心配と心配

あーちんお返事ありがとう。
田中さん、さとこさん、
二人ともなつかしいなあ。
特にさとこさんは、
会計の仕事で忙しいのによくおしゃべりしてくれたよね。

あの病院はお父さんが入院したのがきっかけだったけど、
それ以来みんなフレンドリーで
患者さんだけじゃなくその家族までケアしてくれる
とってもあったかい病院だったな。

だからお父さんたちは信頼して、
あーちんをあずけて行ったんだね。

それと同じくらい、
あーちんのことも信頼していたんだよ。
知らない人について行ったりしない、
勝手に歩き回って迷子になったりしない、
わがまま言って周りの人を困らせたりしない、って。

すごくすごく心配だったけど、
あーちんの診察が終わるまでには帰ってくるぞって思って
急いでおばあちゃんを連れて行ったんだよ。

置き去りにされたって思ってると思うけど、
あーちんが診察室から出てきたときには
いつもどおり待合室で
「がんばったね」って言うつもりだったと思うんだ。

あの時のお父さんとお母さんには
おばあちゃんとあーちん、
両方の心配が重なっちゃんたんだね。