減点方式ではなく加点方式を
今回のテーマは、「減点方式」ではなく、「加点方式」を用いて人と接した方が、人付き合いが良くなるということを書いていきます。
人は、他人を無意識に評価するときに、何を基準に評価しているのでしょうか?「常識」「礼儀」「思いやり」「自分に対して従う意思があるか」など様々な見方があると思います。
しかし、それらの基準や配点は人によって違います。おそらく、「常識」や「モラル」というものを持ち出す人の中にはそれが一般的な人との共通項であると主張する人もいるでしょうが、パーセンテージでみると過半数もいかないのが現状ではないでしょうか。
そのうえで、自分は相手を評価するときに、どういう要素が減点要素になって、どれぐらいの減点になるのか、という自認をする必要があると思います。本人にとっては大幅な減点と思っていても、他人にとってみたら、「それそんな減点する?(それそんな怒る?)」みたいなことがよくあるからです。
その上で、他者の意見をたくさん聞き、自分の中のバイアスを少しずつ修正していく。そうすることで、「常識」や「普通」に変にとらわれない、自分だけの軸がしっかりとできてきます。そして、「怒る」ということが、社会的関係の構築においては無意味であるということがわかってくるはずです。と同時に、「相手にわかってもらう」ことが必ずしも成立するわけではないと冷静に割り切れるようにもなります。
アインシュタインは、「常識とは、18歳までに構築した偏見のコレクションである」と述べています。先人の知恵と自分の感覚や経験、どちらを信じればよいかは賢い人ならわかることでしょう。
そういう風に考えたときに、「相手のことを減点しても意味がない」ということに気づきます。なので、感情に左右されず、自分の求めているものを持っている場合は高く点数をつける。そうして評価をしていくことで、「何ができないか」ではなく、「何ができるか」という視点で人のことを見ることができるようになり、自分が求めている人脈が自然と形成されてきます。
そういう意味では、加点方式を用いた方が賢い選択と言えるかもしれません。