リモートは湯水のように使う
高齢者には、情報格差(デジタルデバイド)が置き去りのように発生している。
デジタルは、理想として空気や水道のように誰でもが、利用できる社会にしなければならないと思う。
僕が、ボランテア活動している傾聴の会は、高齢者が主な活動対象。
しかし、コロナ発生以降、総ての高齢者施設が、対面の傾聴活動を取り止めした。
一日も早くリモートで傾聴活動ができるよう期待しているところだが、傾聴する方も、される方も互いに高齢者でデジタル対応ができていない。
将来的に、更に老人の一人世帯が増える予測をすると深刻な問題だ。
必要な人同士が、リモートをダイレクトに湯水のように何時でも使えることを望む。
一人住まいを、孤立させてはならない。
情報格差について、天才プログラマーといわれ、台湾のデジタル総括担当政務委員(無任所大臣)のオードリー・タンは、
「私が言い続けていることは、弱者を犠牲にしてはならないということです。…イノベーションの重要性は、より弱い存在の人たちに優先して提供されるべきものであり、それこそが誰も置き去りにしない『インクルージョン』です。私たちの社会には、多種多様な人たちが生きていることを忘れてはいけません」といっている。佐藤優・池上彰共著 「組織で生き延びる45の秘策」(中公新書ラクレ)の記述から抜粋。
佐藤優は「能力の高さだけではなく人に対する配慮にも驚くものがある」とし、底流には「それが人々に対する強制であってはならない。目指すべきは、「人が人に配慮する社会」という考え方である、という。
僕は、上意下達の環境で育ったので、軍隊のように指示する人と指示される人がいると思い込んでいた。
しかし、政治や行政執行者の温かい配慮がなければ、法治社会は弱者に対し冷たいものとなる。デジタルテクノロジーは一部の層に限って使うものとしてしまっては社会の分厚い発展はない。
日本はデジタル庁を設置した。オードリー・タンのような人の発言を早く聞きたい。
ダイバーシティとインクルージョンの意味は「多様な人々が互いに個性を認め合い、弱者に強制せず、配慮しながら存在し合っている状態」だと思う。
格差を産まないためには、リモートを誰でも湯水の如く使えるようにすることを急ぐべきだ。