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#5 非日常

この夏は香川県は小豆島にいました。
人が少なく静かなこの島は、わたしにぴったり。
海も山も空も、ずっとわたしの傍らにいてくれた安心感からか、年甲斐もなくはしゃいでしまいました。

正午。砂浜に腰を下ろし、行ったり来たりを繰り返す波の周期に少し酔ってきたので、もっと遠く沖のほうに目をやると、魚が飛び跳ねた。時折、跳ねる魚に驚いては、またその姿を期待して、ついには瞬きを忘れ、海面を凝視する眼光はハンターになっていたでしょう。

定番の貝殻拾いでは時間を忘れ作業をしました。
夢中になりすぎて、日焼け止め交じりの白濁した汗が、体内の老廃物を引き連れて絶え間なく流れ落ちていく。これまでの人生で最大のデトックスを経験。

少し高いところから海が見たいと、30m先にあるテトラポットを目指してよーいどん。
走り方を忘れてしまったわたしの身体は、想像以上に重かったな。
テトラポットは、フナムシの住処となっていたので、彼らに遠慮しつつも一歩足を踏み出したかけたその瞬間、無数のフナムシが〝ざわざわ〟通り道をつくってくれました。お陰で爽快に登頂成功。
その眼下に広がる海は、濃淡がはっきりしていてその色は何とも形容しがたい美しさであったことは忘れません。

暖かく包み込んでくれるサンセット。
ここ最近センチメンタルなわたしは終始やられっぱなしでした。

どなたが夜空に魔法をかけたのでしょう。主張が激しい星々が一番を競うように輝きを放つ様は圧巻。

日常があるから非日常を味わえる。

真っ赤になった全身は島をしっかり蓄電できた証だろう。


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