「自立」だけでは社会は成り立ちません
自立、自己実現、自己責任、自己決定という言葉を耳にします。
多用され、一人歩きしている感じ。
キャリア支援の方面では特に頻繁に用いられる。
親は、子供に対して自分のことは自分でしなさい、という。
確かに大切な教え。
しかし、これで終わっては、会社組織も社会も困ります。
「嫌われる勇気」という本がベストセラーとなり、世の風潮が、自己自立主義に傾いたように思える。
この言葉には、人間活動の基本である社会性を忘れている。人の軸足ではないと言いたい。
自分のことだけやっていれば、良いのかなぁ。
周り人のことは気にしないで、良いのかなぁ-
社会は、誰が責任を持つのかなぁ-
孤独社会になりそう
人は、社会に支えられて、初めて自立できるのです。
ゲーテには、「君の値打ちを楽しもうと思ったら、君は世の中に価値を与えなければならない」という名言がある。
渋沢栄一は、道徳が最も儲かる商法といった。
人の一生には、役割サイクルがあり、時々に相応しい使命感があればこそ続けることができて、結果としての幸せが手に入る。
ドナルド・スーパーのライフレインボー7つの役割とは、
子供、学生、余暇を楽しむ人、市民、職業人、配偶者、家庭人
幸せについては、ウェルビーイングや遣り甲斐、など色々な考え方がある。たとえば、古典的なところで、カール・ユングの幸せの5つの条件は、いかがですか。
1. 健康
2. ほどよいお金がある
3. 美を感じる
4. 仲良くしていただいている
5. 毎朝、用事がある
いずれも、日々の生活の結果で得られるものなので、生活習慣が大切。
僕は、72歳、5番目の毎朝起きたときの、用事「キョウヨウ」をたくさん持ちたい。
「働くとは、傍の人を楽にすること」に軸足があってこそ、「ありがとう」と幸せをいただける。