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はじめての東北遠征【新潟、福島、宮城編】
今まで色々な場所へと足を運んできたが、その中で全く行けていない地方が二つあった。
その一つは北海道だ。
北海道はあまりにも距離が遠すぎるため、自家用車で行こうと思った場合にとてつもない時間がかかってしまう。
無理ではないが現実的とはいい難く、鹿児島まで自走した私もさすがに音を上げてしまう。
なにせ青森市まで行くだけで鹿児島市へ行くのと大差ない距離を走らなければならないし、そこから函館に行くだけでカーフェリーで4時間もかかるのだ。
たとえ北海道へ自家用車で上陸できたとしても、そこから先の移動時間も問題だ。
例えば函館まで青函フェリーで行けたとして、函館を観光したついでに札幌にも行こうといった事が出来ないのだ。
地図で見ても実感がわかないが、実は函館から札幌までは高速道路で約300kmもある。
その距離は名古屋東京間の距離に匹敵するほどだ。
函館に行ったついでに札幌に行くというのは、名古屋へ行ったついでに東京へ行くと言うのと変わらないくらいヤバい距離なのだ。
そういうわけで、今も北海道へは行けていない。(令和7年2月現在)
もう一つの行けていなかった地域は東北だ。
こちらは陸続きな分だけマシとはいえ、東北地方もかなり遠い。
旧令制国では陸奥国と出羽国にあたるが、陸の奥と書くだけあって畿内周辺からの距離は伊達ではない。
治めていたのは伊達だったが。
そして、何よりとにかく広い。
目的地と目的地との距離が遠すぎて移動時間がかかるため、かなりよく考えて旅行の行程を立てる必要があるのだ。
そういうわけで何度も計画倒れしてきた東北旅行だったが、意を決して挑戦してみることにした。
案ずるより産むが易しという。
行きたいと思った時に行っておかなければ後悔するかもしれない。
東北と言って真っ先に思いつくのは、やはり東北一の大都市仙台だ。
東北初心者ということもあり、まず日本三景の一つである松島や牛たんで有名な宮城へ行ってみることにしたのだった。
間違いないね!
10月6日(初日)
愛知から東北方面へのルートはいくつかある。
今回は東海北陸道と北陸自動車道を使って新潟まで出て、そこから磐越自動車道を経て東北自動車道へ流入するルートを使った。
おそらくこれが最短ルートだ。
別ルートとしては、東海北陸道の代わりに中央自動車道から長野道を経由して北陸自動車道に流入するルートがある。
しかし、中央道は東海北陸道よりも線形が悪く交通量も多いので渋滞するポイントもあることから選ばなかった。
もう一つのルートは関東を経由するもので、東名か中央道で圏央道まで行き、そこから東北道を北進するルートだ。
最も交通量が多く渋滞するおそれがあるほか、大回りをするため距離も長い。
関東圏に寄り道するような格別の事情がない限り利用する必要性はないだろう。
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案の定、東海北陸道も北陸自動車道も快走だった。
敦賀から長岡までの区間の北陸自動車道は交通量が少ないため、めったに渋滞しないのだ。
それゆえにスピードも出しやすいのだが、意外なことに東名や名神を走っている時ほど飛ばしている車はいないのが不思議だった。
もしかしたら警察の取締を警戒しているのかもしれない。
実はこの日、私は富◯県警高速隊の覆面パトカーらしきセダンに後ろからつけられていた。
いつものように追い越しをかけるために追越車線へ車線変更し、スピード違反の取締は受けない程度のスピード(お察しください)で走っていたところ、後ろから白いセダンが走ってきたのだ。
わざわざ車線変更して私のいる追越車線に入ってきた上、明らかにその辺の一般車よりも長めの車間距離をとっていた。
私は警察マニアではないのでパトカーの外観では覆面パトカーかどうかの判別はできないが、車種と車間距離の取り方から7~8割くらいの確率で覆面パトカーだろうと疑っていたのだ。
なぜかというと、警察がスピード違反の取締をする際に後ろから追尾してスピードの測定を行う場合、車間距離を長めにとって計測する傾向がある事を知っていたからである。
理由は色々あるだろうが、おそらく危険だからだろう。
パトカーがスピード違反の速度を測定する際は、赤色回転灯を回転させた状態で走行しなければ違法になる。
そのため、赤色回転灯を見て覆面パトカーであることに気がついた違反者が急ブレーキをかけてしまうと追突事故等につながるおそれがあるからではないかと思っている。
話が少しそれたが、その後しばらくして追越が終わり走行車線へと車線変更してしばらく走行していると、流れが少し悪くなってセダンと並走する形になったので横目で確認してみた。
すると、セダンにはマスクを着用した成人男性らしき人が二名乗っているのが見えたのだった。
コロナがうるさく叫ばれた時期ならともかく、プライベートで自家用車に男が二人乗っていてマスクを付けるような事はさすがにないだろう。
その後富山ICで降りていったが、あれは覆面パトカーだったのだと思う。
間違いなく今回も警察に目をつけられていたのだろう。
有磯海サービスエリア
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ひるがの高原SAの次は有磯海SAで休憩をとった。
現在の市区町村名や町名ではない言葉を使用していて馴染がないが、これは現在の富山湾の事をさす旧名だ。
一応は地名等にあたるし、和歌で何度も歌枕(和歌で用いられる地名)として使われていることから、和歌について知見がある人はピンとくるかもしれない。
こういう所で教養の差がつくのかもしれない。
もちろん私は和歌の事など知らなかったので、教養はない側だ。
名立谷浜サービスエリア
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次の休憩は名立谷浜SAだ。
「なだて」か「なだち」かで読み方を迷うと思う。
所在地としては上越市にあたる。
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高台に位置したSAなので日本海がよく見えて眺望がよい。
海抜70mを越える高所にあるのだが、なんとこのSAにはICが併設されている。
このICで降りると海岸沿いの海抜0m近い国道8号まで行くことが出来、国道8号沿いには道の駅うみてらす名立がある。
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名立谷浜SAに到着したのは10時40分ごろ。
朝食をろくに食べていなかったので、少し早いが昼食をとることにした。
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この日選んだ昼食は、富山名物のご当地ラーメンとして有名な富山ブラックらーめんだ。
濃厚な黒醤油がウリのラーメンだが、巷間で言われるほど塩辛くはなかった。
後で調べて知ったことだが麺家いろはというのは富山ブラックの名店の一つらしく、そんなラーメンをサービスエリアで食べられたことはラッキーだったと思っている。
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栄パーキングエリア
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栄と言っても名古屋市中区の栄ではない。
その名称は平成の大合併で三条市となった旧南蒲原郡栄町に由来するものだ。
上越を通過して長岡JCTを新潟方面へ走行し、そろそろ北陸道の終点が見えてくるところで一旦休憩を取ることにした。
道の確認と言ってもこのまま走行して新潟中央JCTから磐越自動車道に流入するだけなので確認することもないのだが、ここからは一気に福島県まで行こうと思っており、気持ちに区切りをつけるためとでも言えばいいのだろうか。
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西会津パーキングエリア
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さて、いよいよ人生初の福島県に到達した。
ここはご覧の通りお手洗いと自販機くらいしかない小規模なパーキングエリアだが、福島県に足を踏み入れたことに対するちょっとした達成感を感じたくなったので少し休憩していた。
とはいっても撮影するものは特にないので愛車ばかり撮影していた。
天気がよいおかげで青い車体が美しく光っており、我ながらなかなかよく撮れていると思う。
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磐梯山サービスエリア
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会津を走っているとよく目立つ大きい山が磐梯山だ。
その磐梯山に位置している…わけではない。
磐梯山を眺められる位置に立地しているのが当サービスエリアであり、磐梯山よりも少し南側にある山の上に位置している。
そこそこ規模はあるサービスエリアだが、驚くほど利用者は少なかった。
サービスエリアの利用者以前に磐越自動車道の交通量自体がとても少ないのだ。
新潟から会津若松までの区間は暫定二車線で供用されていることからしても交通量はそこまで多くないのは分かるが、尚更それを感じてしまった。
この日が平日だったことも影響している可能性はある。
この地域は観光地や行楽地としての需要が高そうなので、休日にはもう少し交通量も多くなるのかもしれない。
そもそも普段から東西の大都市を結び、尋常ではない量の車両が行き交う東名や名神を利用しているから感覚が麻痺していることもあるだろう。
ただ、太平洋側と日本海側を結ぶ高速道路という観点から東海北陸道と比較してみると、やはり磐越道の方が交通量は少なかったと思う。
東海北陸道が結んでいるのは三大都市圏たる中京圏と北陸であり、新潟と福島を結ぶ磐越道とは大きな差があることを実感せずにはいられなかった。
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さて、こちらは早めの晩ごはん…というには少し時間が早かった。
どちらかというと遅めの昼ごはんだろうか。
この時の時刻は午後2時45分。
中途半端に早い時間に富山ブラックらーめんを食べ、また中途半端に遅い時間に喜多方ラーメンを食べるという健康に悪いことをしていた。
福島県のご当地ラーメンといえば喜多方ラーメンだ。
私好みの醤油ラーメンなので期待したのだが、思ったよりもあっさりしていてあまり印象に残らなかったというのが率直な感想だった。
もっと言えば午前中に食べた富山ブラックらーめんの味やインパクトが強すぎたのもあるのだと思う。
食べる順番がよくなかったのかもしれないが、こればかりは仕方ないね。
道の駅猪苗代
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道の駅の中には「賢い料金」という社会実験を行っている施設がある。
高速道路から一般道にある道の駅を利用する際は、当然だが一旦ICを利用して入退出をする必要がある。
その際に通行料金の計算がリセットされるので、退出した時点で一回の走行とみなされ再度流入すると二回目の走行として取り扱われる。
しかし、当該社会実験を行っている道の駅に限り、特定の条件を満たした場合は一時入退出による料金調整を行い、連続した一回の走行として通行料金を計算してくれるという制度だ。
要するに、条件を満たした場合は一般道にある道の駅をPAやSAとして使うことが出来る制度と言い換えたほうが分かりやすいだろう。
この「賢い料金」に関する件は別の記事で詳しく説明しているので、そちらもご一読いただけると嬉しい。
この道の駅猪苗代も社会実験の対象となっている道の駅の一つだ。
磐越道を利用することは滅多にないので、せっかくだから利用してみることにした。
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猪苗代湖は磐梯山の南側に位置する湖だ。
道の駅猪苗代も湖の近くにあるからか、かなり風が強くて寒かった覚えがある。
磐梯山の風が降りてくるからなのか、遮蔽物のない湖の近くだからなのかは分からない。
あるいは両方なのかも知れない。
アクセスとしては猪苗代磐梯高原ICという長ったらしい名前のICを降りてすぐの場所にあるので、とてもわかりやすかった。
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メンチカツおいしい。
ついさっき磐梯山でラーメンを食べたばかりだと言うのに、またしても食べてしまった。
誘惑によわよわ。
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野口英世生誕の地であり、近くには野口英世記念館があるそうだ。
千円札の顔という印象が強い。
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敷地内を見渡すと珍しいものがおかれていた。
観覧車のゴンドラのように見える。
この時は何のために設置されているものか分からなかったので帰宅後に調べてみたところ、これはかつてスキー場で使われていたゴンドラであり、現在は利用者のための休憩スペースとして活用されているとのことだった。
そんな事を知っていたら、あんな寒い中外に出ずゴンドラの中で少し休憩してもよかったと今になって思ってしまった。
パーソナルスペースを確保できるので、休憩設備としてはとても良いと思う。
国見サービスエリア
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猪苗代を出ていよいよ東北自動車道へ。
東北関東を南北に貫く大動脈なだけあり、磐越道とは打って変わってかなりの交通量があった。
このまま仙台宮城ICまで一気に進んでしまおうかとも思ったが、その前に最後の休憩を取ることにしたのだ。
国見サービスエリアは宮城県境よりも少しだけ南側に位置しており、ここを出たらすぐに福島県とはお別れになる。
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さて、仙台といえば何と言っても牛タンが名物だ。
そういうわけで食べ比べをしてみたくなった私は、国見サービスエリア内で牛タン串を食べていた。
時刻は午後4時40分頃。
もうじき夕飯の時間だったが、せっかくここまで来たのだし一本くらいならいいだろうと思ったのだ。
しかし、ここを出て仙台の市街地で夕飯を食べるまで思ったよりも時間がかかったので、この時点で食べておいて良かったと思っている。
牛タン串については、思っていたよりもかなり歯ごたえがあったのを覚えている。
仙台西道路(国道48号)
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約半日かけて初日の目的地である仙台市に到着した。
時刻は午後5時38分でやや薄暗い。
仙台宮城ICから仙台市街地へ向かうための国道48号は凄まじい交通量があるのだが、この交通量を捌くために特殊な構造をしているのがとても興味深かった。
国道48号仙台西道路には3つのトンネルが存在する。
仙台宮城ICから近い順に青葉山トンネル、川内トンネル、そして立町トンネルの3つなのだが、このうち川内トンネルについては流出入するルートが2つあるのだ。
一つは川内トンネルを抜けてすぐに地上へ出るルート(青線)。
そしてもう一つは、川内トンネルからさらに立町トンネルへ入り地上にある信号ありの大きな交差点を一個だけスルーパスして市街地方面へ流入するルートだ(赤線)。
尋常ではない交通量がある国道48号において、一個目の交差点で全ての車両を信号により制御すると渋滞になる。
そのため、通過交通を捌くために交差点をアンダーパスするトンネルを作り市街地への流入路を2つにして交通量を分散させたのだろう。
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赤線は立町トンネルを通るルートで、黄色の円で示した交差点を通過しない。
青線は同トンネルを通らずに地上に出て、黄色の円で示した交差点を通過するルートだ。
地下空間を活用して渋滞対策をするという手法がまるでシムシティのようで、とてもワクワクする良い道路だった。
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多層構造になっているので、衛星写真で見てもまず分からない。
こういう場所は本当に走ってみなければ実感がわかないのだ。
仙台駅
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ホテルでチェックインを済ませ、残す予定は夕飯のみだ。
とりあえず飲食店が色々ありそうな仙台駅へ徒歩で向かった。
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駅の中を歩き回っていると牛タンの店を発見したので、今日はここで食べることにした。
駅ビルの中にあったお店はすてーきはうす伊勢屋さんだ。
仙台は旧令制国では陸奥国なのだが、なぜ店名に伊勢(三重県)の名を冠しているのかはよく分からない。
創業者の出身国なのだろうか。
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初日は仙台市までの移動だけで終わった。
休憩を多めに取ったところがあるとはいえ、仙台まで来るのに約半日かかるという事が体感として知ることが出来たのは大きかったと思う。
二日目以降は次の記事で書くことにしよう。
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