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#026 とにかく仕組み化④比較と平等

「とにかく仕組み化」(安藤広大著)の第4弾は「比較と平等」である。学校は小さな社会である。「比較」はつきもの。避けるのではなく正しく比較することで、本当の意味での「平等」につながる。それが、個に応じた支援に向けた一番の近道となる。

「比べること」から逃げていないか?

 人間は比較してしまう生き物である。その前提に沿って「仕組み」を作る方がよい。
 学校では、個人内評価、絶対評価など他の子と比べることを悪とする雰囲気がある。絶対評価の価値は、私は認めているが、雰囲気として「他者と比べてはいけない」という感じがする。もちろん、「個人は唯一無二、存在自体に価値がある」と私は思っている。しかし、どうしても他者と比べてしまうのが人間である。だから、無理に比較させないようにするのではなく、正しい比較のもと個人を評価する仕組みを作らなくてはいけない。
 その際、比較基準が明確であったり、成果を正しく認められるようにしなくてはいけない。

「環境への言い訳」を認めていないか?

「条件がよくなかったから」「状況がよくなかったから」などと言い訳を許してしまってはいないだろうか。こういった言い訳を認めてしまうとルール(仕組み)が機能しなくなる。許してはいけない。叱責することを求めている訳ではないが、正しく評価を下すことが大切である。
 子供達に対して、そのような態度をとってしまうと「冷たい」「冷酷だ」などと思われるかもしれない。しかし、正しく評価せず条件を変えてしまう方が結果的に「頑張らなくてもよい」「言い訳を探そう」と間違った力を育ててしまうことになってしまう。
「環境への言い訳」ができなくなるように、仕組みを作り明文化することが大切である。

「人間関係の問題」を生み出していないか?

 仕事の悩みは「人間関係の問題」からくる。能力があるにも関わらず、「上司が嫌だから」「この人のためには、力を発揮できない」などの問題が生じることがよくある。「環境への言い訳」に類似するところもあるが、ただ「仕事に集中できる」環境にするために組織を仕組みによって作っておくことが大切である。
 学校は、人間関係を学ぶ場でもある。だから、特定の人間関係だけを組織し、学習させ続けることは問題である。しかし、こういったことを踏まえ、今は新たな人間関係を築く段階なのか、人間関係の問題を排除し大きな課題に取り組ませ能力や自信をつけさせる場面なのかを判断し、仕組みを作っていくことが大切である。

「マイナス評価」を受け入れられるか?

 成果を上げなくても「結果ではなく過程が大切」などといって良い評価することは「頑張らなくてもよい」と伝えているようなものである。成果が上がっていないときに正しい評価を下せるようにしたい。
 教育においては、「結果より過程が大切」と言われることが多い。その点に関して自信をつけさせたり自己肯定感を高めたりさせるために大切だと思う。しかし、あまりにも「結果より過程」を強調してしまうと「頑張らなくてもよい」と誤学習する。また、社会に出ると「過程より結果」である。全て結果で評価されることがある。その意味でも「マイナス評価」を下せるようにしたい。

まとめ

 今回は、学校や教育現場においてそのまま応用することが難しいと感じた。成長過程における子ども達にとって仕組みだけで進めていくことは危険である。柔軟な対応が求められる。しかし、「これが本当によい対応なのか。」「仕組みを変えることで、子ども達が成長できるのではないのか。」といった視点を大切にしていきたい。

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