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ウィットサンデー島 オーストラリア

東海岸南下編(3)
砂が白すぎる。きめ細かすぎる。海が透明すぎる。


出発

 いつものように、ギリギリに起床。本当は今日チェックアウトの予定だったが、折角エアリービーチまで来たわけだし、目玉のホワイトヘブンビーチに行かずに去るのは逆にお金が勿体無いと思い、昨晩急遽ツアーを予約した。貧乏性から一番安いのを選んだ。まあ、とりあえず行って見れればええんやから(笑)。オーストラリアに来て初のツアー。観光っぽいことをやってこなかったので、胸が高鳴る。
 
 さっさと延泊の手続きをして、急いで集合場所へ向かう。行きしな昼食をコンビニで買ってから行こうと思っていたのだが、もはや無理っぽい・・・。時間管理というかなんというか、そういうのがクソすぎるんだよ俺は。
 
 集合場所はハーバーのカフェの前。受付時に、係員にちょっとコンビニに行ってもいいかと聞いたが、「間に合わなかったらやばいよ、ほれ昼食プランあるからこれにしな」と言われ、結局30ドルもする昼食プランに丸をつけた。しょうがない、腹が減ったら「海キレー、サイコー」どころか「さっさと町に帰って飯食いてー」っていう思考になっても勿体ない(涙)。出発まで少し時間があるとのことだったので、カフェでコーヒーを頼んだ。朝は絶対コーヒーを飲みたい派なので嬉しい。毎日ツアーに合わせて客が来るだろうから立地的にも最高やろな。と思っていたら、ツアーの係員達がカフェから荷物を運び出しているのが見えた。食材やら調理器具っぽい。ああ、このカフェ、ツアー会社と結託してるか同じ会社やん。まあ、なかなか考えられたビジネスやわ(笑)。
 
 意外と待ち時間あったので、実際にはコンビニには行けただろうが、まあコーヒータイムを満喫できた。それに30ドルもすれば豪華なランチが待ってるやろうし、折角の初ツアーなら貧乏くさいことを考えるのはやめようという旅行補正で自己弁護をかます。
 
 出発。ヨットハーバーのゲートが開けられ、船に乗り込む。おひとり様は私だけ・・・(涙)。誰かとくればもっと楽しいんだろうなーと思ったが、俺は旅する孤独なバックパッカーなんだと胸を張る(笑)。
 
 港の中はゆっくり航行していたが、沖へ出ると結構スピードを上げていく。客室にいても窓代わりのビニールの隙間から水飛沫がとんでくるし、結構揺れる。折角なの海を見渡せる外の二階デッキに出た。さらばオーストラリア大陸。1ヶ月目にして、ついに大陸の外へ足を踏み出した。この辺りの島はウィットサンデー諸島というのだが、諸島というだけあって、目的地に着くまでに色んな島を通り過ぎる。なんか瀬戸内海みたいな感じ。ハミルトン島を除いて他の島は全て無人島である。ゴツゴツした岩と鮮やかな緑、そして所々に白い砂浜を持った島々。海域にはポツポツとヨットが浮かんでいる。

いざ出発
さらばオーストラリア大陸
世界の船窓から🎵
多島海
誰にも邪魔されることはない砂浜
鮮やかな紺碧の海
岩の雰囲気が良き

到着

 1時間くらい経つとついに真っ白な長い砂浜が見えてきた。感動。オーストラリアに着いてから、色んな人にオーストラリアのおすすめの場所を聞いて回っている中で、一番印象に残って行ってみたいと感じたのがウィットサンデーのホワイトヘブンビーチだった。地理オタクの自分でも、これまで一度も見聞きしたことが無い場所で「こんな綺麗な場所があるのか」と驚いた。オーストラリアで何ヶ月か働いてお金を貯めてから行こうと思っていたので、こんなに早く来ることになるとは思ってもいなかった。
 
 船は速度を緩め、砂浜に接岸した。船の先端から降りられるようになっている。ガッツリ陸に接岸するわけではないので、靴を脱いで船から出る。景色がほんま名前の通りヘブン(天国)。実際はWhitehaven(白 回避地)でHeaven(天国)ではないけど、Whiteheavenでもいいんじゃないかと思ってしまう(笑)。白すぎる砂浜が何キロも先まで続いている。下ろしたての白のシーツを100回くらい漂白しまくったくらいの白さ。海は砂の白さを反射しているからか、なんかの宝石の表面なんじゃないかと思うような色をしている。

ホワイトヘブンビーチが見えてきた。通り過ぎた時は、実はここがガイドブック等でよく見るインレットだとは思ってもいなかったし、今回のツアーで見れないとも思ってもいなかった(笑)
到着
綺麗すぎる

ビーチ

 午前中はビーチでゆっくり過ごそう。ツアーの乗客たちもそれぞれ散らばり思い思いに過ごしている様子。シャッターを押す手がが止められない。どこを切り撮っても綺麗すぎて、どうやって撮ればこの美しさを表現できるのか分からない。このまま瓶の中に詰め込みたいぐらいだ(笑)。砂の上を歩くと、キュッキュと音が鳴る。音が鳴る砂浜なんてこの世にあるんだな。面白すぎる。ただ、歩いてるとだんだん、黒板に爪を立てたときになるあの音に似てるんじゃないかと思えてきた。砂を手で触るとサラサラと落ちていく。ほんまパウダーや。
 
 日差しはクソ強いが、若干肌寒い気もする。現在5月で、オーストラリアは冬に入る時期。とは言ってもここは熱帯気候に当たるので、がっつり寒くなることはないので半袖で全然過ごせるが、それでも夜や日陰は少し肌寒く感じる時もある。
 
 荷物を置き、服を脱いで海に入る。波が穏やかで、これほど海水浴に適した砂浜はないだろう。ほぼプールにいるような感覚。めちゃくちゃ遠浅で、沖の方へ結構泳いでも足が付く。水は透明で、海底がくっきり見える。そして、時折魚が泳いでいるのがくっきり見える。魚さえも半透明な感じや。1人で適当に平泳したり、仰向けになって浮かんだりして楽しんだ。景色が清潔すぎて禊なんじゃないかと思った(笑)。
 
 まあ、1人で海水浴はそんなにおもろくないので、砂浜に戻って、景色を堪能しながらくつろぐことにした。ツアーのスタッフ達が昼食の準備をしているのが目に入る。ビールも売ってるみたいだ。やることもないので、ビールを1本買って飲んだ。贅沢な時間や。
 
 そうこうしていると、昼食の時間になった。昼食はソーセージとサラダとパン。まあ美味いことは美味い。ソーセージも多分いいやつではあるし、サラダも新鮮なやつ。それでもこれで30ドルはたけえ・・・。予想はしていたけど(笑)。おかわりができたので、まあええわ(笑)。
 
 すると突然「日本人ですか?」と声をかけられた。ツアーに参加されていた女性の方で、自分がリュックにつけているお守りで日本人と分かったらしい。孤独なツアー客の俺としては、めっちゃ嬉しかった(笑)。アデレードに住んでる看護師の方で、オージーの彼氏さんか旦那さんがいらっしゃる。意外と外国でまともな日本人と会えると嬉しいものよ(笑)。
 
 ちなみに、ホワイトヘブンビーチ、ウィットサンデーの代名詞とも言える、海がミルクシェイクみたいになってるような写真があるのだが<下記URLサイトの写真参照>、これにいくためには、ここから砂浜を4キロほど歩かないと辿り着けないらしい。4キロといえば辿り着けそうな感じもするが、足元は砂浜だし、途中泳がないといけないところがある。展望台が近くにあるということで、見れるのではと期待していたが、ミルクシェイク写真の風景とは違うらしい。どうしても見たい人はツアーを選ぶ際にヒルインレットルックアウトに行くかきちんと確認してから申し込んだ方が良いだろう。
 


ホワイトヘブンビーチ①
ホワイトヘブンビーチ②
ホワイトヘブンビーチ③
ホワイトヘブンビーチ④
ホワイトヘブンビーチ⑤
ホワイトヘブンビーチ⑥
ホワイトヘブンビーチ⑦

展望台

 他のツアー客から、展望台に行っても「緑しか見えない」と言われたが、実際に目で見なけりゃ分からないので、行ってみることに。最近展望台と言われるところに行きがちな日々だ(笑)。トレイルは結構整備されていて、全然苦じゃない。30分もかからずに展望台に到着した。まあ、確かに「こんなもんか」って感じの展望台だったが、ホワイトヘブンビーチが展望できたし、反対側にも静かな入江があるのが見え、まあまあ暇つぶしにはなった。

 帰り道、他の展望台への案内板を見つけたので、そっちも行ってみることに。一枚岩が自然の展望台みたいになっているところで、景色的にはまあまあ。ドローンを飛ばしているグループがいた。ここなら人も少ないし、全体を撮れていいやろうな。

歩きやすい遊歩道
反対側の入江
砂の白さと森の緑が対局的
奥には岩山が目立つ他の島が見える
水代わりに持ってきたビールで水分補給
もう一つの展望台

帰路

 展望台も一通り見終えたので、あとは帰るまで適当に砂浜でタバコでも燻らしながらゆっくりしよう。
 
 ツアーのスタッフと少し雑談をしたのだが、彼もイギリスからのワーホリで、今エアリービーチに住みながらこの仕事をやっているらしい。いい仕事やなと思った。毎日この景色を見れるし、砂浜にいる間は結構ゆっくりできる。ロンドン出身の彼は、自然を求めてオーストラリアにやってきて、海に関われる仕事を探していたとのことだ。ケアンズで会った他のイギリス人も同じようなことを言っており、人物像が重なる。
 
 クイーンズランド、特に北部に来るワーホリは、海や自然や熱帯、そしてそれに関わることのできる仕事やライフスタイルを求めてやってきている人が多いんだろうなと思う。自分みたいに、「オーストラリアにワーホリに行けるやん。でもどこに行けばいいか分からん。ケアンズが航空券一番安いし行ってみよう」みたいなクソみたいな考えでは来とらん(笑)。ただ、熱帯よりかは温帯、田舎よりかは都会が好きだった自分だが、熱帯の魅力や田舎、自然、動物の魅力を徐々に感じれるようになれたし、それに魅了させられる人達と触れ合うことで自分の中の価値観は少し変わったようにも思える。思い込みかもしれないけど。
 
 くっそ美しいこの砂浜ともさらばや。帰りは、行きとはまた違うルートで港に戻るらしく景色が少し違う。おしゃれなホテルやコンドミニアムみたいな建物が並ぶハミルトン島の横を通り過ぎる。新婚旅行やらホリデーやらでこんなところに来れたらさぞ優雅やろうなと妄想していると、エアリービーチの街並みが見えてきた。無事ツアーは終了。大陸の大地を踏み、ここからまた俺のワーホリライフを固めていかんとならん。

お迎えがやってきました
さらばウィットサンデー島
洒落た建物が並ぶハミルトン島
小さい島に一軒家???!!!!!!
なだらかな丘陵のある島
岩の島
次訪れる時は、誰かと優雅に来たいもんやわ
エアリービーチが見えてきた
到着

エアリービーチ最終夜

 帰り着いたら無性に腹が減ったので、マックで夕食を摂ることに。高え昼飯食っても、腹は減るもんやな。今夜もドミトリーを貸切かと思っていたが、新たな宿泊客が入ってきた。ちなみに、自分の部屋はスタッフの手違いで、本来ならば団体客専用ドミトリーを手配していたとのことだ。通りで誰もいないわけだ。で、新しく入ってきた人も、おそらく手違いによるものらしい(笑)。
 
 彼はドイツ人で、1人でロードトリップをしている。色んなところを自由に巡っており、おすすめの場所や、ロードトリップをする上でおすすめのアプリを教えてくれた。電気関係の技師で、ドイツでは大きな会社に勤めており現在も休職という形で給与をもらっているらしい。羨ましいです・・・。
 
 折角なので、一緒にパブでビールでも飲むことになった。彼は、高校で技術を学びながら、会社でも働いていたとのことだ。そして、高校を卒業した後も関連する勉強を続けてきたという。写真を見せてもらったのだが、身の回りの色んなものを自分で作ったり直したりするのが好きとのことだ。今、オーストラリアで旅をする上でも、バンを旅しやすいようにいじったり、色んな機材を使って映像を撮ったりしている。彼は、旅も好きとのことで、今まで旅した中でもお気に入のアイスランドへ行った時の体験や写真を詳しく説明してくれた。自分で道を切り拓き、そしてそこに創意工夫を与える彼から学ぶことしかない。彼は「田舎者だから、こんなの普通だよ」と言っていたが、尊敬の念しか感じない。真反対の自分だからこそ、こういう人間になりたいものだと思う。

さらばエアリービーチ

 昼発のバスを予約したので、ある程度余裕はある。初日にWoolworthで買った残りがあったので、それを朝食にしてチェックアウト。現金がないので、日本円を豪ドルに変えようと思っていたのだが、エアリービーチでは両替できるところが無いらしい。旅行者の町なので一軒くらいはあるかなと思っていたが当てが外れた。外貨両替はやはりある程度規模のある都会でしておくことが鉄則だなと思う。
 
 ちなみにエアリービーチも南回帰線より北に位置する町なので、ホスピタリティでのワーホリのセカンドビザを取ることが可能だ。大通りを歩いているとレジュメを片手に持っている若者を何人か見かけたし、ワーホリでホスピタリティ系の仕事が回っているんじゃないかという雰囲気はある。海も近く、ツアーも盛んなので、そういう仕事を探している人には最適かもしれない。ただ、知名度は高いが町自体はめちゃめちゃ小さいので、仕事探しの難易度は結構高めなんじゃないかなとは思った。

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