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我慢しなさい

ひさしぶりに体調を崩した。

平熱が35.7℃くらいなので38℃位の熱が出ただけで、

頭がぐわんぐわんと回るくらいにやられてしまう。


ボーッとした頭でベッドに横になっていたら、

子供の頃に熱を出して寝てた光景を思い浮かべた。


よく覚えているのが天井の木目。

ところどころ顔みたいに見えて怖かった。
あちこちから歪んだ顔が見下ろしていた。


天井や四方の壁がだんだんと近づいてきて、

やがて押し潰されそうになる恐怖も、高熱の時によく感じてた。


あれは怖い。

でっかいトゲトゲが付いてたらもっと怖い(笑)


あの感覚はちょっと病んでた私の子供時代の独特の感覚なんだろうか?


病んでたというか、もちろん当時はそんな「自分の精神状態」を
分析するはずもなく、あとになって思うことだけど。


そういえば歳を取ってから、あれ?もしかしたら離婚してからか?

頭痛がなくなった。


あれ?本当に「結婚生活」が合ってないのか!?私には。

衝撃の事実だぞ、これは。


子供の頃から頭痛もちで、いろんな症状があったので、

偏頭痛とか、緊張型頭痛とかどれに分類されるかわからないけど、


とにかく目の奥が痛く、ひどくなると真っ青になり、

脂汗をたらし、嘔吐した。


忘れられない記憶がある。


教室で授業中に頭痛が始まった。

小学三年生の時だ。


頭痛はどんどんひどくなり、吐きそうになってきて、

先生に

「頭が痛いので保健室に行きたい」

と訴えると、


ネリケシ君はいつも嫌なことから逃げたい時に頭が痛くなるのよ、少し我慢してみなさい!


と、怒られて保健室に行けなかったのだ。


頭痛が起きた時は、温めたタオルを目の上に置いて

視界を暗くして静かな場所で横になれば良くなることが多かった。


保健室ではすぐにそうして対処してくれたので、

吐いたりするまで悪化しないで済んでいたのだ。


この日は結局保健室に行かせてもらえずに、脂汗をかきながら

授業を受け続けとても辛い思いをした。


先生に言われた、

嫌なことから逃げたい時に頭痛が起きる?

は、自分ではわからなかった。


けど、そのメカニズムに関係なく本人は苦しいのだ。

原因はどうであれ、頭が割れそうに痛いのだ。


結局、私の頭痛が起きる原因はわからない。

ただ、大人になってもわりと起きてたし、


本気で脳腫瘍かなにかではないかと検査を受けたこともある。


小学三年のあの日のことが忘れられないので、

その度に、
「いま嫌なことから逃げ出そうとしてんのかなぁ?俺」

と、冷静に頭痛が起きる前の自分の感情を分析してみたりしたが、
決してそんなことはなかった。


極度に緊張を強いられる時に必ず起きるわけでもなかったし、

「会社行きたくねぇなぁ」って時に起きるわけでもなかったし(笑)


我慢しなさい


という言葉は使いどころによってはものすごく残酷だと思う。


頭痛がひどくて、それを周りにわかってもらえないとき、

この痛みを、辛さを、どうにかしてこの人たちに体感させられないだろうか、

と本気で考えたこともある。


私は小学校の担任の一言で、

「もっともっと我慢をしなければいけない」

という呪縛からいまだに解かれない節がある。


まだまだ我慢が足りない。


昨日一日、体調がすこぶる悪かったのに夕方近くまで

仕事をしてしまったこともそうだ。


大病をした時も、会社に行ったら

「おまえ今すぐ病院に行け」

と言われて、


そのまま数ヵ月の入院となった。

私の見た目がそう言わせるほど異様だったのだ。


少しくらい身体がおかしくても我慢しないと、

と無理を押した結果、とことん悪化してしまったのだ。


我慢って、人それぞれ限界が違うと思う。

我慢強い人も居れば、我慢弱い人(この言い方ある?)も居る。


身体の痛みには我慢できても、

心の痛みに我慢できないこともある。

その逆も然り。


我慢しなさい


この言葉をもし誰かに使うなら、一度自分に問うたほうがいい。

言われる側は限界かもしれない。と。

我慢しなさい

もし誰かにそう言われたら、決して無理をすることはない。

我慢ができないから言葉に出して訴えてるんだから。
その時点でもう自分の中では限界なんだから。





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