オリジナル洋服と小さな物語
スーツや制服がキライ。
仕事を選ぶときも、毎日好きな私服を着ることが許されるかどうか、が私にとって重要で、譲れないポイントでもある。
物質的な価値よりも精神的な価値の充実のほうが大事だと思っていても、好きな服を着る幸せは捨てられない。
下北沢や高円寺の個性的な古着、インドやネパールの民族服。。メインストリートからちょっと逸れた服たちは、社会から求められる「らしさ」から逃れさせてくれるようで心地よかった。
ただ、好きな服というのもその時々によって変化していくというのはあって、フェミニンなものに身を包まれたいときだってあるし、今まで凄く素敵だと思っていた服が変にみえることもある。。
人間というのは毎日少なからず変化しているのだから、毎日同じ髪型と服装で満足しろというのは酷な話だろう。
いやそれとも、いろんな服を着ないと満足できないのは、確固たる自己イメージがなくて自信がないからなのか。。?
やっぱりただ単に今着たいものを着たいだけだ、うん。(実際人からみてオシャレかどうかは置いといて)
今関わってる仕事の一部で、オリジナルプリントTシャツをその場で製作し販売するサービスをやっているのだけれど、そこにはお客さんの個人的な想いがみえるおもしろさがある。
お客さん自身が自身のカメラロールの中から好きな画像を選んでよくて、画像の大きさやレイアウトも決められる。
これは特にペットを飼っているお客さんに人気のサービスだ。
例えば、亡くなってしまった愛犬と、生きている愛犬の2ショットプリントTシャツを頼んだお客さん。
2匹は同時期にこの世に存在せず、入れ替わりでお家にやってきたようだが、プリントTシャツの中では、2匹同じ場所で存在することができる。
そしてそれを、好きなときに着て、一緒に生活する=生きることができる。
そこにある物語は、外からおしつけられたものではなく、自分だけの。。私の物語になる。
大きな、組織的な物語とは別の、小さな、その人個人にとって特別で価値のある物語。
だから、心から喜んでもらえた感じがするときは嬉しい。
最近外に出る機会も増えて、久々に地元近くでショッピングした。
個人経営のお店の良さや敢えて手作りする価値に目覚めていたからか、メジャーなブランド服を試着してみても。。なんだか居心地が悪かった。
不特定多数の人に合うように量産され、不備がないよう綺麗に作られすぎている洋服は、かわいいなとは思っても私の肌にはしっくりこないみたい。。
じゃあどんな服を着たいのだろう。。
この日みたお店の中で一番ワクワクしたのは、
デコラティブでコラージュっぽい、古着感もあるセレクトショップ。
価格は前にみたメジャーなブランド服と同じくらいだけど、お客さんの入りは少ないし、照明も薄暗い気がするし目立ちづらい場所にある。
わたしの年齢層より上の、ミセス向けの洋服を展開しているらしい。
作った人のこだわりが感じられて、1点ものの感じがするし、癖があって。。無難を目指してないところがすっごくかわいい。。
同世代の感覚とは少しずれているのかもしれないけど、やっぱりこの空気、居心地がいい。
店員さんに、「ひょっとして、前にも来られました?」と聞かれた。
えっ、実は結構前に、2度程来たことあるけど。。
(そのうち1回は多分店員さん違ったから、会ったのは1回だけでは?)
「よく覚えてますね」と言うと、「若い人がくるとおっ!となって」と。
こういうお店は、定員さんとの距離も近いというか、人の気持ちが伝わりやすいのだ。
有名なブランドのもかわいいけど、こっちのほうがもっとかわいいな💕
外部のモノの中で、一番自分の肌に近い場所にいる洋服。それができるだけ自分にとって納得できる。。オリジナルなものであれば、生きるのも楽しいはず。