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久しぶりのソロキャンプは暗闇の恐怖を味わった

約3年振りのキャンプ。ソロキャンに限ると5年振りくらいになるだろうか。
昔のことはどうでもいいや。

出発時の気温は、7.5℃。

お昼前には17℃まで気温は上がり、窓を開けて走っても気持ちが良いくらいだ。

私の愛車はミニクーパーだ。
トランクなんてベビーカー一つも乗りはしない。
後部座席を倒してキャンプ道具を積み込むのだが、それでも積載量は少ない。
以前は、ランドローバーに乗っていたので大量のキャンプ道具を積んでいたが、その頃に比べると半分以下だ。

雷襲撃のあと。写真中央の煙っぽいのは謎。レンズの汚れだろうか。

いくつか点々とする空き地を案内してもらったが、元々私が泊まりたかった場所には先客が居た。
実際に行ってみると思ったより空が開けていなかったこともあり、空いていた他のサイトを選んだ。

ミニは車高がもともと低いので悪路は苦手。底を擦ってしまう。
この高台のキャンプサイトと言うよりは空き地。
ここに上がる手前にほんの5mほどだが砂利道の急坂がある。

その急坂は、昔は4WDしか登れなかったらしいのだが、キャンパーさんたちの整地や砂利敷きなどの努力で普通車でも登れるようになったそうだ。
ここのキャンプ場は高齢のご夫婦の広大な私有地をところどころ開放してくれている場所で、ここを気に入ったキャンパーさんたちがあちこち手直ししたり、案内板を作ったりして育てている。

幸い、先客は居なかった。見晴らしも良い。
ここにしてぇ・・・・・・。

とりあずミニで急坂に突っ込んでみたが、登らない。
深めの轍があるのでそこにタイヤが嵌ると面倒なことになる。
何度もアクセルを踏み込むが虚しく砂利を削る音がするだけ。

無理か?いや、やだ。ここがいい。

苦肉の策でバックで急坂の入口に車を突っ込んで、荷物を全て歩きで運び上げた。
何往復したかわからん。

荷物を全て運び終え、車を少し離れた空きスペースへ移動しようとして、そう言えば田舎では雪道を滑って登れない時にバックで登っていたことを思いだした。

試しにそのままバックで登ってみると・・・いけた(笑)
荷物を運んだ意味(笑)
まぁまぁ、帰りの積み込みが楽になったのだ。結果オーライ。

なんせこんなに青空だ。腐ってる場合じゃない。

焚き火開始

15:00 設営を終えてすぐに焚き火を始めた。
何がしたいかって焚き火をするためにキャンプに来たようなものだ。

キャンプを始めた頃は、一生懸命フェザースティックを作ったり、マグネシウムを削って火を付けたりしていたが、

雑(笑)固形燃料。

温泉宿の鍋の下についてるやつ。
いや、もうフェザースティックとかそういうのはいいんだ、わしは。

ほら、あっという間。普段はイラッとするけどここでこの言葉を使う。
タイパ。

その名も「焚き火缶」で湯を沸かし、

色合いといい・・・昭和感

遅めのランチ

最近見なくなったよね?チーズカレー

野外のカップラーメンと冷えたおにぎりほど旨いものはない。

さぁ、お腹も満たされたし、ひたすら焚き火を愛でるとしようと思ったら

突然の雷雨

遠くに不穏な雲が現れた。
薄いヴェールがかかったような不気味な雲。


やがて真っ黒な雲が勢力を拡大してきた。
辛うじて頭上の空はまだ青空をキープしているが時間の問題だ。

慌ててテントのひさしを作り、荷物を中に運び込んだ。
やがて空が大きく光ると、地鳴りのような雷の低音が轟いた。
久しぶりに味わう雷の恐怖。

動画で少しだけ音を拾ったけど、写真を撮る余裕もなかった。

そういえばキャンプを始めた頃は必ずと言っていいほど雨に降られた。
今日がそもそもイレギュラー。
だって私は雨男。雨の日こそ私の日なんだ。

テントを叩く大粒の雨の音が懐かしい。
ひさしの下で細々と薪をくべて雨が去るのをじっと待った。

やがて、雨が去ると

虹だ!

思わず声が出た。
でっかい。久しぶりの虹。

焚き火と虹のツーショットはキャンプ初だった。

晩飯

ガスバーナーは持ってきていたが、せっかく焚き火をしているんだから焚き火で料理をしようというおかしな意地もあった。

息子とキャンプをしたり、グルキャンだったりでは凝ったキャンプ飯をよく作っていたけど、もうそういうのもいいや。
料理に時間をかけるくらいなら、焚き火を眺めて夜空を眺める時間が欲しい。

メニューもまったく決めてなかったので、通り道のスーパーで適当に買った。

気持ち入ってる豚肉の欠片とフライドポテトと・・・緑の野菜。
なんだ?これ。ニラ?の茎みたいな・・・。アスパラのもっと細いような。
そんなやつ。味付きを炒めて、焚き火缶で豚汁を作った。

見るからに失敗のご飯

ほったらかしで炊き上がるんですよ~美味しく。
なんて言ってたくせに失敗したメスティン炊飯。

気温が低かったからかしっかり炊き上がってなくて、ふんわりしてない。
これは久々に不味い飯だった(笑)
2/3残してクーラーボックスに入れて、家に帰ってからおかゆにして食べました。

豚汁が一番おいしかったのにピントが合ってなかった・・・・・・。
もうこの頃になると撮影はどうでもよくなってきてる。
キャンプ動画を撮ってる人達ってマメだよなぁ。

そうそう。頼みの綱の一番明るいランタンが現地で壊れたんだ。
なのでヘッドライトを頭につけて一晩しのいだ。
スポットライトみたいな灯りになってるのはそのせいだ。

ただ炎を眺め続ける

陽が暮れると急激に冷え込んできた。
当初、私が選んだサイト周りにはいくらでも薪が落ちていたので家から持ってきた薪は数年間、庭で熟成させた最小限の薪だけだった。

この高台は前のキャンパーさんがあらかた拾っていったのかほとんど落ちていない。

焚き火の前から離れがたいほどに冷え込んできて、辺りは電灯一つ点いていない山の中。
これから薪を拾いに行くのも面倒だ。

そもそも私は盛大な焚き火があまり好きではない。
かといって、今回はさすがに暖を取るにはちょっと寂しい焚き火だったけど、これくらいでもいいのだ。負け惜しみではないのだ。

人生を思うとか、行く末をじっくり考えるとか。
そんなことは一つも頭に浮かばなかった。
ただ炎を眺め、何を得ることもなく、何を失うこともなく、炎の揺らぎに集中して無心になっていた。

お酒はビールを一缶飲んだだけ。
キャンプでは元々そんなにお酒を飲まない。

時折、獣の甲高い鳴き声が山にコダマした。
なんだろう?鹿だろうか?それともこの辺りで目撃情報があるキョンという生き物だろうか?

テントのすぐ後ろの林の中では、野犬のような獰猛な唸り声が聞こえ、何かを追いかけまわすかのように激しく移動する足音が聞こえて来た。

急に私は暗闇に囲まれているのが怖くなり、テントの中に椅子を移動し、ズルズルと焚き火台を引き寄せて左右後方の視界を遮った。

布一枚で気休めにもならないが、注意するのが前方に絞り込まれたことでかなり心が落ち着いた。

そうして薪が無くなるまで珈琲を飲み、ポッキーをボリボリと食べながら焚き火をし続けた。

星空は素晴らしかった


残念なことに、まともな写真が撮れなかった。
気温が低いので電池がすぐに無くなるのは経験済みだったけど、フル充電の電池が数回の撮影で空になったのは初めてだ。

この写真の右下は恐らく街の灯り。光害。

電柱と電線が入り込んでいるのも気づかない余裕の無さ(笑)
次回リベンジしてやる。

これはもう朝の5時頃。
月が・・・どこにも見えなかったんです。ごめんなさい。

夜中の珍事

さて。夜中の24時半頃。
約8時間ほどぶっ通しで焚き火をして薪が底をついたところでシュラフに潜り込んでから約30分後位のことだ。

突然、複数名の足音と話声が近づいて来た。
どうやらこの高台に景色を眺めにきたようだ。
それにしても深夜24時過ぎだぞ。

あっ、クルマがある。さすがにダメっしょ。
大丈夫だよ。夜景モードどれだっけ?
天の川見えるかなぁ

3人組の若い男性っぽい。

せっかくの静かな夜を。とカチンときたのだがどうもおかしい。

星空写真では割と明るく写っているが、あれは1分間シャッターを開け続けて撮影したからであって、実際は漆黒の闇夜だ。
月は新月でまったく明るくない。

なんなら私が現地から2時間かけてupした動画を見て頂けると分るのだが、周りは灯り一つないのだ。

テントの周りをうろついている彼らは懐中電灯やランタンなどを持ってはいない。
もし持っていれば、交錯する灯りがテントの布越しに必ず見える。

キャンプをしたことがある方ならご存じかと思うが、テントからはガイロープが四方に張られペグで固定してある。
暗闇でテント周りを徘徊するのはガイロープに足を取られる危険がある。

なのに、彼らは時には小走りで、時には歩き、周りの草むらを動き周っていた。
会話がはっきりと聞こえたので、「人」には違いないとは思うのだが。

10分ほどだろうか。

一頻り辺りを徘徊し終えた彼らは私のテントの
後方に回り込んで・・・・走り出した。

ん?後方にそんなスペースは・・・ない。
林だ。
無言で走る音が聞こえてくるが、その不可思議さに背筋が寒くなる。

なんなんだ・・・いったい。
ロシア製の暗視スコープでもつけていたんだろか。

※後日、当日同じキャンプ地をご利用されていた方からコメントを頂きました。記事の最初の方で私が「先客」と書いている、その方です。
その方の所にも三人組が現れたそうなので、で、車の音も聞こえたそうで無事「人間の三人」と言うことになりそうです。
コメントありがとうございました。
それと、三人組、夜中に他人のテント周りを話ながら徘徊するのは迷惑です。
まじでやめてください。

さて、話はまだ続く。

謎の3人組が去ったあと、少し気持ちがザワザワしたが、寒過ぎて半ば投げやりになっていた私は外を確認することもなくシュラフに頭まで潜り込んだ。

暫くして半分眠りに落ちた状態で不思議な光景が頭の中に浮かんできた。

時代は戦後間もない頃だろうか。

丸坊主で痩せて白い汚れたランニングシャツを着た男の子達が「3名」、バラックが左右に建つ荒れた道をすごい勢いでこちらに向かって走ってくるのだ。
私の手前まで来るとくるりと反転して走り去っていく。

顔は、ちょうど目の部分だけが真っ黒に穴が空いていたが悲壮感はない。

やがてバラックからワラワラと大人や子どもが出てくるのだが、彼らは一様に私の方に向かって歩を進めてきた。

悲壮感はない。
ないのだが、猛烈に恐ろしかった。

会社の同僚から、肌身離さず持っているようにと渡された小さな袋に入れた水晶をコットの横に置いてあったはずなのだが、手探りで探しても無い。

ランタンの灯りをつけるといけない、と何故か思い、静かにお不動様の真言をシュラフの中で繰り返して・・・眠りについた。

その小さな袋。
テントを撤収する際に外に落ちているのを見つけた。

ちょうど3人組が走っていたテントの後方だ。
そして私は自分が記憶している限り、テントの後方へは一切行っていない。

テントの中からその場所に転がり出る可能性はゼロだ。
なぜならテントと地面は「スカート」で完全に遮断されている。

結界になってくれたんだ。

咄嗟にそう思い、袋を拾い上げた。

撤収

見事な青空。
テントの結露がひどかったため、陽が差してしっかり乾くまで待った。
チェックアウト時間はアバウトなのだ。

2組くらい本日泊りのキャンパーさんカップルが朝から覗きにきた。
チェックインもアバウトなのだが、さすがにまだ早いだろ。

写真下に映っている人影😱あっ、わたしだ。

朝、焚き火をすると片付けに時間がかかるので、バーナーでさっと朝食を作る。
キャンプを始めた頃に買ったColemanのホットサンドメーカー。

この日はポテトサラダとスライスチーズを挟んだ。

おぉ、そろそろ5000文字。
長くなってしまった。大した内容でもないのに💦

いちおう焚き火動画もたくさん撮りました。
YouTubeにあげられるものが作れたらまたご報告します。

↓作りました

BGMの関係で削除されるかも!

例の霊トンネル。帰りに通りました。

ダム湖で亡くなった男性の霊が出るとか。
地元ではやはり有名みたいです。

トンネル内の走行動画も撮りましたが、明るい昼間ならそんなに嫌な感じはしなかったです。
手掘りのトンネルなので、ディズニーのアトラクションみたいでした😅

今年から来年にかけて、冬の間に、もう何回かソロキャンプに行きたいと思います。
年末年越しもやりたいけど、どこも一杯なんだよね。

予定が決まったらまた騒ぎ出しますが、あぁまた始まったよ、と温かくスルーしていただけると幸いでございます。

以上、久しぶりのソロキャン報告でした~。

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