鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 考察まとめ−03.1。
おはようございます michio★★★です。
都内を中心にデジカメ散歩の記事を投稿してます。また独自の視点からの映画考察記事も
書いています。
今回は
現在 PrimeVideoほかで絶賛配信中の
映画《 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 》が
2年前に東京都現代美術館で開催された
グループ展
《私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ》と同じメッセージ性があるというものです。
あなたの見ている風景を私は見ることができない。私の見ている風景をあなたは見ることができない。 工藤春香さん
2022年に開催されたグループ展
《私の悲しみは誰かの悲しみあるいは憎しみ》の工藤春香さんのインスタレーションに
映画《 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 》を
見つけます。
工藤さんは結婚され妊娠中に
お腹の子には 何も問題もない子で
産まれてきて欲しい…と願いました。
このことは普通だと思います。
しかし工藤さんはショックを受けます。
これは神奈川県相模原の障がい者施設
《 やまゆり園 》で19人を刺殺した
植松聖死刑囚と同じだ と…
そして私は《 お為ごかし 》じゃないかなと…
《お為ごかし》とは人前ではいい人ぶっているのですが実際は自分のことしか考えていない人のことです。
《鬼太郎 誕生ゲゲゲの謎》では
実はゲゲ郎が《お為ごかし》でした。
工藤さんは素直に非を認めて
相模原障がい者施設殺傷事件を
題材にした作品に取り掛かりました。
徹底的に調べる
工藤さんは相模原障がい者施設殺傷事件の
背景には
優生思想があるのではと考えて
優生保護法の歴史と
優生保護法によって
おこった諸問題を徹底的にリサーチして
表裏一体の年表作品に仕上げました。
尾野一矢さんと時間を共にする
さらに工藤さんは この事件で九死に一生を得た尾野一矢さんと半年間 尾野さん宅を訪れ
介護者と共にドライブや散歩をします。
ここです。
障がい(生きづらさ)のある尾野さんと
健常者の工藤さんは絶対には分かり会えない
壁があります。
それでも同じ時間を共有することで何か
見えるかもしれない…
これはゲゲ郎(健常者)と水木(障がい者)がひとつ屋根の下で暮らす展開と同じです。
工藤さんは尾野さんとの交流で
ひとつの結論に到達します。
あなたの見ている風景を私は見ることができない。私が見ている風景をあなたは見ることができない。
でも見ている空は同じ…
《 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 》で
釣瓶火(つるべび)の灯りで烏天狗の酒を
酌み交わしきれいな月を見る場面の
水木とゲゲ郎が重なります。
最後の最後は分かり合えないです。
健常者と障がい者は
でも見てる月は一緒 …
見えない部分が作品です。
被害者 尾野一矢さんの部屋です。
工藤さんの作品は
このインスタレーション以上に
素晴らしいものがあります。
それは徹底的に
リサーチしてリサーチしたことです。
九死に一生を得た尾野一矢さんの部屋の
作成にあたっては衣服は本人のものをお借りしましたがそれ以外のぬいぐるみ、スニーカーなどのものはすべて
工藤さんが自分の足で探して探して
可能な限り限界まで
似たものを見つけてきました。
この工藤春香さんのリサーチこそが
作品です。
見えないところが重要なのです。
見えないところが作品なのです。
映画《 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 》も
鑑賞者がスクリーンに映し出される場面と
描かれていない見えない場面を
創造することで本質が見えてきます。
《私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ》の工藤春香さんの作品は東京都現代美術館を
飛び出し様々なアーティストが《私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ》を発表します。
その流れは現在も続いています。
その辺りも掘り下げて解説していきます。
ですのでこの辺りでいったん終了します。
最後までありがとうございました。
続きます。