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ロングセラーのものには理由がある

普段、iittala(イッタラ)という北欧食器を使っている。
私はこのブランドをとても気に入っている。
まず、無駄のないデザイン。
直線的で、一歩間違えると無骨になってしまいがちなデザインが、
なんともいえない絶妙なエレガンスさを醸している。
次に、色。
私は白が特に気に入っているのだが、
真っ白ではなくて、少しだけアイボリーよりの温かみのある白。
これがなんとも食材の色合いとマッチするのだ。
何気ないグリーンサラダなども、
とても美味しそうに見えるから不思議だ。
そして、素材。
他の食器と比べて明らかに違いを感じるのは、茶渋が付着しにくいこと。
釉薬の具合なのか、茶渋がほとんど付かない。
ささっと水洗いをしたら、つるんと簡単に汚れが取れてしまう。
重さも絶妙だ。
最後に、口当たり。
マグカップなど、直接口に接する部分の滑らかさは感動級だ。
そして、角度に至るまで完璧である。
毎日使っていると、あまりに馴染んでしまって
これらのことは特に意識していないが、
昨日、改めてiittalaの良さを再確認する出来事があった。

普段使いのiittalaのマグカップを洗うのを忘れていたので、
渋々別のマグカップにコーヒーを淹れていた。
机の上で作業をしながら飲んでいたのだが、
ふと、ほんの指先がマグカップの端に触れた。
すると、いとも容易くマグカップが倒れてしまった。
机の上は水浸しに・・・。
私は割と慎重派のためか、
あまりこういうことは普段の暮らしでは起こらない。
それにしても、こんなに簡単にカップが倒れてしまうとは。
倒れたマグカップを手に取ってしげしげとしばらく眺めていた時、
倒れた理由がわかった。
底の部分が細く窄んだ形になっており、座りが悪いデザインだったのだ。
形はとても可愛いのだが、実用性は少し欠いてしまう。
その点、iittalaのカップは一度も倒れたことがないな・・・。
そうなのだ。
iittalaのカップは、一流のデザイナーによって綿密に計算されている。
そして、全てにこだわり抜いた結果の製品が世界中に流通している。

iittalaの製品に限らず、一流と呼ばれるもの、
ずっと昔から変わらず人気があるものには、ちゃんと理由がある。
すべてにこだわり抜かれた良さがある。
そして、飽きることがない。
それらは、決して安いものではない。
けれども、ずっとずっと長きに渡って良さが追求された製品は、
そうでない製品と明確な違いがある。
それは、想いと時間だ。
作り手の人たちの想いというものは、必ず使い手にも伝わる。
今回のように、わざわざ理由を探ろうとしなくとも、
なぜかずっと飽きることなくお気に入りで使い続けているもの。
これらのものは、紛れもなく、
作り手の想いと、大事に継承されてきた伝統、
私たちが生きるうえで大切にしたいものが
すべて詰め込まれているのだ。

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