#068 問題行動における生徒指導で大切な3つのこと
生徒指導主任として、研修を受けたり実践を行ったりする中で、問題行動における生徒指導で大切なことが分かってきた。それは、①傾聴②質問③伝達である。以前は、子供に寄り添って話を聞くことが大切だと思っていた。傾聴することは大切であるが、それだけでは解決しないし子供の気付きや成長も促せないということに気付いた。今回はこの3つを行う際、大切にしていることをまとめてみる。
①傾聴する
問題行動が発生し、子供と話をする際、初めは傾聴に徹することが大切である。まず、こちらの考えや思いは置いておき、その子に寄り添って話を聴く。
〜留意点〜
・カウンセリングマインドで。
・寄り添って聞く。
・受容する。
・全肯定の態度を示す。
・否定はしない。
・話を最後まで聞く。
②質問する
傾聴し、子供に寄り添ったら事実や現状を的確に把握するための質問力が求められる。的確な聞き取りが行うことで今後の対応が見えてくる。質問する内容は、5W1H(いつ・どこで・誰が(と)・何を・なぜ・どのように)とその子の思いを聞き漏らさないようにする。漏れがないようにメモを取りながら質問することも大切である。ただし、メモに注視することがないよう気をつけたい。
〜留意点〜
・5W1Hをもらさないで聞く。
・児童生徒がどう思っているか聞く。
どうした?
どうしてほしい?
どうなるとよい?
どうすればいいと思う?
③伝える
教師の考えを伝えることを忘れてはいけない。子供の話を傾聴し、質問するだけでは、子供に気付きが生まれなかったり気付いていても行動変容させられなかったりする。
いじめ行為など他者がいる場合は、「傾聴」「質問」「伝える」場面を分けて行う必要がある。
〜留意点〜
🆖それは間違っている。
🆖そういう時はこうすべきである。
→(私は)〜と思う。〜と感じる。
→(教師として)〜したい。
→(学校として)〜する。〜ができる。
※I(アイ)メッセージが基本である。
+1 意識したいこと
指導の際に、行為(家出、自傷行為など)について指導したくなるが、ここで意識したいのは『行為』ではなく、行為に至った『思い』について話をすることである。『行為』だけを切り抜くと、「いけないこと」である。ただ、「いけないこと」は子供も分かっている。分かっているが、そうしたくなる(せざる終えない)背景や「思い」がある。その背景や「思い」を理解しないと指導の効果はない。
「思い」を認めつつも、発散方法として別の手段がなかったのかを共に考えることができる教員でありたい。
まとめ
私は、生徒指導に置いて傾聴がすべてだと思っていた。しかし、生徒指導主任として同僚に助言する際に「傾聴に徹する」とアドバイスしていたが、それでは子供の変容が見られないことに気付き始めた。そこで、自分の実践を振り返ってみると、無意識のうちに傾聴以外のことを行なっていることに気付いた。それが「質問」と「教師の考えを伝えること」だった。子供に寄り添う・聴き取る指導となると「ただただ、聴く」という誤解を招いていた。大切なのは、子供の思いを聴き取る質問力であり、子供に気付きを生ませる伝達力なのである。
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