
#1 誰でも読めるMTG英語 ETBって何の略?
はじめに
MTGなら誰しも一度は手にする英語版のカード
それが知らないカードだったりすると読めないからと流してしまいがち……
そんなの、もったいない!
書いてある事は、どうせカードの説明文
MTGをやってる貴方なら、きっと知ってる事なんだから
例として
取りあえず実際に見てみましょう

はい、こちらのカード
このカードを見た瞬間に完璧に効果を思い出せる人は居ないと思います
そうなったら、もう英語を読むしかありませんね
When Arborea Pegasus enters the battlefield, target creature gets +1/+1 and gains flying until end of turn.
このやや長めの文を見ていると、難しそうな気がしてきます
でも、その前の最初の単語を見てください
Flying
これを訳せと言われたら、多くの人が「飛んでいる」と答えられるでしょう
簡単な英単語ですね
ですが、これはMTGのカード
ならば適切な訳は「飛行」
こんな風に少しずつ分解して読んでいけば大した事はありません
それでは、訳していきましょう
ETB
まずはこの長文の前半
When Arborea Pegasus enters the battlefield
最初の「when」は「いつ」と訳せそうですが、それではカードのテキストとして違和感があるので、一旦無視して進めます
次の二単語はこのクリーチャーの名前なので、これも飛ばしていいですね
すると残ったのは「enters the battlefield」
……あれ?なんかMTGプレイヤーなら、よく聞く言葉が見えるぞ
見えない方の為に、解りやすくすると
「Enters The Battlefield」
そう、ETB能力ですね
ETB能力とは「戦場に出た時」に誘発する能力のこと
そうと解れば、動詞の「enter」は「出る」
(この「出る」は「退出」ではなく「登場」の様なニュアンスですね)
「the battlefield」はバトルのフィールドだから「戦場」
余った「when」は「~とき」の接続詞と解ります
こんな考え方をせずとも普通に解ける方も居ると思いますが
重要なのは
「英語の知識が少なくても、MTGの知識があれば解る」
と、いう事です
それでは後半も少しずつ訳してみます。
target
target creature gets +1/+1
この部分は後ろから見てみましょう
「+1/+1」は数字なので訳すまでもないですね
動詞の「gets」は普通に考えれば「手に入れる」とかでしょうか?
ですが「+1/+1」にかかってる事も考えると「修整を受ける」とした方が良さそうですね
「creature」はカードタイプにも書かれてます
間違いなくそのまま「クリーチャー」と読むのでしょう
すると残った「target」は「対象」
「target creature」で主語になってる事から「対象としたクリーチャー」が適切でしょうね
……あれ?と思った方、日本語のカードテキストをよく読んでますね
そうです。英語のカードテキストでは
「クリーチャー1体を対象とする」という文が無いんです
「target creature」だけで、もうクリーチャーを対象に取る作業があるのは当然なんですね
こんな違いも他言語の面白い所ですね
gain と until
先ほどの文に残りの文を足したのがこちら
target creature gets +1/+1
and gains flying until end of turn
「and」は「target creature」に、まだ動詞がある事を示していますね
「gains flying」の「flying」が「飛行」なのは既に解ってますが
動詞の「gain」とは何でしょうか?
よく似た文字列の英単語に「雨」を意味する「rain」があるので
読み方は「レイン」にならって「ゲイン」でしょうか
これもMTGプレイヤーならよく聞く単語
「ライフを得る事」を指す「ライフゲイン」ですね
すると「gain」という英語は「得る」と言う意味だと解り
「gains flying」は「飛行を得る」ですね
さて、「end of turn」はそのまま「ターンの終わり」ですが
問題なのは「until」
英会話を学ぶ上で一度は通る道
『by と until どっちがどっちだっけ』問題の「until」なのです!
「by」と「until」はどちらも「~まで」を意味する英語
しかし、片方は「〆切」を表す「~までに」
もう片方は「継続」を表す「~までずっと」
今回使われた「until」とは、いったいどっちの意味なんだ~!
……なんて、MTGプレイヤーなら悩む事はありませんね
こんなもの100%間違いなく「継続」の「~までずっと」ですよね
仮に「期限」の「までに」だとしたら
「ターン終了時までに+1/+1修整と飛行を得る」
いや、いつ得るんだよ
って話になりますからね
MTGのカードテキストの中で
「~までに」の意味としての「by」を見る事は、まず無いでしょう
それにしても、こうも簡単に厄介な英単語の意味が解るとは……
MTGは英語を学ぶ為の手段としても優秀なのかもしれません
終わりに
それでは最後に今まで訳した内容と、実際の日本語カードを比較してみましょう

ほとんど同じですね
少なくともルール上の解釈は間違え無さそうです
この様に、少し長めに感じた効果も訳してみれば簡単
カードを読むのに、英語の知識なんて必要ないんです!

……ま、まぁ覚えなきゃ読めないカードも有りますが
それはカードの効果を学んできたのと同じ
自分のペースで楽しく知る
それが一番大事な事です