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【黄昏ジャパン】兵庫県知事問題の絶望的なITリテラリー

兵庫県知事選が依然として燃え盛っている。
11月17日の出直しの知事選挙で、前職の斎藤元彦知事が逆転勝利を収めたことから収束するかに思えた。
しかし選挙直後の11月20日に、インターネット投稿サイトのnoteに突如として、兵庫県西宮市のPR会社社長を名乗る女性が、自分が斎藤陣営のSNSの運営を受託していたとの投稿を投下したことから、公職選挙法違反ではないかと大騒ぎになっている。

しかし今回は選挙戦や件の女社長の話はさておき、この騒動が持ち上がって以来感じていた「関係者の絶望的なITリテラシー」について記してみたい。

役所のパソコンで告発文(怪文書)作成

まず最初に違和感を感じたのが、件の県民局長が役所のパソコンで騒動の発端となった告発文(怪文書)を作成していたいことだ。
なぜよりにもよって、こんなヤバイ文章を職場のパソコンで作る必要があったのか?
家にパソコンはなかったのか?
どうしてスマホで作らなかったのか?

役所のパソコンのC:¥ドライブに保存?!

更に驚く米ことに、件の県民局長は、役所のパソコンのローカルHDディスクに文書を保存していた。
今どき普通の会社のパソコンで、ローカルディスクを使えるなんて聞いたことがない。兵庫県のITの管理はどうなっているんだ?

USBメモリー!?

更に驚くべきは、件の県民局長が私物のUSBメモリーを役所のパソコンに挿して日常的に使用していたらしいことだ。
普通、情報漏洩対策でUSBメモリーは利用できないないように設定するのが普通だろう。

県庁のメールでクーデター謀議

既に突っ込みどころが満載なのだが、一部報道によると、兵庫県庁の県庁内のメールシステムで他の県庁職員と”クーデターの謀議”をしていたらしいだ。
ちなみに犯人捜しの際には、斎藤知事の側近グループが最初にしたのが、この県庁内のメールの検索だったようだ。そして見事に犯人がヒットしてしまったらしい。
スマホやGmailと県庁内のイントラネットのメールが同じとでも思っていたのか?
アホか。

職場のパソコンはクラウドが常識

令和の現代では、ほとんどの大企業などでは、職場のパソコンは”クラウド化”されているのが常識だ。
ローカルのHDもUSBメモリーもSDカードもすべて使えない(もちろん懐かしのフロッピーも)。
ところが今回の騒動で、職員が正規非正規併せて1万人もいる兵庫県庁で、あろうことか職場のPCがクラウド化が全くなされていないことが露呈した。
未だに信じられない衝撃の事実だ。

個人情報漏洩リスク

住民票や納税記録などを扱うコンピューターは、別系統になっていることを願うが、そもそも職場のパソコンに私物のUSBメモリーを挿し、私的なファイルを保存している時点でアウトだろう。
きっと普段から住民票や納税関係のシステムとの間で、USBなどを使って情報のやり取りが頻繁に行われていたに違いない。
私物のUSBメモリーからウィルスが感染したらどうするのだろうか?
救いようがない。

兵庫県庁のDXは終わっている

きっと兵庫県庁でも、表面的には流行のDX推進をしているのだろう。
しかし以上に見てきた通り、兵庫県庁では、今どきの中学生でも分かるような基本的なセキュリティー対策が全くなされていないことは明らかだろう。
今回の兵庫県庁の惨状は、数年前に山口県の阿武町で起きたコロナの臨時交付金の誤送金事件を想起される。
あの時は、ド田舎の町役場だけの話かと思っていたが、今回の兵庫県庁の体たらくを見るにつけ、きっと全国の他の役所も同じようなレベルなのだろう。
正直、終わっているとしか言いようがない。

メディアはITの件を追求せよ

正直、ほとんどの人が、兵庫県知事を巡るパワハラや百条委員会の件は聞き飽きているだろう。
それよりも遥かに重要なのは、この役所のITリテラシーの低さだ。
リテラシー云々とういうより、もはや「無能」としか言いようがない。
文系の公務員試験を何十年か前にパスしただけのIT音痴のジジイたちが、日本の地方自治体の役人の正体なのだ。
繰り返すが、これは人口が500万人を超える日本有数の県庁での出来事だ。田舎の町役場の話ではない。
こうなると霞が関もかなり怪しい、というか同じレベルだろう。
もはや国難レベル、国家安全保障にかかわる事態だ。
大手メディアは、公益通報云々より、まず先にこのITリテラシーの絶望的な低さを問題視すべきだろう。

日本、終わってる。

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