蘇る若葉23 (小説)(エッセイ・とんぼ)
エッセイ(とんぼ)
写真は、日の出から1時間ほど経った朝日です。
朝日は晴れていれば毎朝見ることができるはずですが
いざ正面から見ると、とても尊い体験をしたような気持ちになります。
冬草に反射した光りは
真っ直ぐとこちらへ向かってくる途中
澄み切った空気を光の円とし
しんとした辺りのものたちの中へ
霧雪のように溶け込んできます。
若木神の詔(みことのり)を宿った若葉。
今、豊浦宮の磐座にて大木となり
秋津洲の民に伝えたいことは何か。
その答えには現代の日本人にも響くものがあるのかもしれません。
朝日が射す光に耳を澄ましてみれば
何か聞こえてくるようですね。
蘇る若葉 23
原作 秋津 廣行
「 倭人王 」より
秋津洲(あきつしま)の皆々は目を丸くし、口を開けたまま
驚きと喜びの声が漏れてきた。
「おお、これぞ、高天原(たかまがはら)に坐まします
若木神(わかきかみ)の依代(よりしろ)ぞ。」
「大海原(おおわたはら)に若木神(わかきかみ)が現れなさった。」
「秋津洲(あきつしま)の心はひとつ。
高天原(たかまがはら)と大海原(おおわたはら)は、ひとつなり。」
目の前で、若木神(わかきかみ)の若葉を見ていた
阿津耳之命(あつみみのみこと)は
天に届けとばかりに、高々と伸びる若葉の行く先を
見上げるばかりであった。
若木神の真(まこと)へと つづく
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