能登半島ほぼ一周!夏の能登、加賀、越中道の駅スタンプラリー旅④
一泊二日となった道の駅スタンプラリー旅も、いよいよ後半戦に突入だ。
宿泊のために越中(富山県高岡市)まで来たが、再び能登へと舞い戻る。
ここでいう能登というのは旧令制国における能登国という意味だ。
このあたりの地理上の分類がややこしいのだが、能登半島の大半は石川県に属しているものの、その一部は富山県に属しているのだ。
能登半島の東側の付け根部分にあたる地域は旧令制国における分類でも越中国とされており、現在は氷見市となっている。
要するに、能登国=能登半島ではないというわけである。
このあたりは実際に訪れてみなければ、境目が存在することへの実感も湧きにくいところがあると思う。
今回はそんな氷見市からスタンプラリー旅が始まる。
二日目(8月13日)
高岡市街地
当日の夕方にいきなり宿泊先を探して泊まるという、かなり無計画な宿泊が成功してしまった。
旅番組などでしばしば行われている事だからやろうと思えば出来るのだが、実際に自分で経験した方が実感が湧くというもの。
もちろん、こういう飛び込みのような宿泊は料金もお値打ちではないが、こうした突発的な予定変更でも対応出来るものなのだという成功体験を得られた事への充実感を感じずにはいられなかった。
こんな行き当たりばったりの旅もいいかもしれないな…。
この成功体験から多少の予定変更は何とでもなると強気になった私は、11月初旬の三連休の日にも同様に急遽予定を変更して宿泊をしようと試みたのだ。
さて、肝心な結果についてだが、結論から言うと完全に失敗した。
宿泊先を確保することは出来ず、不幸にも事故により高速道路は一部通行止めになってしまい帰宅という名の退路は断たれ、最終的に仮眠をしながら迂回ルートを夜通し走行して帰路に着くという地獄のような経験をする事になった。
まさか一年も経たぬうちに成功と失敗をそれぞれ経験する事になるとは思わなかった。
天国と地獄といったところだろうか。
この時の詳細は、あらためて記事にしようと思っている。
失敗談はそこそこにして、高岡市街の話を少しだけしよう。
富山市内では富山ライトレールと呼ばれる近代的な路面電車が運用されていることが有名だ。
しかし、富山第二の都市である高岡でも路面電車が運用されていることは知らなかったので驚いた。
こういう普段の日常で見ないものを見られるだけで、非日常感を感じられるので旅に来たのだという実感が湧く。
氷見海岸
富山湾に面した海岸で、海水浴客らしき人も見かけた。
綺麗な海の割にはそれほど賑わっていないように思えたが、後ほど調べてみたところ、ここよりさらに南方に大きめの海水浴場があることが分かった。
この周辺は駐車場も少なかったし、きっとそちらがメインなのだろう。
氷見漁港
漁港に用事などないので訪れる予定は無かったのだが、道の駅だと思った建物が道の駅ではなく、挙げ句の果てに適当に走ったら誤って漁港内部まで進入してしまった。
位置を確認するために車を停めてみると、思ったよりも景色が良かったので少し写真を撮影していくことにした。
こちらは道の駅氷見まで行ってから、比美乃江大橋及び氷見漁港方面を撮影したものだ。
写真を撮っていると、陸地からさほど離れていない場所にぽつんと浮かぶ小島を発見した。
拡大してみたが、方角もよくないのか人工物などは見えなかった。
帰宅してから調べたところ、この島は唐島という名前が付けられた無人島であることが判明した。
島内には弁天堂などが設けられており、現在は寺が所有しているため許可なく上陸することは出来ないそうだ。
氷見漁港の守り神として古くから信仰を集めている島なのだという。
道の駅氷見
氷見と言って真っ先に思いつくのは、やはり氷見の寒ブリだろうか。
寒ブリに限らず港町ということで海産物が豊富にあり、ここ道の駅氷見でも海産物が多く販売されていた。
道の駅としての規模はかなり大きめで、先述した水産物の販売以外にも多数の飲食店やお土産売り場があり、駐車場も広めに確保されていた。
この建物は天然温泉の足湯が楽しめるのだが、真夏の時期に足湯に入る気にはなれなかったので入らなかった。
時間的に余裕がなかったという事情もある。
実は私は水産物よりも肉寿司が食べたかったのだが、あいにく営業時間前で食べることが出来なかったのが残念だった。
道の駅と道路を挟んで向かい側にあるのは、天然温泉総湯という日帰り温泉施設だ。
もう少し早くホテルを出ていたら、ここで朝風呂に浸かるのも良かったかもしれない。
道の駅のと千里浜
富山湾に面した氷見市から山を越え、能越県境を越えて能登国へ戻ってきた。
場所は中能登地域にあたる羽咋市だ。
到着したのは9時40分ごろだが、実はこの時までまともな朝食を取っていなかった。
食べたものといえば、ホテル近くのファミマで買ったスパムおにぎりと増量していたファミチキくらいなものだ。
さすがに空腹を感じていると、道の駅の敷地内に多くの出店が出ているのが目に入ったので、何か食べていく事にした。
匂いに惹かれて焼きそばを購入したが、これがなかなかのボリュームがあり、パックの蓋が閉まらないほどの量が入っていたのだ。
この結果、中途半端な時間に中途半端な量のものを食べてしまい、まともな昼食を食べ損ねてしまうといういつものパターンが確定した。
さて、しっかりと腹ごしらえも済ませたところで、千里浜と言えば真っ先に思い浮かぶであろうあの名所へと出発した。
千里浜なぎさドライブウェイ
砂浜というのは、一般的には自動車で走行する事ができない。
その理由は簡単で、車重により砂浜にタイヤが沈み込んでスタックしてしまうからだ。
しかし、そんな常識が通用しない砂浜が石川県には存在する。
それが千里浜なぎさドライブウェイだ。
ここへ来るのは実に9年ぶり、2度目だ。
9年前に走行した時は前日に雨が降った直後だったので、所々に凹みが出来ていて思っていたよりも走行しづらいと感じた覚えがある。
今回はそんな9年前のリベンジでもあったと言っていいだろう。
千里浜なぎさドライブウェイの名が知れ渡ったのはそんなに昔のことではないとあるが、記念碑の建立年月日が刻まれていないので一体いつの時点から30数年なのかが分からない。
調べてみるとバスの運転手のエピソードは昭和30年ごろの事らしく、令和の今からすれば60年以上前の事になる。
紛れもなく昔のことだった。
こちらの石碑は昭和63年に設置されているようなので、先ほどの石碑も同時期に設置されたものなのかもしれない。
能登千里浜レストハウス
千里浜なぎさドライブウェイの北端の入口である千里浜北口で営業している商業施設で、飲食やお土産の購入などが出来る。
要するに昔でいうドライブイン、今で言う道の駅のようなお店だ。
サンドアート
レストハウス付近には複数のサンドアートが展示されており、中には流行り物のアニメのキャラクターを用いたものも見られた。
道の駅高松
千里浜なぎさドライブウェイで砂浜ドライブを堪能した私は、再びのと里山海道を利用して金沢方面へ向かった。
お次の目的地は道の駅高松で、ここはのと里山海道の本線から直接入退出することが出来る道の駅となっている。
要するにこの道の駅は実質的にのと里山海道のパーキングエリアとして機能しており、施設も上下線分離型でそれぞれに設置されていると言うわけだ。
今回は上り線(金沢方面)の施設を利用しており、こちらの施設はのと里山海道を挟んで内陸側に位置している。
そのため、景色という点では海岸線に位置する上り線の施設に比べて見劣りしてしまうのが残念だ。
道の駅内灘サンセットパーク
石川県下最大の湖沼である河北潟から日本海へと注ぐ河北潟放水路の上に架けられた内灘大橋(通称サンセットブリッジ内灘)の袂にあるのが、道の駅内灘サンセットパークだ。
サンセットとあるように綺麗な夕陽を見られることをウリにしており、やたらとサンセットを強調している。
内灘大橋は全長344mの斜張橋だ。
同橋が跨いでいる河北潟放水路は平均標高20mの内灘砂丘を開鑿して作られているため水面との高低差が大きく、見栄えが非常によい。
道の駅倶利伽羅源平の郷
北陸の道の駅スタンプラリーの経過としては、この段階で石川県の道の駅は未踏(厳密にはスタンプ押印未了)の場所が多かった。
対して富山県の道の駅で未踏の場所は残りわずか二ヶ所だったので、こちらからコンプリートを目指すことにしたのだ。
石川と富山の県境には有名な峠がある。
それこそが源平合戦の舞台の一つにもなった倶利伽羅峠であり、そんな倶利伽羅峠を挟んで西側(石川県側)にあるのが道の駅倶利伽羅源平の郷だ。
道の駅の施設としては売店や飲食店のほかに温泉施設もあり、加えて北陸道や倶利伽羅峠に関する資料館も併設された規模が大きめな道の駅だった。
何かと充実している道の駅ではあるが、思ったよりも人はまばらだった。
おそらくその理由は、この道の駅が接続している道路が県道(石川県道286号刈安安楽寺線)であり、北陸のメインルートである国道8号ではないためだろう。
国道8号からここへ向かう場合は少し離れた場所にあるオフランプから県道へ向かう必要があり、有り体に言えば面倒なのだ。
実はこの石川県道286号は国道8号の旧道なので、整備状態は悪くない。
そのため、旧道を使って行くという方法もある(青線)のだが、こちらは津幡町の市街地を通過するためやや分かりにくいのが難点で、いずれも一長一短といったところ。
この火牛は、倶利伽羅峠の戦いの際に角に松明をつけた牛を放ったという故事によるものだそうだ。
ただし、この逸話は中国の故事を使った創作だという話もあるらしい。
中国の昔話を日本の故事であるかのように流用するのはありがちな話だ。
道の駅メルヘンおやべ
再び国道8号を富山方面へ走行していると左側に見えてくるのが、道の駅メルヘンおやべだ。
なぜメルヘンなのかはよく分からないが、可愛らしいキャラクターが壁に描かれている。
角に松明が付いているところを見るに、おそらく先述した倶利伽羅峠の戦いにおける逸話に登場する火牛だろう。
駐車場は広めだが、概ね中規模くらいの道の駅だろうか。
売店のお土産などは充実していた。
鎌松
ロータリーの真ん中に大きな松が一本生えており、下の解説板を見るとその由来について解説がされていた。
解説板によると、願望成就のための願掛けとして鎌が突き刺されてきたのだという。
豊かで安全な現代と異なり神頼みするしかない時代だったので仕方ないのだが、松からするとそんな理由で鎌を突き刺されるのはいい迷惑だった事だろう。
三井アウトレットパーク北陸小矢部
道の駅から出て国道8号へ行こうと思っていたら、東側に巨大な観覧車が目に入ったので車を少し停めて見て行く事にした。
ここは三井アウトレットパーク北陸小矢部という巨大な商業施設で、珍しい事に観覧車が併設されていたのだ。
若い男女はもちろんのこと、子供ウケも良さそうな観覧車というアトラクションを置くことでファミリー層の利用を促進しようという意図だろうか。
アウトレットパークで喜ぶのは大人だけ。
退屈そうにして早く帰りたがる子供が目に浮かぶ。
そんな子供の退屈を紛らわすためにうってつけの代物ではないか。
実際にどのような意図で設置されているのかは知らないが、そんな大人の事情をぼんやりと考えていた。
道の駅砺波
本日最後の道の駅は砺波だ。
特産館であるとなみ野の郷のほか、道路を挟んで向かい側には観光案内所が位置している。
砺波と言えばチューリップの生産が盛んな事で有名だ。
砺波チューリップ公園は道の駅砺波に隣接しており、春にはもっと賑わうのだろう。
そんなチューリップの印象が強い砺波だが、意外な特産品を見つけた
ウイスキーだ。
北陸のウイスキー
市内に蒸溜所があり、それなりに歴史もあるというご当地ウイスキーだったので、せっかくだから買って行く事にした。
もっとも、真っ先にこのウイスキーを手に取った理由は商品名がサンシャインだったからにすぎない。
ラブライバーとはラブライブと何の関係も無くてもサンシャインという言葉には反応してしまう人間なんで仕方ないね。
肝心の味だが、非常に飲みやすく美味しかった覚えがある。
去年になってから色々なウイスキーを飲み始めたので詳しくはないし、食リポ出来るほどの語彙力がないのは恥ずかしいところだが、あまりクセが強くない感じがしたと言えば伝わるだろうか。
富山を訪れた際に見つけたら、是非また飲みたいと思う。
道の駅砺波をもって今回のスタンプラリー旅は終了だ。
一泊二日で合計15ヶ所(石川県12ヶ所、富山県3ヶ所)の道の駅を訪れ、富山県の道の駅スタンプラリーを完遂する事が出来た。
石川県についても、最もアクセスがしづらい奥能登地域にある道の駅については今回の旅で一ヶ所を除き完遂している。
そんな奥能登地域がまさか大地震に見舞われるとは思いもしていなかったので、去年のうちに行っておいて本当に良かったと思わずにはいられない。
那覇の首里城が焼け落ちた時なども思ったが、いつ何が起こるのか分からない。
行きたいと思った時にすぐに行っておかないと後悔することもある。
スタンプラリーの達成感と共に、あらためてそんな事を痛感した旅行だった。
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