見出し画像

蓮ノ空(リンクラ)の聖地、金沢を行く【後編】

冒頭からこんな事を書くのもどうかと思うが、後半の聖地巡礼は残すところ一ヶ所しかないのだ。

そもそも前半においてもショップを除けば二ヶ所に留まり、巡礼と言いながらも訪れた場所は僅かに三ヶ所という少なさである。
これには一応理由もあり、まずは蓮ノ空そのものがまだ始まったばかりであること
そして次に、蓮ノ空はアニメーション作品ではないということだ

蓮ノ空のメインはソーシャルゲームであるLink!Like!ラブライブ!(通称リンクラ)であり、同ゲームにおけるストーリーパートは従来から存在するビジュアルノベル形式なのである。
いかに背景に実在の場所を用いているとはいえ、アニメーションで観る時ほどの強い印象は受けにくい。

ストーリーパートにおいて登場した舞台も含めて聖地巡礼している人のマップを参考にさせてもらったが、なるほどよく見ているなと感心したものだ。


地鶏中華そば一二三屋

近江町市場を後にした私は、車に乗り込みラーメン屋へと向かった。
徒歩で容易に移動できる駅前周辺はどこも混雑していたが、この観光客の多くは鉄道利用者だという事は想像に難くない。

つまり、車で行くような駅から少し離れたお店のほうが空いているのではないかと考え、早々と駅前から退散したのだ。

向かったのは金沢駅から2kmほど東にある醤油ラーメンのお店、地鶏中華そば一二三屋だ。
私好みのあっさりしたスープの醤油ラーメンで、チャーシューもとても美味しい。
三流のグルレポで申し訳ないが、とにかく美味しかった。

ごちそうさまでした
めぐちゃん、醤油ラーメンだよ…
徒歩の観光客が来るような立地ではないことが幸いした

卯辰山公園

バーチャルスクールアイドルプロジェクトが発表された際、最初に発表されたキービジュアルイラストに描かれていたのが卯辰山公園の見晴らし台だ。

まず、イントロダクションとして公開された文章を公式サイトから引用しよう。

石川県金沢市から奥まった場所で、蓮の花の咲く湖の傍らにある私立蓮ノ空女学院。

蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ公式サイトより

この文章を読むに、奥まった場所というから市街地からかけ離れた場所にあるのかと思っていた。

しかし、仮に蓮ノ空女学院の所在地が卯辰山公園付近にあると推定すると、市街地からの直線距離は大したことがないように見えるのだ。
そのため、やや誇張した表現ではないか等と思っていたのだが、その私見は半分は正解であり、半分はハズレだったのである。

この点については後ほど詳しく書くとして、まずは引用した文章から推察する蓮ノ空女学院の位置について軽く考察していきたい。

卯辰山公園と金沢駅及び兼六園との位置関係

河北潟

先の蓮ノ空女学院の説明では、当該校は「蓮の花の咲く湖の傍らにある」とされている。
しかし、どれほど探しても卯辰山公園の付近には湖沼は見当たらない。

最初に蓮ノ空を知った時は大して気にもならない点だったが、地図を眺めていると湖沼があることに気が付いたのだ。
河北潟かほくがたの存在である。

金沢市の北部と河北郡内灘町に跨る湖で、現在は往時の半分以上が干拓されて規模を縮小している。
衛星写真を見ると、一区画あたりの面積が広く人工的に仕切られた田畑等が広がっている平地部分がはっきりと分かる。
これらの特徴は、干拓されて出来た農地に見られるものだ。

卯辰山公園と河北潟との位置関係

河北潟の干拓史について詳細は記さないが、かつては蓮湖れんこと呼ばれていた程、蓮の花が有名な湖であったという。
また現在においても周辺では蓮が植えられているようであり、毎年7月に見頃を迎えるそうだ。
つまり「蓮の花の咲く湖」とは、河北潟のことを指していたのだろう。

しかし、キービジュアルや劇中での山中にあるという描写などからして、蓮ノ空女学院の推定地は卯辰山公園付近である可能性が高い。
それを考慮すると、河北潟の距離はかなりの距離がある。
少なくとも「傍ら」などと呼べるような距離感とは、およそ言い難いのだが、今回の考察でなぜ金沢で「」なのかという点が分かったので良しとしよう。

なお、今回私は河北潟には足を運んでいない
話が脱線しすぎたので、そろそろ元に戻そう。


見晴らし台

ついに聖地に到着した。
金沢ゲーマーズに当初のキービジュアルが展示されていたので、比較のためにその写真を貼っておこう。

間違いなく聖地だった。
今回訪れた場所で、もっとも聖地だという実感が湧く場所だと思う。

めぐちゃん、見晴らし台だよ…

公園の全体図はこのようになっており、こじんまりとしていてさほど広くはない。
駐車場や道路からの距離も離れていないため、その点においては気軽に訪れやすいと言えよう。

金沢大学及び金沢美術工芸大学が見える
駐車場
入口

交通手段について

ラブライブの聖地といえば、ラブライブのグッズを持ち歩き一目でラブライバーと分かる人たちが大なり小なり居るものだ。
しかし、ここについてはライバーは殆ど見かけなかった。

厳密に言えば、私の先客として若い男性が一人で来ているのを見かけたので、恐らく彼はライバーだと思う。
聖地巡礼でもなければ、このような場所に男一人で訪れたりしないだろう

卯辰山公園の見晴らし台は先述のとおりキービジュアルとして使用されており、蓮ノ空の聖地として最も印象に残る場所と言っても差し支えない場所である。
そうであるにもかかわらず、なぜこれほどまでにライバーが少ないのか
その理由は、ひとえにアクセス性の悪さに尽きるだろう。

直線距離では市街地から非常に近い同公園であるが、見晴らし台まで辿り着くためにはヘアピンカーブが連続するような道路をひたすら登っていかなければならない。
もはやこの時点で自動車は必須であると言っていい
なぜなら、普段から山岳道路を走行しているような人でなければ、自転車でここを走るのは相当キツイことは想像に難くないからだ。

登山道のような道を使えば徒歩でも行けそうではあるが、麓もそれなりに市街地から距離が離れているため、あまり楽ではないだろう。

残るは公共交通機関だが、なんと一応路線バスが通っているのだ
一筋の光明の如き情報かもしれないが、その時刻表は無慈悲極まりないものだった

どういう需要があるのだろう

平日の金沢駅行きの便が一日あたり3本、土日であればたった2本という有様である。

今後も蓮のファンは順調に増えていくと思うが、卯辰山公園を聖地巡礼に含めるならば自家用車で来ることを勧める
どうしても公共交通機関で金沢まで来るという人は、公園まで行く際は大人しくタクシーを使ったほうがいい


ここまでが、ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの聖地巡礼記録だ。
残りの半日は数カ月ぶりに再開した友人との記録であり、金沢のあまり知られていないとある場所について書こうと思っている。

いいなと思ったら応援しよう!