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#016 読書記録(1分で話せ)

 夏休み2冊目は「1分で話せ」(伊藤羊一著)である。この書籍が気になったきっかけは、私の話し下手さにある。教師として、話す機会は多い。いつもダラダラと話をしてしまい、「先生=話が長い」となってしまっていないか心配になっていた。そんな時に、「1分で話せ」が目に飛び込んできて、即購入していた。
 今回は、本書の中で私が特に大切だと思った部分を三つに絞って紹介する。話し方のバイブル的な著書になっているため、気になった方はぜひ手に取ってもらいたい。

動かしてなんぼ

 本書では、「話をする目的は相手に『伝えること』ではなく、相手を『動かしてなんぼ』」と記されていた。私は、自分の思いを伝えることを重点に置いていたと反省した。話をすることで相手が変容することが大切だが、『伝える』ことに必死になって『動かす』という視点まで及んでいなかった。だから、自分の思いをが先行するだけで、相手がどう思っているかを考えることができていなかった。
 ただ、本書では話に自分の思いをしっかり乗せることが重要だと書いてあった。話をするからには、その道の専門家(プロ)として自信を持って話すことが大切である。「上司の命令だから」、「研修会で依頼されたから」などの理由で、「とりあえず」というような感覚で話をされると聴衆はかわいそうだ。もちろん、そんな話に魅力を感じず、聴衆の興味関心は薄れ、態度に出る。そんな姿を見ると話し手も自信をなくす。人前で話すからには、一番の専門家として自信と思いを持って、態度に示すことが大切である。

俯瞰で見ながら話す

 二つ目は「俯瞰で見ながら話す」である。俯瞰で見るとは、自分の姿だけでなく聞き手の姿まで俯瞰して客観的に見ながら話をするということである。私は、自分の姿を客観的に見て話をするように気をつけていた。しかし、聞き手の様子やその場の雰囲気までを客観的に見るという考えは持っていなかった。確かし、自分の話を聞いている相手の様子まで客観的に見ることができると、話し方の質は、さらに向上する。
 全体の前で話をする際には、壇上の下見だけでなく、聴衆の席に座って壇上を見ることも大切である。聴衆から壇上はどのように映っているのか、椅子の座り心地はどうか、などそういった部分まで知って初めて、聞き手の状態を俯瞰で見ることができるのである。

結論で挟む

 三つ目は「結論で挟む」である。話が長くなってしまうパターンとして、思いついたことをダラダラと話してしまうことがある。準備もせずに、こうなってしまうのは問題外だ。しかし、準備をどうしていいのかわからない場合「結論で挟む」ことを意識してもらいたい。
 具体的には、「結論ー根拠1(事例も)ー根拠2(事例も)ー根拠3(事例も)ー結論」の構成である。初めに、自分の伝えたい結論を述べる。その後、そのように考えた根拠と事例を三つほど(事例が多いと話が長くなるが、少ないと説得力にも欠けるため、三つくらいが良い)述べ、最後にもう一度、結論を言って締めくくる。他にもPCSF「問題(P)ー変化(C)ー解決策(S)ー未来(F)」の組み立てなども紹介されていたが、分かりやすく「結論で挟む」ということを意識して話を組み立てていきたい。

まとめ

 今回は、相手に伝わる話し方を習得したいと思い「1分で話せ」(伊藤洋一著)を手に取り、まとめてみた。まとめながら気づいたことがある。それは、「小学校国語の授業で習うこと」ということだ。話す聞く単元では、必ず「目的(動かしてなんぼ)を意識して話を組み立てる」「相手の反応を確かめながら話す」「はじめと終わりの自分の主張を述べる」と教えてきた。もちろん、本書を手に取らなかったら、そのつながりに気づくことがなかったため、本書を読んだ価値はあった。基本的に小学校で大切とされていることが基礎となっている。
 小学校で習うこと(教えること)は、やっぱり社会生活を送っていく上で重要である。そのことをしっかり押さえて教育するだけでなく、自分自身も磨いていくことができる。この職業はやっぱりすごい!
 話が逸れてしまったが、今後は、本書で学んだ三つのことを中心に話し方を改善し、相手を動かせる話し手になっていきたい。学校には、それを実践する場が多くある。子供達に会うのが楽しみになってきた。

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