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なぜ「歩くソースカツ丼」が、福井県で「サバエドッグ」と呼ばれているの?
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ご当地グルメと呼ばれる商品の中には、名前を聞いただけではどんな商品なのか見当もつかない品がある。佐賀県の「シシリアンライス」しかり香川県の「かっしゃ焼」しかり。筆者の故郷、福井県にもまさにそんなB級グルメが存在している。その名も「サバエドッグ」だ。
サバを挟んだホットドッグじゃない!
想像もつかないだけならまだしも、この名前だと「魚のサバ」「ホットドッグ」が中途半端に連想されてしまうのだから始末に負えない。東京から友達が遊びにきて、この名をグルメガイドブックなどで目にすると「シーフードを使ったホットドッグでしょ」。したり顔でそう言われてしまうのだ。ところがこれが全く違う。手にすると「えっ!?」とみんなが驚く一品なのである。
由来や素材を語る前に、まずは販売先へ行って食べてみよう! それが「サバエドッグ」を理解してもらう一番の早道だ。この商品を開発したのは鯖江市にあるお肉屋さん「ミート&デリカ ささき」。
お肉屋さんなので、もちろんいろいろなお肉を売っているのだが、トンカツやコロッケなども販売されており、その中にザバエドッグも並んでいる。早速一本注文。5分ほどでカラッと揚がり、不思議な専用の紙コップにドボンと入れられた状態で渡された。
中身は、割り箸に、きりたんぽのようにご飯を巻き、それを薄くスライスした豚肉で巻いてカラッと揚げたもの。持ち運びやすく、食べやすい。ちなみに、カップにも書いているように、商品のキャッチフレーズは「あるくソースカツ丼」。地元の洋食屋や食堂で愛されている「ソースカツ丼」を携帯できるようにと考案されたものである。
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米は福井県産コシヒカリ、豚肉は国産豚の肩ロース肉
そもそも「ソースカツ丼」とは何か? 卵とじの一般的なカツ丼とは異なり、甘辛いソースに浸した薄切りのトンカツをシンプルにご飯にのせた丼で、福井の名物料理のひとつなのだ。
全国的にカツ丼といえば玉子カツ丼。しかしここ福井県では一味違って「カツ丼=ソースカツ丼」がポピュラー。薄くスライスした豚肉を揚げ、特製のタレに浸し、タレをまぶしたご飯の上に乗せるだけである。
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作り方はシンプルなのに、食欲をそそるフルーティなソースの香りとジューシーな肉汁は、まさに一度食べたら忘れられない味。そんな「ソースカツ丼」を携帯化したものが、今回紹介した「サバエドッグ」といってもいいだろう。
つまり、エリアのご当地グルメである「ソースカツ丼」を、よりリーズナブルに、よりお手軽に、食べ歩きできるようにファストフード化した一品なのである。と言っても、素材には徹底的にこだわっている。お米は福井県産コシヒカリ、豚肉は国産豚の肩ロース肉を使用。酸味と甘みの利いた自家製ソースが味の決め手だ。
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多い日には1日に500本も
2010年6月の発売以来、多い日には1日に500本も売れる大ヒット商品に成長。揚げたての「サバエドッグ」を自家製ソースにたっぷりくぐらせ、紙コップに入れて販売されるユニークなスタイルが好評で軽食にもピッタリと、若い世代から口コミで広がり、TVで紹介されたこともあり、一気に大ブレイクしたのである。
ちなみに、「サバエドッグ」という何ともキュートなネーミングは、鯖江市長によるものだとか。今やエリアでは知らない人はいないほどの大人気グルメだが、まだ全国区の知名度は低く、その名前から前述した「魚のサバを使ったホットドッグ説」が流布しているようだ。
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しかし、このポータブル感と腹持ちの良さ、そして1本250円で食べられるソースかつ丼というコンセプトから、だんだんとその知名度も上がってきている。福井県が誇る新進気鋭のB級グルメ、チャンスがあれば是非一度、味わってほしいです。