特性が増します。いろいろな要求や用途に応じてさまざまにハガネの性質をアップさせるのが特殊鋼です。

https://www.zentokkyo.or.jp/town/what.html

熱処理って何やねん!って方は、下記の引用から確認ください。
ざっくり表現すると、450度~1200度まで金属を熱してから適切に冷ますことで金属に特性を引き出すことです。

熱処理とは、鋼の温度による組織変化を利用し、鋼を昇温・冷却して、鋼の組織・硬さを変化させる処理です。代表的な処理として、焼なまし、焼入れ、焼戻し、焼ならしがあります。

https://www.ss.proterial.com/zatsugaku/heat-treatment.html

要するに、添加された金属のポテンシャルを最大限に発揮するために、適した熱処理を施すことが特殊鋼が必要なんです。幼少期悟空にとっての超神水、クリリンにとってのナメック星の村長みたいなもんです。

特殊鋼と熱処理との関係性についてはざっくりイメージできましたでしょうか。

では、どんな熱処理を施すことで特殊鋼がどうなるのかを説明していきます。

まず、理解して頂きたいワードは「変態」です。
それは、形態の変化でも、異常な性的嗜好でも、変わった価値観でもありません。もちろん、ウーロンのことでもありません。

こんな全力で拳を掲げれるか?熱量が凄まじいよね

金属工学においては、変態とは「金属の結晶構造の変化」を言います。
結晶構造とは、原子の配置のことで、熱処理をすることで、特殊鋼の金属原子の配置が変えることができるのです。

そして、理解して頂きたいワードは「固溶」です。鉄に添加した金属元素が溶け込むことを指します。言うなれば、魔神ブウ(悪)がZ戦士を吸収するみたいなもんです。

次に、理解して頂きたいワードは「析出」です。
固溶されていた金属元素が合金内に微細な粒子として発生することです。
※ドラゴンボール縛りで良い例えが無いので恐縮ですが、常温のスープに卵を溶き入れてから火にかけた時に、沸点に近づくほどにスープに溶けていた卵が固形物として浮き出てくる感じです。

熱処理の種類は数多あります。
特殊鋼の成分値(どんな金属を添加しているかの割合)によって、どのくらい熱するのか、どのくらい時間をかけて冷ますのか。特殊鋼に どのような特性を持たせるのかによって、熱処理の内容が異なります。

「焼入れ焼戻し」「焼きならし」「焼なまし」「固溶化」「析出硬化」「サブゼロ」など様々な熱処理名がありますが、

基本的にやっていることは、 3つのコントロールです。
①金属の結晶粒の大きさをコントロール
②各金属元素の固溶と析出をコントロール
③金属組織(相の集合体)のコントロール、これを変態と言う

何度も言いますが、
特殊鋼は金属元素の結晶粒と溶け込み具合,その組織によって全く異なった特性を現すんです。

結晶粒や金属組織、固溶状態や析出状態など状態が違えば、なんで異なった特性を現すの?という疑問も湧いてくると思います。これらは説明が大変なので今回は割愛します。

いいなと思ったら応援しよう!