「さよなら」の意味
雨の中 黒い傘をさして歩く 一人
行き交う人たちは無言で伏し目がち
感情のないまま歩く
雨は止まず
ビルの谷間に落ちてくる
ぽつり ぽつり と
あの日 あの時僕に言ったスマホ越しの
「さよなら」
もうしゃべることも会うこともないだろう
押し流されるように駅の構内へ
アナウンスと靴の音
吹く風が妙に冷たい
気持ちは晴れず
揺れる電車の外
ビルと雲の間から太陽が出てきた
感情を探りあいながら
あの日 あの時僕に言った
「さよなら」
もうしゃべることも会うこともないだろう
でも笑いあえる日が来ると
ひとりでそう思っている
もう少しで目的地に着く
今日は花火大会なんだ
虹も祝福している