美しい心は、泪が宿命を受け入れ運命を引き寄せることを知っている
総ての生きものに宿命が割り当てられる。
都立木場公園では、「籤引きに負けて当番冬櫻」が咲いています。きっと仲間と一緒に春に咲たかったことでしょう。
「最も強い希望は、絶望から生まれる」は、バートランド・ラッセルの言葉です。
ヘレン・ケラーは、1歳7ヶ月のとき、病気が原因で、見えない、聞こえない、喋れないという三重の障害を、宿命として負いながらも、教育者、社会福祉活動家として活躍し、20世紀史上最高の奇跡といわれる運命を築きました。
物語は、ヘレンが怒って、泣き叫ぶ、そのうち泪のシーンになり、やがて、絶望から希望に変わります。
ヘレンは、二人の美しい心の持ち主との出遭いがあって、宿命を受け入れ、奇跡といわれる運命を切り拓くことができたのです。
一人目は、アン・サリヴァン先生で、ヘレンに奇跡をもたらした家庭教師です。
ヘレンの記憶にある先生の言葉は「愛が、すべてのものに注がれたとき、そのやさしい喜びを感じることができる。愛がなければ幸せもないし、きっと遊びたくもなくなってしまうわ」と、自伝書で紹介している。
サリヴァン先生は、勉強が大好きで、愛に溢れ、優しながらも、厳しい人柄だとヘレンの自伝書から分かります。
先生が、勉強好きであったからこそ、ヘレンは現在のハーバード大学となる当時の女子のカレッジを首席で卒業できた。
先生は、指文字でヘレンに教科書を読ませ、気持ちを指先で聴いていたのです。
先生の出自から、優しさと厳しさを両立できた理由を知ることができる。
アメリカには、先生を題材にした戯曲「ミラクルワーカー」があります。
親に恵まれず、視覚障害を持って孤児園で育ちましたが、勉強好きでパーキンス盲学校を卒業し、ヘレンの家庭教師になりました。
悲しいことに、弟も障害を持って孤児園で 亡くなっています。辛い泪泪の苦しみを多く経験し、宿命と運命を深く考えていたことが、ヘレンに愛となって伝わり、勉強が実り、二人よる奇跡がおこったのです。
二人目は、電話を発明したグラハム・ベル博士で、「私たちは、宇宙を支配している大きな力の道具に過ぎないのだ…自分を一つの型にはめてしまってはいけない…、ひとつでも多くの仕事をすれば、できるだけ多くの人を救うことになる…あなたのこれからの仕事を決めるのは、貴方ではないのだよ」「嫌いな仕事を考えるときや、嫌いな人を見るときは、宇宙の高さから見なさい」と諭されている。
ベル博士は、母が聴覚障害者であったので、音の研究をしており、宿命としての障害の痛みを理解している人でした。
ヘレンは、ベル博士に会う以前は、「大学を卒業したら、先生と人里はなれた所に住み、静かにものを書いて暮らしたい」という思いを持っていたと自伝に書いている。
人は、自然の摂理で創られたものなので、宿命に従わざるを得ないこと。そして、生きる意味として、社会に貢献することを教わり、運命の仕事に就くことを決意したとあります。
運命は、先生との温もりのある指文字会話によって、信念が固められ、二人の信念が可視化された結果です。
愛は、幸せの伝わってくる会話の導線となって機能していたのです。