目を覚ませど、歴史は黙す
耳を守るため 音を探し
眼を守るため 盾を探し
負った傷を 知恵に換えども
身体の中身は擦り減っていく。
悔やむことが多すぎる。
あの場面、これがあったら。
その場面に立ち会えたなら。
…………物語として この世を見るほど、
僅かな揺れすら
欠けると 先の
奇跡を 消してしまうと実感する。
生き延びること。
覚悟すること。
なれるようにしか、なれないと
自分に 聞かせ 進み続ける。
…………それでも脳裏に木霊するのは
もし、あんなことが起きなければ………
あるいは しなければ、 言わなければ……
言われなければ…………………………………………
現実だけは嘘をつかない。
それでいて、幻想も理想も
眺めようと 自分の眼は
欲に眩んでいた。
幼き日の自分を憎む、
役目を終えた 骨身が眠る。
彷徨うとも 流離う とも
言えず、
身体の痛みに屈する 残骸でしかない。
それでも 根は 負けず嫌いなのだろう。
「まだ終わってたまるか」と
名前を持たない 欠片が 語る。
まだ願いは 6割
4割ほどは 叶った のだろう。
まだ、願いを失わずに
進んでいるのは
負けども 負けども 諦め悪く、
先を眺める 性ゆえか。
まだ 冬越え は 始まったばかりだ。
残骸に過ぎずとも、
暖を取りつつ 眠りに戻る。
その日の終わり を 認めるように