獄門島
昨夜の水曜日のダウンタウン、おもしろかったです。
前回大好評だった「名探偵津田」の第二弾。ストーリはよく練り込まれていて、規模も大きくなっています。見ごたえがありました。
基本的なコンセプトは前回と同じです。ニセロケの現場で、芸人が事件に巻き込まれて、それを(図らずも)解決していくというもの。
3層構造になっています。
企画を考えた作家さんも凄いですが、おそらくは主人公となる芸人さんの人選が一番大切ですね。
現場の状況を察して、ノリノリで対応されても、面白さは出ないです。あそこは、嫌がるのが正解。嫌がるほど面白いです。さりとて、ガチで嫌がられても、ドラマとして成立しません。さじ加減が重要です。
「いい感じの文句たれ」津田さんの人選は絶妙でした。
登場人物が「素人ぽさ」を出しつつも、適度なリアリティを感じさせるのも心地よかったです。棒読みに近いセリフは素なのか、演技なのか知りませんが。
ナビゲート役の女性が、特に有能でした。誘導尋問を繰り出して、推理を導くというミッション、あれは相当難度が高いはず。津田さんのポンコツさと、ナビ役の女性の有能さは、良いコンビでした。
元ネタは、横溝正史ですね。私は「獄門島」のテイストを感じました。
主人公が旅先で事件に遭遇して、成り行きで巻き込まれる。無事に事件を解決して、その地を去っていく。フォーマットは本家、横溝正史と同じです。
「獄門島」は横溝正史の代表作とされ、日本の歴代推理小説でもトップを争う名作とされます。金田一耕助には珍しく、淡い恋愛をすることでも知られますが、「名探偵津田」でも、それらしき恋愛シーンがありましたね。
もともと、海外にはマザーグースなどの、童謡を下敷きにした推理小説があります。あのアガサ・クリスティーも手掛けています。
「獄門島」では「童謡」ではなく「俳句」が取り上げられました。
俳句の季語に関する「季違い」という言葉で読者をミスリードさせるというのが、作品の核心のひとつで、「獄門島」は夏井いつき先生もビックリの俳句が主役の推理小説です。
「名探偵津田」が「獄門島」の影響を受けているのは、なんとなく感じるので、普通に考えれば、「名探偵津田」の重要なポイントは「手毬唄」にありそうです。
「獄門島」と同じ手法で、手毬唄の「歌詞」を誤読させている気がします。
事件の全貌を知ったうえで、あらためて手毬唄の歌詞を読むと「あ、そうだったのね」でストンと落ちるパターンかと。
「獄門島」の良質なオマージュじゃないでしょうかね。