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2024ミュージアムぐるっとパス利用鑑賞記③〜東京一泊・アートと鈴本演芸場中席夜・落語鑑賞〜

夏季休業の始まりと共に一人旅

毎年の私の最大の夏の楽しみ、東京一泊一人旅。
社会からの、家庭からの、全ての縛りを脱ぎ捨てて思いっきり酒だアートだどっぷり浸かれる楽しい行事。

2024年の8月13日〜14日、上野駅界隈のビジホを予約して旅してきました。

一泊用の荷物を纏めて8月13日午前6時前、自宅を出発。
いつもの通り熊谷駅までの1時間、ゆっくり無心で運転します。

熊谷駅到着。
いつものオレンジグリーンラインの高崎線乗車。

同じ電車移動でも一泊旅だと胸が高鳴ります。
まるで全ての自由を入手した様な、呪縛から解放された様な…
明日の夜下り高崎線の車中で強引に現実に引き戻される、たった2日だけの自由感とは分かっていても。

東京到着〜SOMPO美術館

およそ1時間弱で上野駅到着。
今日最初の目的地は新宿。
湘南新宿ラインに乗る方がいいに決まってるが荷物を宿に預けるために上野下車。
でも目的はそれだけじゃない。
上野駅13番線にあるBECK’S COFFEE。

頭端式ホームを目渡せる位置にあるコーヒーショップでここで列車の発着や人の往来を眺めながらゆっくりとモーニングセットを頂きました。

旅情感を満喫できる、大好きな場所です。(月曜午前遅めで四季島を見れる可能性有り!)

駅までのドライブ、電車の車中、コーヒー…だいぶ現実から脱却できたのでまずは宿へ。

今日のお宿はホテルリブマックス上野駅前店。
上野駅前といっても東上野、入谷口近くで確かに安かったけど改札や繁華街から遠く少々難儀でした。

荷物を預けて再び上野駅に戻り山手線乗車、新宿に向かいました。

最初に訪問するスポットは新宿駅西口、SOMPO美術館。
改札を出で案内通りに構内を進むものの、中々地上に出れない。

田舎者にとって迷宮の如き新宿駅、様々な案内表示がまた混乱を増長させる。
ようやく外に出で損保ジャパン本社ビルの姿を認め一安心、開館定刻到着。

本日一つ目の美術展、「ロートレック展」
先日鑑賞した竹久夢二や中原淳一の個性的な女性画からの繋がりもありぜひ観たかった企画展。

ロートレック独特の劇場(キャバレ)のポスター画の俳優や女優達。
サブタイトル通り劇場の息遣いが聞こえる様な躍動感溢れる作品の数々。

喜多川歌麿の様に敢えて美しく描かず個性を強調させる様な彼の画風が大変印象に残りました。素晴らしかった。

最高のランチ〜新宿を彷徨う

美術館から出たらちょうどお昼時、隣の野村ビルの最上階のレストラン街で景色を眺めながらまずは一杯。

醤油差しが邪魔だ…

酷暑の集大成の様な暑さのこの日、ビールは最高最強のドリンク。
眼下に広がる都会を眺めながら空調の効いた静かなレストランで飲むビール、最高。
大袈裟でなく生きててよかった〜と思いました。

その後運ばれてきた食事を平らげつつさらにハイボールを注文、最高のランチだった。

酒の酔いと都会っぷりにすっかり舞い上がり野村ビルから再び街に出た。
さて次は、東京オペラシティのKENZO展でもみようかな…歩けそうだし歩くか!と歩きだしてみたもののGoogleマップでは行けそうだ、と踏んだ道のりは遠かった。

暑さに体力を奪われ這々の体でたどり着いたオペラシティギャラリーは休館。

一体何故前調べしなかったのだろうと今でも不思議に思う。本当に。

アメ横昼飲みからチェックイン

その後宿に戻るため電車に乗り御徒町駅に到着。

アメ横を歩く、というより駅を出て一発目の生中一杯290円の声に吸い寄せられ居酒屋にIN!
ギョウザを当てに立て続けに2杯飲み干しました。美味かった〜。

少しアメ横を少々散策してからホテルにチェックイン、早速入浴。
湯上がりにコンビニで買ったレモンサワーで乾杯‼︎

ホテルの部屋で飲むお酒
最高においしくないですか?

不思議な現象なのだがフリーな気分で飲む酒はまるで乾いた大地に注がれた水の如くいくらでも飲める。

少しまったりして時間になったので次の目的地、鈴本演芸場に向かいました。

鈴本演芸場で落語満喫

本日の私のメインイベント、鈴本演芸場8月中席夜の部 鈴本夏祭り。

主任の柳家権太楼師匠を筆頭に柳家さん喬落語協会会長や柳家喬太郎師匠、柳家三三師匠、春風亭一之輔師匠果ては上方落語の露の新治師匠と凄まじい面子。

これは行列になるだろうってんで事前に前売り券を準備していて入場すると…立ち見が出るほどの満席!

私落語寄席に行く様になっておよそ5年ほどですが浅草演芸ホール含め満席の寄席を初めて見ました。
前売り買っといて大正解。

午後5時開演。
この日のネタは以下の通り。

林家けい木  つる
林家きく麿  寝かしつけ
春風亭一之輔 かぼちゃ屋
柳家三三   ガマの油
柳家喬太郎  夜の慣用句
露の新治   千早ふる
柳家さん喬  肝つぶし
柳家権太楼  居残り佐平次

各師匠のネタはどれも素晴らしく 各師匠の特色が凝縮された様な、気合いの入った高座に夢中になった。

きく麿師匠のパワフルかつ大音量の新作、三三師匠の流麗な口上、一之輔師匠はちょっと足りないキャラを演じるとどハマりだし喬太郎師匠の寄席で聴く毒毒感満載の噺はクセになる面白さ。

露の新治師匠登場。
生で上方落語を聴くのは初めて。
見台は喬太郎師匠から使い回し。(師匠の足の具合、心配…)

お馴染みの「千早ふる」なんだけど噺の間の大阪のノリのクスグリで大笑い。面白かったー。

中入り前は柳家さん喬師匠。
まるで林家正雀師匠が演じる様な怖い噺、最小限の座布団上の動きで怖さを増幅させる様な口演。
一気に場の空気感が引き締まった。

トリの柳家権太楼師匠の出番となった。
寄席で初めて聴く権太楼師匠。
場内に出囃子「金比羅船々」が流れる。待ってました〜たっぷり!(と心の中で大向こうを掛ける)。

20数年前東京ドームで初めてストーンズのサティスファクションを生で聞いた時、京都競馬場で初めて関西G1のファンファーレを生で聴いた時と同等の感動、興奮。

御年77歳、最近体調を崩されている事も多いと伺っている。
生の小三治師匠を聞き逃した自分にとって何としても聞きたかった権太楼師匠。
枕もそこそこに噺へ、師匠が私の脳内に品川遊廓の風景を描き始める。

佐平次初め廓内の登場人物をイキイキと演じる師匠。場内大爆笑。
心配することはなかった、師匠私より元気!
感心したのは言語感覚の若さ。
さん喬師匠もそうだけどとてもこの年齢の方とは思えない。
やはり若い方と同列で芸を競ってるからなんだろうなあと感じた。

およそ40分、まるで一本のドタバタコメディー物の映画を鑑賞した感覚になりました。

劇場で芸を観る、という一種の催眠状態から寄席太鼓に背中を押され演芸場を出で街に出る過程で徐々に現実に戻る。
そういえば午前中のロートレック展も劇場の情景を描いた絵画だったな。

その後アメ横の喧騒の中夜風に当たりつつ歩いた。
立ち寄ったのはラーメン屋。

体が多分ラーメンを求めてたんだと思う。
博多ラーメン替え玉+缶ビール爆食しました。
居酒屋でしっぽりと酒飲むのは年の瀬の鈴本で芝浜でも聴いた後にでもしましょうね。

お腹も心も満タンになった上野の夜、遠い遠い入谷口向こうのホテルに帰りました。
暑かったけど最高に楽しい東京一人旅、1日目でした。

翌日へ

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