カレントミラー
カレントミラー(電流ミラー)は、一つのトランジスタに流れる電流を他のトランジスタに「コピー」する回路です。簡単に言うと、一定の電流を別の場所に正確に再現(ミラー)して流すための回路です。
カレントミラーの仕組み
カレントミラーは、基本的に2つのトランジスタ(MOSFETやバイポーラトランジスタ)を使って作られます。次のような流れで動作します。
1. 基準電流を設定:
まず、一つのトランジスタ(Q1)に基準となる電流を流します。この電流は、外部の抵抗などを使って決められます。
2. 電流を「ミラー」する:
二つ目のトランジスタ(Q2)はQ1と同じような特性を持っていて、Q1と同じ大きさの電流を流すように自動的に調整されます。このため、Q2にはQ1とほぼ同じ電流が流れることになります。
カレントミラーの特徴
• 一定の電流を複数の場所で再現:
一つの基準電流を使って、他のトランジスタに同じ量の電流を流すことができます。これにより、複数の場所で同じ電流を必要とする回路に便利です。
• 電流の正確なコピー:
理想的には、Q1に流した電流とQ2に流れる電流は同じになります。実際には、回路の設計や部品のばらつきで多少の誤差が出ますが、それでも比較的高精度で電流をコピーすることが可能です。
カレントミラーの使い方
カレントミラーは、アナログ回路や集積回路でよく使われています。例えば、アンプ回路や電源回路などで、複数の場所に同じ電流を供給するために用いられます。
イメージ
1. Q1トランジスタに流れる電流を設定(これを基準電流とする)。
2. Q2トランジスタが、Q1と同じ電流をミラー(コピー)する。
このように、カレントミラーは一つの電流を他の場所に正確にコピーするための便利な回路で、特にアナログ回路でよく利用されています。