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団地日記4
「はい。どうかされましたか?」
団地のインターフォンなので、もちろんカメラはない。相手の視覚的情報がないのはけっこう、怖い。
こんな時間になんだよ。何なんだよーーー!
「あなたね、コード、それと説明書。これ、ゴミ屋敷さんに渡したら、あちらはわかるようになってるのね?本当にもう、うちの子は迷惑をかけられないわけね?
」
お母さんはえらい剣幕だ。
はぁ~~?しらんて。
私「いいえ、私はそのような大そうなものは作っていません。日を改めて、なっちゃんさんと二人でゴミ屋敷さんにお持ちして、説明して、分かってもらえなければやり方を改良しなければいけないと思っています。
なっちゃんさんにもそのようにお話しました。今日はもう遅いから断ろうと。ね、そうですよね?なっちゃんさん、そこにいるんですよね?」
しかし、私の問いかけになっちゃんは答えない。
お母さんの「ほれ、なっちゃん、答えなさいよ!」とあやすような声のみである。
そして、お母さんはちょっと困ったように「じゃ、今日はとにかく私が娘と行って、ゴミ屋敷にはっきり言ってやりますから。今度から非常識な時間に連絡するなってね!」
と、去って行った。
非常識な時間に人んちのインターフォンを押す、ご自身のことも俯瞰してくださいよぉ。
私だって、なんでなっちゃんのお母さんに自分が怒られるのか、班長だから?班長ってなんなの?自治会費の集金以外、どこまでが任務なのか‥色々わかんなくなっているのだが、とにかくこんな時間にゴミ屋敷宅へ伺っては、それこそゴミ屋敷さんをとんでもない悪者にしてしまう気がした。
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