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リベンジ西野水道!ショッピングセンターマニアと行く長浜及び敦賀周辺【西野水道・賤ヶ嶽隧道編】
今回の旅は、今年から何度も行っているショッピングセンターマニアと行く旅だ。
西野水道や賤ヶ嶽隧道といったマニアックなスポットから、敦賀赤レンガ倉庫や日帰り温泉施設などの一般的な観光施設を周りつつ、後半戦はひたすら敦賀と長浜の商業施設を周るという濃厚極まりない一日だった。
西野水道
西野水道というのは長浜市に残る江戸時代の手掘りの水路トンネルで、氾濫を起こす余呉川の放水路として開削されたものである。
ここを訪れたのは2月ぶり、実に2度目の来訪だ。
上記の記事はその当時に執筆したもので、西野水道の歴史や立地についてはそちらで詳しく言及している。
そして、そんな西野水道を再訪した理由は他でもない。
西野水道の内部を探索するためだ。
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元は水路トンネルとして開削された経緯から内部は狭く、そして非常に暗い。
その暗さは尋常ではなく、大の大人が入るのを戸惑うほどである。
要するにあまりにも気味が悪過ぎて、一人で入る度胸が持てなかったのだ。
そのため、今回はこうしたマニアックな物件にも理解があるショッピングセンターマニアに話を持ちかけたというわけである。
彼は商業施設のみならず、この手の廃のエッセンスを持つ物件にも興味があるため、西野水道にも関心を寄せてくれたのだ。
そもそも西野水道というマニアックな物件があるという情報にアクセスするのが難しく、私も地図アプリを眺めている時に偶然見つけた程度のものだった。
釣り人には穴場スポットのようであるが観光地としては弱く、訪れる者の大半は釣り人である。
仮にもデートには絶対に使えないだろう等という話をしていたのだが、直後に訪問者ノートを見て驚愕したのだった。
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ここをデートに使っているカップルが、直近で二組も居たのだ。
それも片方に至っては兵庫と和歌山という遠方からの来訪だったことにも驚いた。
いかに同じ畿内とはいえ、随分とマニアックな場所に来たものだと思う。
場所が場所なだけにヘルメットと長靴を着用し、懐中電灯を携行しなければならない。
それだけでも、およそ普通の女子を連れてくるのに適しているとは言い難い場所のはずなのだが、そんな場所に女を連れて訪れる剛の者がいる事は驚きというより他ない。
もっとも、暗くて狭くて気味が悪い場所なので、ある意味吊り橋効果は狙えるのかもしれないが。
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さあ、いよいよリベンジだ。
二人そろって縦列で中へと入っていく。
なお、この東口坑口の付近はご覧の通り藪となっているために大量の虫がおり、特に蜂には難儀した。
さすがに命に関わる以上、無視をするわけにはいかない。
ツキノワグマも出るそうだが、エンカウント率は蜂の方が高かろう。
こういう場所は全般的にそうであるが、冬に行くのが望ましいと思う。
言うまでもないが、2月に訪れた際には虫は居なかった。
足元は濡れており、ところどころ深くなっている所には水が溜まっているので、本当に長靴が無いとびしょ濡れになってしまう。
いかに現役を退いたとは言え、ここは元水路トンネルなのだ。
当日はもちろんのこと、前日も晴天であるにもかかわらず洞内には水が溜まっていたのである。
実はそうした事情により西野水道再訪は何度か延期しているのだが、その判断は正しかったと言うことを実感することが出来た。
当然ながら雨天時に訪れることは無謀であるのだが、前日が雨天であってもその危険性は変わらないことだろう。
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洞内の画像だが、残念ながら暗すぎるため解像度が上がらず、また足場が不安定だったりするため撮影する余裕が乏しかった。
そのため、あまり綺麗な写真を撮影することは出来なかった。
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西口坑口に近づくと直線になり、外の光が見えてくるので安心感を感じられるようになる。
ただし、このあたりは歩行者の頭部を保護するためにロックシェッドのような構造物が設置されており、体を屈めないと通行することが出来ない。
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感想を率直に言うと、二度と入りたくないトンネルだった。
とにかく暗くて狭く、尋常ではない閉塞感を感じるため、途中まで進んだ所で早く出たくなってしまった。
これが江戸時代の手掘りトンネルなのか…などという感慨に耽っているような余裕はない。
そのため、帰りも同じ道を通る気には全くなれず、大人しく二代目の西野水道で戻ったのだった。
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賤ヶ嶽隧道(旧国道8号)
北陸の大幹線たる国道8号には多くの旧道が存在する。
この賤ヶ嶽隧道を含む滋賀県道514号飯浦大音線もその一つであり、賤ヶ岳トンネル開通により国道としての地位を失った旧国道なのだ。
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旧道はトンネルの距離を短くするためか、現道よりもやや高い位置にある。
その高低差を埋めるために坂道や急カーブが連続しており、ドライブ趣味で走行する分には楽しい区間とも言えよう。
また、その車両交通量の少なさと旧国道ゆえの規格の高さが幸いし、自転車の利用者が多い。
これは現道である賤ヶ岳トンネルの幅員がギリギリ二車線分しかなく、自転車での利用に難があるためだ。
実際にここで車を停めて撮影しているときも、複数の自転車利用者とすれ違った。
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トンネルというものは、その名称等を示すために坑口上部に扁額と呼ばれるものが設置されている事が大半だ。
このトンネルも例に漏れず扁額が設置されていたが、今回はトンネルの名称ではなかった。
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一般的に扁額にはトンネルの名称が刻まれていることが多いが、稀に四字熟語が刻まれていることもある。
今回は後者だ。
扁額に刻まれた篆書体は判読できなかったが、調べたところ「周道如匡」と刻まれているのだそう。
意味は「曲がりくねった山の道をまっすぐにただす」というものらしい。
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山側にあった湧水を貯めておくための桶だが、賤ヶ岳の地下水だろうか。
トンネルを掘削すると地下水などが出水するのはよくある事なので、トンネルの外ではあるもののトンネルに関連して設置されていると見てよいだろう。
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簡易の休憩所が整備されていたが、左の自転車用のラックを見るに自転車利用者を想定しているものと考えられる。
そもそも琵琶湖周辺は自転車利用者を受け入れることに積極的であり、湖岸道路も多くの区間で自転車専用レーンなどを設ける等して自転車利用を促進しようという姿勢が見受けられる。
こうしたところにも、現道を迂回してもらいたいという滋賀県の意向があるのかもしれない。
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敦賀編以降については、あらためて記事を分けて書くとする。