vol.4 MLMで恋愛禁止?!
私が20代半ば、年下の女友達の勧誘でほぼ強制的に参加していた人生初ネットワークビジネス「はな◯◯会」
ここには私にとっての大きな、おーーーきな不思議が2点あった。
⑴ 扱う商品がコロコロ変わる
この団体は、M先生が個人でやっている大きなグループの呼称だった可能性が高いから、扱う商品もM先生が考えていたと思う。お金が欲しくなると、商品を一斉に変えて、すみずみのメンバーにその都度買い物をさせ、お金の流れを作り出していた。
今思うと、すごい作戦だ。利益をコントロールできるパチンコ屋みたいだね。
私が無理やり入会した時は、商品が2つで、アルカリイオン浄水器と24時間循環風呂、どちらも24万円。
アルカリイオン浄水器は、台所などの水道管に取り付けて、塩素?を除去していい水になるとか…
24時間循環風呂は、お風呂のお湯を循環してキレイにしながらお風呂の温度を一定に保つから、湯船のお湯を頻繁に取り換えることなく、24時間いつでも好きな時にキレイなお風呂に入れますよっていうモノ。
それがある日突然、
「補正下着に変わります」
と発表され…ウエストニッパー、ブラジャー、ガードル1セットで10万はしたと思う。それを洗濯の替えという理由で2セット買わされる。
ところが、その補正下着が超一流デザイナーのものだったせいか、写真週刊誌に「ねずみ講と結託?」とすっぱ抜かれ、デザイナーが取引を中止。
商品はあっけなく
キトサンとプロポリスになった。
キチン・キトサン? なにそれ… チキンじゃなくてキチン? キトサンってカニなの? ワケがわからなかった。
プロポリスだって、なんのこっちゃ?って感じで。
プロポリスって、不味いよね~。なのに、皆は争うように飲んでた。ミーティングでお茶するときなんか、カフェでコーヒーや紅茶などのドリンクにポトポトと入れて…持ってない人がいると、まあご親切に自分のを入れてあげたりなんかして必死に消費。なんだかハイテンションで、何も疑わずに商品を使う姿を見せているのが気持ち悪いくらいだった。
ただ、キトサンには感謝している。
当時の私は、手に疾患を抱えていたのだが、皮膚科に行ってもいい薬が無くて、仕方なく副腎皮質ホルモンを塗っていたことがある。こいつは、即効性のある怖い塗り薬だ。ところが、キトサンのおかげで…ヤッホー!となった
⑵ 恋愛禁止
おいおい、AKB48かよっ
いや、そのころは当然AKBなんかなかったけど…M先生は組織内での恋愛を「犬猫ヤロウ」と罵るくらい嫌っていた。どうしてか理由を言われたことは無いけど、男女のもつれで金銭トラブルになったり、ポジションのことで争いになるのを警戒したのだろう。元々のカップルまで別れさせられるわけではなかったけど、特に特約店以上には神経質になっていた様子。
でも、でもだ!
10人もいたかいないかの特約店同士で、デキちゃったのを私は知っていた。
それも、私の直の特約店の男…確かにイイ男だった。
特約店だからそこそこ収入もあったし、背も高くて、優しくて…モテるのはわかる。彼とたまたま同じ延線に住んでいた女性特約店の、彼に対する態度の変化を私は敏感に感じていた。セミナー終了後の彼を待つ態度が、明らかに今までと違っていたから。だって、いつもはボーイッシュなその女性が彼の車の近くで待つその姿は、まさしく女性そのもの!オンナの匂いプンプンだったもの。
ただ、イイ男だけあって、代理店やその下の人からも好意を寄せられていた。
代理店になったばかりの、美人姉妹で有名だった二人のうちの妹の方が彼に夢中…その気持ちを知っているグループのみんなは、総出で若い妹の背中を押していたのが印象的だった。
その男はやめとけ!
私の心のつぶやきが聞こえちゃったのか?
そのモテモテ特約店の出世の踏み台として、自分が後々大変な在庫を抱えることになろうとは!
つづく