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【東京都知事選】改めて”築地市場の豊洲移転”を考える

東京都知事選が話題だ。立憲の蓮舫氏に続いて6月12日には、満を持して現職の小池都知事が立候補する予定らしい。
そこで思い出されるのが、8年前に小池氏が都知事に就寝した時に大騒ぎとなった築地市場の豊洲移転だ。当時はレンジのテレビのワイドショーで特集されるほど大騒ぎになった築地市場の豊洲移転も、今では話題に上ることもない。つい先日も、築地市場跡地の再開発計画が発表されたばかりだ。
しかし再度思い出してみると、この築地の豊洲移転は、東京都政の問題点や闇が濃縮された案件であることがわかる。
今回は、都知事選があるいい機会なので、8年前に大騒ぎになった築地市場の豊洲移転について再考察してみたい。

そもそも豊洲とは


Wikipedia”豊洲”より

まず築地市場の方ではなくて、移転先の豊洲市場についてだ。
今はタワマンが林立し、お洒落なパワーカップルの聖地のようになっている豊洲だが、元々はゴミの埋立地だ。
埋め立てのきっかけは、1923年に発生した関東大震災だ。関東大震災で下町を中心に大火災が発生し膨大な瓦礫が発生した。この瓦礫を埋め立てて誕生したのが、今の豊洲地区だ。要は瓦礫でできている。
その豊洲地区には、終戦後に東京ガスの都市ガス工場が出来た。都市ガスというと今は輸入したLNG(液化天然ガス)が主力だが、当時は石炭を蒸し焼きにしてガスを抽出し、そのガスを都市ガスとして配給していた。

都市ガスを生成するには膨大な石炭が必要だ。その石炭置き場として大量の石炭が野積みされていたのが、今の豊洲市場のある場所だ。
ちなみに石炭の多くは、福島第一原発の近くの福島県のいわき炭田から船で輸送されてきていたそうだ。

石炭の廃液が土壌に染み込む

直ぐに想像がつくと思うが、野積みの石炭の山に雨が降ると”真っ黒いドロドロしたコールタールのような液体が染み出てくる。そしてその黒い液体は、豊洲の地面に染み込んでいった。
またガス製造の副産物として発がん物質であるベンゼンやシアン化合物、ヒ素、鉛、水銀、六価クロムなどが生成されたそうだ。

豊洲地区の土壌は広範囲に汚染されてい

豊洲地区全体が、有害化学物質や重金属で汚染されていることは、当時から秘密でもなんでもなかった。その証拠に地主である東京ガスは、ガス工場が閉鎖されてから長らく豊洲地区の土地を放置していた。
また1997年に築地市場の豊洲移転案が浮上した際にも、当初、東京ガスは、土壌汚染を理由に豊洲地区の都への売却を渋っていたぐらいだ。
また開発しようとすると数百億円から場合によっては一千億円を超える除染、土壌改良費用が見込まれていた。仮に売却できたとしても、周辺地価を勘案すると、除染費用だけで売却代金が吹き飛んで赤字になってしまう。
このあたりの経緯は、以下のWikipediaにも明記されている。

因みにこの時代の豊洲は”石炭ふ頭”と呼ばれていた。もし当時の姿に興味があるなら、大藪春彦原作で松田優作主演の伝説のアクション映画「蘇る金狼」の中の銃撃戦の場面で見ることが出来る。興味があれば、見てみると面白いかもしれない。

なぜ豊洲が選ばれたのか?

豊洲地区の来歴を知れば知るほど、幾ら広大な未利用地が広がるとはいえ、長い歴史と伝統を誇る築地市場の移転先として、なぜ有害化学物質で汚染された豊洲が選ばれたのか、今一つ判然としない人も多いだろう。

私自身は、様々な情報を総合したうえで、築地市場の移転先として豊洲市場が選ばれた経緯を以下のように推察している。

【筆者注】

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