【とにかく楽しい祭り】 神椿後楽園戦線Day1 花譜理芽 Singularity Live vol. 3 【感想まとめ 後編】
注意書き
感想まとめ(考察ではありません)、ついに完結編、メインアクトの花譜理芽パートです。
Abstract、前編(オープニング~理芽パート)、中編(花譜パート)は以下をご参照ください。
花譜理芽パート
アタック映像
1. 不埒な喝采 (カバー: ポリスピカデリー)
花譜理芽一発目はまさかの不埒な喝采!ダンスってこれのことだったのか!あの謎ダンス、よく覚えています。まさか花譜理芽二人のものが拝めるとは全く思っていませんでした。
(二人の背中合わせで始まる、いきなりエモを感じる仕様。ここの理芽ちゃんの表情、めちゃくちゃ良い…衣装の違いもあり、なんか手足の長さがなんかこう全然違って見えるので(おい)同じダンスでも違って見えるのがかえって良さを感じる。The Crack in Spaceってめっちゃ足長く見えません???)
冒頭の二人のハモリがバシッと決まって美しいのはもちろん、ソロパートが切り替わるときの声の変化が聴いていてとても楽しい。ジャンル分けすれば間違いなく同じジャンルになるこの二人の歌声ですが、今までの歌手活動の中で二人とも歌い方が大きく変わって、それぞれのスタイルを確立しつつあることがよくわかります。これぞデュエットの醍醐味ですね。これをこれからまだまだ楽しむことができるなんて…この歌を聞いてさらに花譜理芽パートに対する期待感が膨らんだことを覚えています。
不埒な喝采、花譜ちゃんの歌唱はやっぱり芯があってなんかこう、濃い味がします。もともと可不曲ですが、カバーもしているし、やっぱ安心感がある。一方理芽ちゃんは明るくて気持ちの良さを感じる歌い方だし、その中で時折柔らかさを感じる歌い方でした。そして何よりこの曲、冒頭もそうでしたが、二人のハモリが綺麗にハマっている。理芽ちゃんは声質がそうなのか、コミュ強の本人の性格を表しているのか、ハモリ適性がとても高い(たま~~~に音程が怪しい時がありますが笑)ことが一部話題となっていますが、特に花譜理芽のハモリは相性抜群。それを十分に味わいたいのならこの曲を聴くべき、そんな曲に仕上がっていました。
いつか理芽の歌声(歌声の魅力と声の出し方について)noteも書きたいな~って思ってるんですが、この曲のサビとかで出る裏声とミックスボイスのギリギリの歌い方と裏声から降りてくるときの歌い方が大好きで(伝わらないかも…)、結構この曲ではそれが味わえるので好きです。
2. 飛翔するmeme
「改めまして花譜と!」「理芽でぇ~~す!!」ここからは二人で歌います!」という短いMCの後ろに流れている特徴的なイントロ!
頭に残る旋律ですよね…!
この曲はこの花譜理芽シンギュライブのセトリの中で二人のそれぞれの歌唱力、二人の現在の歌い方の違いとそれぞれの魅力を一番味わえる曲なんじゃないかと思っています。ハモリを中心に楽しむのが先の不埒な喝采なら、ソロパートを楽しむのはこの曲なんじゃないかと思います。
入りは理芽ちゃん。理芽ちゃんは多彩な声色を使う、というよりは「理芽の歌声」で多彩な歌を歌う、というタイプ(多彩な声色と何が違うのか、と言われると言葉にするのは難しいですが、感覚的にはわかると思います)の歌手ですが、この入りはきれいなミックスボイスから入るきれいな理芽 (きれいなジャイアン的に言うな)。そしてとても軽やかである。この歌い方は歌ってみたやぐいりめ曲では時々見かけますが、普段の理芽曲ではあまり見かけない歌い方です。個人的なポイントとしては、歌いだしからきれい理芽ですが、誰にでもそそぐ「太陽」のところ、それまでの裏声比率の高いきれいなミックスボイスから降りてくるときに少し汚めに歌っているところがとても理芽らしくて好きなポイントです。そしてさらにこの曲は「触れなくても愛は愛だ」など、めちゃくちゃな高音パートがあることが特徴…!この限界音域の理芽ちゃんはさらに貴重…!
花譜ちゃんの少し甘い、けど憂いを帯びた歌い方はやっぱり健在で、やっぱりこの雰囲気はほかには出せないよな、と聴く度に思います。自分は花譜理芽の二人のような歌い方を息系歌手と勝手に呼んでるんですが、息の混ぜ方がとても特徴的なんですね。花譜ちゃんは割とどの音域も息を混ぜる量は多めで、それが彼女の声を特徴づけてますよね。その息の混ぜ方が二人とも独自に昇華させていて、やはりもう別人のよう(いや別人だが)。
理芽ちゃんもそうですが、花譜ちゃんの歌をオリジナルとして最初に聞くともうその雰囲気で歌が固定してしまうというか、他の人がカバーしても(失礼な話ですが)ちょっと違和感が出ちゃうようになるんですよね。強いオリジナリティというか…。そして花譜ちゃんに至っては音源よりも上手く聴こえる。昔と安定感が段違いになった印象があります。(Classic花譜はその不安定さこそが魅力だったと感じる人もいそうですが…)
そして最後のポエトリーリーディングパート…!ここが一番聴かせてくれてありがとう!と言いたいパートです。花譜ちゃんのポエトリーリーディングはおそらく自他ともに認める花譜最大の武器の一つだと思うでもはや説明不要ですが、理芽ちゃんのポエトリーは貴重で特に必聴…!(と言っても十九月とハネムーンというフルポエトリー曲を2曲も持っている(ハネムーンはfeat.曲)という存在ではあるが)
うーん、やはりポエトリーはもともとの声の魅力というのがダイレクトに伝わって、とても良い…花譜ちゃんは感情を呼び起こす語り方なんだけど、どこか達観しているというか、ちょっと距離おいた人が話しているというか…一方の理芽ちゃんは落ち着いた声なんだけど人間味が強い話し方というか…これ以上言うと痛いだけなのでやめときますが、「知らない景色を」で「くぅ~~~~!!!」ってなります。何度聴いても。
3. 打上花火 (カバー: DAOKO×米津玄師)
飛翔するmemeで二人の歌声に聞き入ったのもつかの間、JPOPファンなら誰もが一度は聴いたことのあるピアノイントロ…!特に花譜理芽二人とも歌ってみたを出しているこの曲を会場のファンたちが聞き逃すはずがない。そのピアノイントロが流れた瞬間、会場から湧き上がる悲鳴にも似た歓声…!アーカイブでもバッチリ収録されちゃってます。マジ悲鳴が混ざってます。
とにかく最初から最後まで楽しいこのライブ、この曲だけはエモの塊で、 しっとりと、しっとりと聴かせてきます。
二人の歌声は言うまでもないことですが、こういう曲を歌う時の二人の動きと言いますか、具体的に言うととにかく手の動きが好きで、じっと見てしまうんですよね。
花譜ちゃんが5年前(5年前!?)、理芽ちゃんが1年前にカバーしたこの曲、花譜理芽が大好きな自分としては特別な想いなしでは聴けません。花譜ちゃんの甘い歌声、理芽ちゃんの柔らかい歌声、曲、背景映像が合わさってまるで花火の終わりのような切なさがこみあげてきました。まだ最後の曲じゃないはず…なんですけど。
パッと花火が~からの掛け合いが本当に好きで、二人が向かい合って歌い合っているのは本当に魅入ってしまいました。元の曲が名曲すぎるのはそうなんですが、この二人でこの曲を聴けたのは本当に嬉しかった。
そしてアウトロで手を横に振るのを促す二人もとても良かったです。エモで聴かせる曲の時もゆったりとした横フリで場を温めることができるんですね。こういうところも花譜ちゃんと理芽ちゃん二人とも丁寧にやってくれる印象があって、こういうところ一つ一つが今回のライブの満足感につながっていると思います。
(MC1)
と、ここで改めて花譜理芽パート初回のMCコーナー。なんか最初の三曲だけでもとてつもない満足感で、「花譜と」「理芽だヨ!」で初めて「あ、二人のMCは今日初だったか」と気づくくらいだった。わりと神椿のMCって真面目な感じが多いんですけど、最初から「祭り」を打ち出してるだけあって、MCも一貫して気楽な雰囲気だったのが本当に良かった。バチバチの曲でバチバチの歌を歌っていてもMCは距離が近い、そんな現地ライブが好きなので。なんとなく会場全体の雰囲気も理芽ちゃんの人柄に引っ張られているような気もしますが、ソロパート含めて一貫して会場内は和やかで楽しい雰囲気に包まれていました。
バーチャルシンガーらしく配信にもちゃんと声をかけて反応を引き出すところもさすがの心配り。やっぱり参加している、という実感が配信であってもライブの醍醐味なので。
続いて今までのシンギュラリティライブのコンセプトのおさらい。ここもMC名場面の一つである。ARライブシリーズとしてメンバーのワンマンライブがない年に急に湧いて出たこの対バンライブシリーズ。これまで2022年の理芽×ヰ世界情緒のvol.1、春猿火×幸祜のvol.2 (いずれもオープニングアクトとしてCIELが参加)の2回公演されており、少し意外性のある組み合わせ(特に理芽×ヰ世界情緒)だったことも記憶に新しい(記憶に新しいはずだが二年経過している!?)。
V.W.Pからは花譜ちゃんだけが参加していませんでしたが、メンバーが奇数だということやvol.2から音沙汰がないことからもうないものだと思い込んでいました。でもこうして筆者が(勝手に)熱望して止まなかった花譜理芽のコンビでvol.3を、しかも現地で味わうことができたのはこれ以上なく幸せな事でした。いやほんとに。
この後も「ジョチョ!」「ココハル!」「カフリメ!」や「ソウダス」、「えらいぞリメ~!」などMC名(迷)場面は続きます。
そして伝説の「乾杯」、「お面タイム」など…ガッツリ尺を取っての二人のMCは本当に嬉しい。理芽ちゃんデビューから初期の2年くらいは同じ神椿の中での絡みと言えばこの二人(花達と椿と君も二人中心だったし、周年記念もまずこの二人が話してから人が合流して神椿周年をやっていたりしていた)だったけどいつの間にかこの二人の絡みが減ってさみしかったところなので、自分としてはとても嬉しい時間だった(花譜理芽パート全てがそうである)
4. フォニイ (カバー: ツミキ)
お次も、ぶち上げ、カバーゾーンになります!の宣言から「せーのっ」「フォニイ!」
可不曲の中でも絶大な人気を誇るこの曲、聴いたことない人はいないんじゃないでしょうか!(実は自分は花譜ちゃんカバーしかまともに聴いたことありませんでしたが…泣)
というわけで皆にも聴きなじみのある曲だとは思いますが、そもそも理芽ちゃんはCeVIOも含め(広義の)ボカロ曲をほとんど歌わないことで有名なのでそれだけでもう新鮮なんです。それにしてもこんなに楽しい曲だったんですね、この曲。
二人の煽りもとてもかわいらしいし、最後のポーズも決まっている。うーん、場を温めっぱなしである。ほんと楽しいが途切れない。オリジナル曲至上主義の僕でもこれは脱帽せざるを得ない。むしろ帽子を放り投げている。
というか理芽ちゃんの歌声柔らかいな…。理芽ちゃんがボカロ(広義)曲を歌うと不思議と柔らかさが強調されるような気がしますね。ライブの時の理芽ちゃんって多少荒っぽいところもあるんですけど、とても人間味のある歌声でホント好きなんですよね(早口)。花譜ちゃんも相変わらずの安定感。難しい曲だと思うんですが。
5. トウキョウ・シャンディ・ランデヴ (カバー: MAISONdes)
息をつく間もなく「せーのっトウキョウ・シャンディ・ランデヴー!!」この瞬間が自分がこの日最大のテンションとなった瞬間だったのかもしれない。二人とも興奮気味にタイトルコールをしたのにピタッと二人が揃っていて、これ以上ないくらいノリノリになっているのがこれ以上なく伝わってきました。客席もよく声が出ていてボルテージが上がっているのが伝わります。
この曲、(きっかけはともかく)神椿(名義はMAISONdesなので正確には神椿曲ではないんですが)最大のバズ曲なわけですが、バズるのも頷ける最強に楽しい曲で、このただただ楽しいだけの祭りのようなライブでやらないわけにはいかない!って曲だと思います。思い返してもこれがあるのとないのではやっぱり楽しさが変わってきたんじゃないかと思います。
一番印象に残っている場面が「あたしの喝となる気質もじっと堪えて取り繕っては臨界点」で花譜ちゃんがくるっと回るところです。もともと練習通りの動きだと思うんですが、このくるってまわるそのタイミングと回り方がまるでテンションが上がりすぎてアドリブで回ったかのようだったので本当に楽しかったんだなって何度見ても感じるからです。ここの歌い方もめちゃくちゃノッてるし。なんかちょっと背伸びして(いやもう二十歳ですが)悪態ついている風の花譜ちゃん、めちゃくちゃいいですよね。こんな早口パートでも自分の武器を存分に発揮できるのは間違いなく花譜ちゃんの強みだと思います。
それに続く理芽ちゃんのソロパートも非常に聴きごたえがあります。理芽ちゃんはとてもやさしい人なんですが、その声質や見た目からか、ちょっと上から挑発されたくなるというか、ツン要素がとても似合うんですよね。なのでこの「何がら年中リップサービス~少しはまっとうなこと言って」のパートがめちゃくちゃハマるんですよね。本人もノリノリで、身振り(上図)も相まってほんと好きなんです。
そして最後の決めポーズがずれてスッスッって何事もなかったかのように修正する理芽ちゃんが愛おしくてマジ面白かったです。
もともと嫌いな曲ではないですが、このライブで体感してこの歌をめちゃくちゃ好きになりました。
6. アイドル (カバー: YOASOBI)
B級遊園地の音楽(こらっ)みたいなお水助かるBGMが流れた後、理芽ちゃんが突然「無敵の笑顔で荒らすメディア」と、今度こそ100%みんな知っている歌いだしを歌い始め、会場は最高潮に!間違いなくここが一番驚嘆の歓声が上がった個所の一つでしょう!
ぶちあがりカバーゾーンとは言っていましたが、まさかこの曲が来るとは誰一人想像していなかったんじゃないでしょうか(これまでのカバーは神椿関連の曲でしたし、打上花火も二人がカバーしているという関連があった)…!しかもこんな有名どころの歌を二人が歌うところを聴けるなんて!!
しかもこれ、踊りもガチでやっていて、歌い方も、二人の掛け合いも味合わなきゃいけないのに踊りもなんて…!贅沢すぎる…!
二人の歌い方はもう完全にお祭りというか、曲のノリと流れに身をかませている様子が伝わってきます。理芽ちゃんはギャル味のある歌い方である意味アイドルだ…!って感じだし、花譜ちゃんも終始はしゃいでいる。
そしてこの歌も歌の原作も二面性というか多面性をテーマに置いている(と思う)ため、はしゃぐ個所、聴かせる箇所、ダークな個所それぞれがあって難しい歌なんですが、その歌い分けも完璧なアイドルなわけですね、この二人は。
特に「はいはいあの子は特別です~誰よりも強い君以外は認めない」はなかなか素直に歌えないパートで、誰がどう歌うかが注目される個所でした。変な意味はないですがなんとなく音域や歌声の雰囲気的に理芽ちゃんが全部歌うかな~と思っていましたが二人で分けていましたね。しかし「完璧じゃない君じゃ許せない」とか理芽→花譜と思いきや逆に花譜ちゃんが理芽ちゃんに対してちょっと思ってそう…とか思っちゃったりして笑。でもなんかそれくらい真に迫っていて引き込まれる歌い方でした。
(MC2)
一瞬で衣装チェンジを行い、あの代々木で初披露となった八咫烏に変わったことが分かると一斉に沸き立つ会場。これまでのシンギュラリティライブでもそうだったようにV.W.Pの衣装になったということは、2人の曲もしくはV.W.Pの曲のデュエットVer.を歌うということである。花譜理芽曲はここまで2曲のみだが、2曲とも古い曲のため、現在の歌い方での歌唱やアレンジに期待が高まる。そして新曲もあるのか…???
二人とも興奮しすぎのせいか、MCでわけのわからないことばかり言う始末…それにしてもこの二人、それぞれ単独だとテンションが上がりすぎていてもまっとうな盛り上がり方をする(花譜ちゃんはもともと語彙が独特だが)んですが、なぜか昔から二人そろってテンションが上がると謎発言(理芽ちゃんのチョコ1での「今日もこちらは晴れです」など)をし始めたり、妙な間ができたり、テンポがものすごく独特になったりするんですよね。他の組み合わせではこんなことにならないんですが。面白い。
ちょっとでも隙があると「楽しー!」と二人とも漏らすのも、本当に楽しいのが伝わってくるし(何度言ってるかわからん)、こちらも楽しい。というわけで「私たちと言えば、この曲だよね!」という曲ゾーンへ!
7. 魔法
魔法はですね、僕が理芽ちゃんを知るきっかけになった曲なので最も思い入れのある曲だと言って過言ではありません。自分は結構ミュージカルが好きなんですけど、特に複数の演者が掛け合うような歌が好きなんですよね。この魔法という曲は多分それを意識した曲なんじゃないかなって思うくらい掛け合いが魅力的で、詩的だけど具体的な歌詞で次々と二人のパートが入れ替わって掛け合い、二人が合わさってきれいなハモリに展開していく…。王道的な構成ですが、だからこそ二人の歌声の魅力がこれ以上なく伝わり、分かりやすく盛り上がっていく、そんな曲だと思います。
逆にコテコテすぎるがゆえに普段使いの音楽にはならないんですが、この曲を聴くとなんて言うか、心が湧きたちますし、特別な感情を抱いてしまいます。この曲は物語性の強い曲ですが、以前は初期の神椿が強い物語性を打ち出しているのかなと思いましたが、今はカンザキイオリ氏の楽曲が強い物語性を持っていたんだな、と解釈しています。
この魔法という歌はまず歌詞が素敵で、真面目で棘が少ないんですが、その分詩的で美しくてちょっと牧歌的な雰囲気もありつつ、なんとなくファンタジックな雰囲気に包まれていますよね。何言ってるかわからないと思いますが、なんとなくイメージが伝わってほしいです。この後の魔的もそうですが、「過食」とか「不可解」とか二人の曲のキーワードが入っているのもいいですよね。こういうの、カンザキ氏はほんと得意ですよね。
そして最初に書いた通り、この曲は常に二人がワンフレーズごとに細かく交互に掛け合い、そしてハモるというパターンを愚直に繰り返す曲です。この構成だからこそこの二人の間に生まれるシンギュラリティがたまらなく好きなんですよね。魔法はそれこそアイスクリームライブ1から今回に至るまで何度も何度も歌われている曲で、聴き比べると二人の声の変化がとてもよくわかります。 この曲のライブ映像が出た頃は同一人物では?とかマジの姉妹?とか噂された二人ですが、今は系統が同じながらも違う長所を持った歌声での掛け合いが味わえます。というか単純に上手くなっているのが分かります。この曲。
そしてこの曲で特に好きなところは「それは海だったり」「風だったり」~「はじけて見えた」です。これはみんなそうなんじゃないか、って思うくらい魅力あふれる個所です。そしてここは二人のしぐさにも注目なんです!
そして最後の「そう これが魔法」…!なんだかこの曲を聴くと本当に魔法の存在を信じたくなるんですよね。恥ずかしながら。そう、これが魔法なんです。
そしてもはやおなじみとなった、魔法が来ればこの曲…ペア曲の魔的へ…!
8. 魔的
魔的に入りはいつもバグ理芽チとかいろんな変わった音でアレンジしてくるんですが、この日はバグ理芽はなしでターンテーブル風の入り。この時の花譜ちゃんのしぐさは注目しても損はないでしょう。かわいい。
この曲はわれらが笹川真生氏の作詞作編曲なんですが、魔法が「王道」なら魔的は「邪道」、つまり「王道でない=オルタナティブ」なんですよね。まあそれはつまりゴリゴリに笹川真生氏なんですが。「戦争映画の途中でふいに恋したくなった」ってまず歌う?しかも花譜ちゃんに歌わせる??っていきなりなります。リズムや旋律も全く王道ではないパターンで初めて聴いたときは「???」ってなったのを今でもよく覚えています。「なんか全然ピンとこない!」って感じ。でもなぜか引き込まれるし、どんどん癖になる。一曲終わったころにはもう魅力に取り込まれて何度でも聴きたくなる。そんな曲です。
↑ちょっと余談ですが、僕の大好きなXFD。世界観にハマってしまう
魔法はそれぞれ同じのソロを掛け合わせて二人でハモる、という王道パターンですが、魔的は違う旋律・リズムのパートをを重ねたり、英語と日本語の両方で同時にカウントダウンしたりと少し変則的なデュエットのパターンを楽しませてくれます。しかしそれはつまり歌う方も一筋縄にはいかないということ…!音域的にも特に理芽ちゃんにとってはミックスボイスで出せる割と限界と思われる音域を使っていて、歌う難易度がめちゃくちゃ高いんじゃないかと思います。だからこそこの歌が響くというか…
でもこの曲もNEUROMANCEから何度も歌われている曲で、やはり歌うたびに練度があがっているのが分かります。サウンドもめちゃくちゃカッコイイですよね。ちょくちょく理芽ちゃんがアレンジを加えるのもほんと好きです。
そして「次はあなたも花になれる 次はわたしも芽吹き出せる」っていうところ、エモを禁じえません。オルタナなくせしていきなり王道なことやったりするんですよね、笹川真生氏って。
9. 飛翔 (カバー: V.W.P)
ん…どこかで聴いたイントロだな…とパッと映し出される一輪の花、あの印象深いMVの最期に登場した花。こ、こ、これは…!そう、イノフェスで聴いたあの花譜理芽飛翔!
飛翔という曲、これも笹川真生氏による曲で、V.W.Pの拡声曲(カンザキイオリ氏卒業後の新体制によるオリジナル曲シリーズ)第一弾なんですが、それに恥じない名曲になっています。魔的と同様、一筋縄じゃ行かない歌で、ものすごく笹川真生らしい曲かと言われるとなんか不思議とそんな感じがしないんですが、一筋縄じゃ行かないという一点は極めて笹川真生らしい(?)と思っています。
V.W.P歌唱も、花譜理芽歌唱もエアリーボイス主体でなんとなくふわふわ明るい歌のようにも見えるんですが、なんとなく不穏な、心がざわつくような感覚になりますよね。本当に。これってなんでなんでしょう、自分は言語化できませんが、明るくかすんで先がはっきり見えないような、霧の中にいるような闇を感じます。
V.W.Pの曲はそれぞれがそれぞれの強みを生かしたどのパートも味のある曲になるんですが、飛翔は特に「息」がポイントで、息と言えばV.W.Pの中でも花譜理芽なんですよね。そんな二人がこの曲を歌うのはもはや必然なのです。
花譜ちゃんの息たっぷりの甘い声、理芽ちゃんの明るいはずなんだけど、どこか影のある歌声(歌声の話です)がとてもマッチして、この不思議な雰囲気の曲に外れることなく一貫性のある歌にまとめることができています。さすがです。
しかし歌詞通り「天国のような地獄」のような歌なんだな、って思います、本当に。特に二人で歌う「二人きりの地獄に行こう」はくるものがありますね、本当に。
(MC2)
「ありがとうございまーーす」「楽しすぎて!」「あっという間なんだが!」いや、こちらもですが…
「でもまだまだいけるよね!」「飛ばしていく準備できる?できてる?」「ジャンプジャンプするよゆ…気力残ってる?」「最後までぶっとばして、いくぞー!」「いくぞー!」と一番疲れているのは2人のはずなのに、最後まで会場を盛り上げることに余念がない。最後の方だけど、最後の最後までみんなで盛り上がって楽しむぞ!という気概を持ってくれる、これは当たり前かもしれないけど大事なことなのです。
そして恒例の爆上げバンド紹介へ…!
(バンド紹介)
ということで次はなんと花譜理芽!久しぶりの新曲です!(!?!?!?)
10. キャンディーゲリラ
カフリメ新曲!!??来るとは思っていたが、心の準備ができていない間に始まる曲。キャンディーゲリラ!?
「どうしたもんか みんないろいろ」といきなり語りで始まり、え、どんなテンション??と面食らってると「ホイホイホイ」「ポイポイポイ」…!?!?どんなテンポですか??とどうのっていいかまだ掴めず曲が進んでいってしまう。「喰らえ」「喰らえ」!?え、理芽ちゃん、その声どこから出してんの????「シュガーハイでなんだかイイ感じ」???????「イイ感じ」????
終始「?」が浮かんだまま
「ラララキャーンディーゲリラ♪」!!????
うわ、ハモリ気持ちイイ!!!!
「その傷口治したげる」「たげる!?」
そして「それを知る君は誰よりも尊し」でいきなりカッケー理芽、マジこの曲テンションが右往左往(語弊)するじゃん!ああ、でもサビのハモリめちゃくちゃ気持ちイイ~!良く聴くともう二人ともはっちゃけてるし今までのオリジナル曲では聴けない歌い方してるし、祭りのような曲じゃん!!!!
しかもラスサビで転調してキャンディーゲリラ!めっちゃ気持ちイイ!うわ、久しぶりの花譜理芽新曲がこんな曲になるなんて全く思ってなかったけど楽し~~!!ってなりました、本当に。
何度聴いてもわけわかんない曲ですが、サビが気持ちいいのだけは満場一致、楽しい曲です。うれしい。
(MC3)
「どうでしたか?」「イイ感じ!」とはしゃいでいる花譜理芽。「二人の曲嬉しいね」と花譜。いや僕らも嬉しいです、ホント。「終わりたくないよね」とぼそっと漏らす理芽ちゃん。本当に本音なんだなぁ…
そして次の曲がラストだと告げる。こんな幸せでただただ楽しい時間、終わってほしくないよね…。そしてここのMC、名場面が多すぎる…!!
11. 宣戦 (カバー: V.W.P)
「次の曲は2人で歌うの、チョー久々」「チョーーーーーーーーーー久々」
と言い始めてどよめきが起こる。え、まさかあの歌を…?まさか、まさかね…
「最後は私たちが初めて一緒に歌った曲を歌いたいと思います」
初めて?初めてなの?あれって初めてのデュエットだったの???
「せーの」
「宣戦」
…!(オタクたちの悲鳴)
花譜理芽宣戦…本当に存在したんだ…
この宣戦という曲、その名の通り挑発的なビートで加速感にあふれためちゃくちゃカッコイイ曲で運命の中では一位二位を争うくらい好きなんですよね。本当にカッコイイ。
僕は花譜理芽宣戦を聴いたことはありませんし、都市伝説だと思っていた口です。しかし5人歌唱のでも理芽パートの味が出ている曲の一つだと認識していたので、花譜理芽宣戦というものが存在していたのであれば死ぬまでに一度聴いてみたいとずっと思っていました。最後の夢がここで叶うんですね…
最初にすっと静かで神秘的な花譜パートから始まり、厳かな雰囲気を出しておきながら理芽パートの「人工的な運命に」からドラムが入り、ここでスイッチが入ったように疾走感が増していく。この瞬間がたまらなく好きなんですよね、この曲の。
当時と比べて柔らかく明るくなったとはいえ、そこはさすがの理芽ちゃん、しっかりとカッコよい理芽を出して歌いきっています。というか明らかに上手い。花譜ちゃんもさすがすぎるし、V.W.Pは多彩な歌声とパワーがあるが、この二人の歌唱はバランスが良くて統一感がある。このライブの締めくくりに間違いなくふさわしい、そんな曲になっていました。
(MC4)
🌱「気をつけて帰ってね!」
🌸「明日もあるんだから!」
「明日のことはまた明日ね」と言って「バイバーイ」と最後まで明るく楽しそうに退場していった二人…でも袖でニコニコしながら会場の様子を最後まで見ているんだろうなぁ…と思ったり。そしてエンドロールへ…
エンドロール 魔法-魔的-言霊 inst remix
特に多くはもはや語るまいですが、ライブエンドロールのインストアレンジ、ホント好きなんですよね。なんかこう終わってしまうさみしさとか切なさを包み隠さず表出させてくれるというか…うーんそれにしても最初から最後まで(言霊は違うけど)花譜理芽による花譜理芽のための花譜理芽のライブでしたね…本当にありがとう…
花譜理芽 Singularity Live vol. 3 総括
とにかくただただ楽しい、祭りのようなライブでした。影ナレーションからエンドロールまですべてが花譜理芽であふれていました。セトリも工夫されぬかれていて、カバーの選曲もどうすれば楽しめるか、驚かせることができるか感考え抜かれていました。完全に僕らは花譜理芽によって転がされてしまいました。花譜理芽の狙い通り楽しんで、驚いて、とにかく楽しめたライブでした。こんな楽しいライブ、経験したことがありませんでした。
本当にありがとう、それしか言葉が見つからない。
そして改めて花譜理芽の歌声の親和性を実感したし、この二人の人柄も含めたすべての相性がいいと感じました。これからも二人が言っていた通り、一緒に歌い続けてほしいし、また二人でライブをやってほしい。心の底からそう思いました。
ただひとつ、不満があるとしたらやっぱり花譜理芽オリジナル曲の少なさですね。こんなに素敵な2人の曲がもっとあってもいいと思うんです。そう、それだけでライブ作れちゃうくらいに!
今後の花譜ちゃん、理芽ちゃんそれぞれの活動に期待!というのはそうなんですが、今後の花譜理芽にも期待していきたいです。お願いしますPさん。
そしてさらに素敵なDay2があるんですよね、この神椿後楽園戦線というやつは…!
ひとまず、こんなとりとめもない文章、飛ばし読みでもなんでも読んでくれてありがとうございました。
正直まだまだ書き足りないことはたくさんあるんですが、もうアーカイブも終わりなので…!
ほんと花譜ちゃん、理芽ちゃん、バンドメンバー、そしてこのライブにかかわったすべてのスタッフの方々、お疲れさまでした。そしてこんなに素敵なライブをしてくれて、本当にありがとうございました!!!