山口陽世さん(ぱる)とおひさまの皆様に今こそ聴いてほしいももいろクローバーZ(シングル編)

こんばんよう。
まじゅぬーんでございます。

平田オリザさん原作の名作『幕が上がる』が日向坂46 3期生の山口陽世さんと森本茉莉さんのW主演で再演されることが発表されてから早幾日。
ついに幕が上がる日がやって来ました。

『幕が上がる』といえば、2015年にももいろクローバーZのメンバー5人の主演で映画・舞台化され好評を博しました。
ももクロとももクロ主演の『幕が上がる』が大好きだった筆者にとって、これまた大好きなグループの日向坂46のメンバー主演で『幕が上がる』が再演されることはそれだけでも喜ばしいことだったのですが、それを上回るもっと嬉しいことがありました。
なんと今回の舞台の主演を務める山口陽世さんが自身のメッセージアプリで最近ももクロの曲を聴いており、おすすめの曲を教えてほしいという内容のメッセージを送ってくださったのです。
10年来のモノノフ(ももクロファンの総称)の筆者にとって、これほど感無量なメッセージはありませんでした。
ももいろクローバーZと日向坂46が交わるこの瞬間を待ちわびること数年、ようやく時が来ました。

今回の記事では、おひさまの皆様に今だからこそぜひ聴いていただきたい、ももいろクローバーZの曲を筆者の独断でご紹介させていただきます。
どうかひとつよしなに…。

意外に知られていないももクロの楽曲

世間一般で比較的認知されているももクロの曲と言えば、『行くぜっ!怪盗少女』(以下『怪盗少女』)だと思います。

今に続く元気で明るいももクロのイメージを確立したこの曲は、日本のアイドル史に残り続ける素晴らしい曲です。
しかし『怪盗少女』はそのインパクトの強さゆえに、世間の目から他の曲を覆い隠してしまうという副作用もあります。
今回の記事ではその副作用によって覆い隠されてしまっている楽曲をいくつかのカテゴリーに分けて紹介し、ももクロが世間一般で通じている「元気で明るい」だけのグループではないことをおひさまの皆様にも知っていただきたいと思っています。

『幕が上がる』関連楽曲

青春賦

山口陽世さんが『幕が上がる』の主役に抜擢されたとなれば、この曲を紹介しないわけにはいきません。
前回の映画『幕が上がる』の主題歌、『青春賦』です。

ももクロの曲の中で唯一合唱曲形式で作られており、ももクロが歌うメインパートとバックで聴こえるコーラスのハーモニーが美しい楽曲になっています。
歌詞は『幕が上がる』の物語が反映されたものになっており、各メンバーがそれぞれの役になりきって演じる台詞パートや『幕が上がる』の重要な劇中劇である『銀河鉄道の夜』を思わせるパートもあります。
この曲を聴けば、『幕が上がる』の世界観の一端を掴むことが出来るかもしれません。
『青春賦』のシングルには、カップリング曲として『幕が上がる』の劇中でも流れた『行く春来る春』と『Link Link』も収録されています。
どちらの曲も『青春賦』に劣らない楽曲となっていますので、『青春賦』と一緒に聴いてみてはいかがでしょうか。

野球関連の楽曲

山口陽世さんといえば、野球です。
実はももクロも、モノノフの野球選手に登場曲を提供するなど、球界とは縁があります。
ここではそんな登場曲として提供された曲から2曲紹介したいと思います。

My Dear Fellow

まずご紹介するのが『My Dear Fellow』です。
この曲は2014年にニューヨーク・ヤンキースに移籍した田中将大選手の登場曲として作られ、同年発売のシングル『泣いてもいいんだよ』のカップリング曲という形で発売されました。
この年以降、ももクロは毎年田中選手に登場曲として新曲を提供しています。
田中選手に捧げられたこの曲ですが、その前向きな歌詞は何かに挑戦する人の背中をそっと押してくれるようなものになっています。
何か頑張りたいことや、頑張らなくてはならないことがある時に聴きたい一曲です。

DNA狂詩曲

次にご紹介するのが『DNA狂詩曲(ラプソディー)』です。
この曲は2012年発売の『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』のカップリング曲として発表されました。
結成10周年記念のベストアルバムの収録曲をファンの投票によって決める企画で1位に選ばれるなど、数あるももクロの曲の中でも高い人気を誇る曲です。
曲のタイトルはQUEENの『ボヘミアン・ラプソディー』をオマージュしたものとなっており、メロディーも所々『ボヘミアン・ラプソディー』をイメージしたような箇所があります。
折れそうな心に力強く発破を掛けてくれつつも、どこか包み込んでくれる優しさも持ち合わせた歌詞は多くのモノノフの心を打ち、ヤンキース移籍前の田中将大選手や福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐選手などが自身の登場曲として使用していました。
カップリング曲でありながらモノノフにとってもももクロにとっても大事な曲となっているこの曲は、日向坂の曲で言えば『青春の馬』と似たような立ち位置の曲と言えるでしょう。

バラードもあるんです

ももクロの代表曲として『怪盗少女』がある程度世間に浸透していることで、ももクロの楽曲は元気で明るいアップテンポな曲ばかりと思われがちです。
しかしももクロの楽曲はそのような曲ばかりではなく、しっとり聴かせるバラードもあります。
ここではそんな聴き応えのあるバラードのうち2曲を紹介したいと思います。

白い風

ももクロのバラードで筆頭に上げられるのがこの『白い風』です。
ももクロは毎年クリスマスの時期に『ももいろクリスマス(ももクリ)』と題したライブを行っており、5人時代はももクリの開催に合わせて会場限定で新曲シングルを発売していました。
『白い風』もそのような会場限定シングルとして2011年に発表された曲です。
小さなピアノの音から重厚な音に変わるイントロや、落ちサビの百田さんの切なさ全開のパートは個人的にかなりおすすめできる好きなポイントです。
重厚なメロディや、白く明るい冬の情景と切なさを経て生まれた前向きな気持ちが描かれた歌詞は、世間一般のももクロのイメージを覆すには充分過ぎるほどではないでしょうか。

空のカーテン

次にご紹介するのが『空のカーテン』です。
この曲は2012年のももクリの会場限定シングルのカップリング曲として発表されました。
前年の『白い風』とは違い低音は控え目ですが、要所要所に挟まれるピアノとストリングスが美しい曲となっています。
先の見えない不安感や焦燥感、それを助長する冷たい冬の風。
歌詞に描かれた感情は誰もが青春時代に経験したことがあるものではないでしょうか。
しかし、皆を空が繋げてくれている、あなたは決して1人じゃない。
同じ歌の中でそう語ってくれるのがももクロの優しさなのだと思います。

これだけでも聴いてほしい楽曲

最後にはなりますが、筆者お気に入りの2曲を紹介したいと思います。

GOUNN

まずご紹介するのが『GOUNN』です。
この曲名は「ごうん」と読み、仏教において人間を構成する5つの要素とされるものを指す「五蘊」という言葉がその由来です。
「理想の自分に会いに行く」ことをテーマとしたこの楽曲は、ももクロの2枚目のアルバム『5TH DIMENSION』と3枚目のアルバム『AMARANTHUS』を繋ぐ存在として、当初は後に発売されたどのスタジオアルバムにも収録されないというシングル曲としては異例の扱いを受けていました。
曲全体の世界観は仏教とその発祥の国のインドのような雰囲気を取り入れたものとなっています。
そのド派手なビジュアルは今でもファンの間で語り草となっているほどです。

GOUNN衣装

歌詞には「諸行無常」「煩悩」「因果応報」「睡蓮」など仏教の世界を思わせるような言葉が散りばめられており、神秘的な雰囲気に浸らせてくれます。
曲は所々にシタールなどのインドの楽器が使われており、どことなくオリエンタルな雰囲気が漂っていますが、筆者が特に好きなのがベースの音です。
曲全体に響くその音はハマ・オカモトさんの演奏によるもので、演奏されたご本人に「人間が弾くということを想定していない」と言わしめるほどの難易度のものとなっています。
しかしそれだけにベースの音は非常に格好よく、どのパートでも強烈な存在感を発揮しています。
お手持ちのデバイスでイコイライザー設定が操作できるなら、ベースの音を強調させて聴くのもおすすめです。

天国の名前

最後にご紹介するのが『天国の名前』です。
この曲は2017年のももクリ会場限定シングルとして発表されました。
翌年1月に有安杏果さんがグループを卒業してしまったため、図らずもこのシングルがももクロ5人体制最後の曲となりました。
曲はポップなジャケット写真からは想像できないほどの骨太なロックテイストなものに仕上がっています。
曲自体ももちろん好きなのですが、筆者はこの曲の歌詞が本当に好きです。
大切な人と別れた人間の心境や、別れた人が行ってしまったであろう場所、その名前とは何かを問いかける歌詞は聴くたびに涙が出そうになります。
どのような形であっても大切な人を失った経験のある方なら同じ気持ちになるはずです。
この曲の歌詞は阿久悠さんの未発表の詞です。
その言葉の選び方、運び方は昭和の大作詞家の息吹を感じさせてくれます。
他の曲にもし興味が湧かなくても、この曲だけはどうかぜひ聴いてみてください。

終わりに

今回はシングルとして発売された曲を中心に紹介しました。
ここで紹介した曲以外の曲もどれも素敵なものばかりですので、ぜひ聴いてみてください。
また、ももクロにはまだ6枚の素晴らしいアルバムもあり、その収録曲はシングル曲に劣らず魅力たっぷりです。
次の記事ではアルバム曲を中心に紹介をしていきたいと思います。

というわけで山口さん、おひさまの皆様、日向坂と一緒にももクロもいかがでしょう…?

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